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おすすめ本まとめ

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北欧史、ヴァイキング関連のおすすめ本を紹介します
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#おすすめ本紹介

おすすめ本③『ドイツ誕生 神聖ローマ帝国初代皇帝オットー1世』

講談社現代新書の11月新刊です。 帯に書かれていた、「ヨーロッパ随一の強国は、ひとりの男によって作り上げられた。戦いに明け暮れ欧州を席巻した苛烈な王の物語」の一文に惹かれて読んでみることに。 オットー1世(912-973)は、イングランドのアゼルスタン王(895-939)、ノルウェーのホーコン善王(c.920-c.961)と同時代の東フランク王。 アゼルスタン王の異母妹エドギィス(エドギタ)が最初の正式な妻でした。ホーコン王との接点はありませんが、10世紀の周辺諸国の事情を

アイスランド・サガの翻訳書案内

1970年代以降、大変ありがたいことに数多くのサガが北欧中世史や北欧古典の研究者によって日本語に翻訳されている。 最近では、北欧神話を題材にしたゲームや、アニメ化もされている人気漫画『ヴィンランド・サガ』(幸村誠著)、海外ドラマ『VIKINGS 海の勇者たち』などから北欧の古典であるエッダ・サガに興味を持たれた方も多くいらっしゃることと思う。 散文作品である〈サガ〉は、主にノルウェー王の事績を扱う〈王のサガ〉、アイスランド移住者たちを主人公にした〈アイスランド人のサガ〉、伝

北欧神話関連のおすすめ書籍

ギリシア神話ほどではありませんが、北欧神話の本も日本でたくさん出版されています。 新しい本は殆ど読んでいないので、発行年は古いのですが、私のお勧めはこの2冊。 ① 谷口幸男訳 『エッダ ―古代北欧歌謡集』 新潮社 1973年 ② 菅原邦城著 『北欧神話』 東京書籍 1984年 ①は日本における北欧古典紹介の第一人者である谷口幸男先生による北欧神話の原典『エッダ』の翻訳書。 韻文の古エッダの全訳と解説、散文のエッダ(スノッリのエッダ)から「ギュルヴィたぶらかし」を収録。

おすすめ本② サクソ・グラマティクス著(谷口幸男訳)『デンマーク人の事績』(GESTA DANORUM)

"GESTA DANORUM" は、12~13世紀デンマークの歴史家サクソ・グラマティクスがラテン語で書いたデンマークの歴史書です。 以前から読んでみたいと思っていたのですが、ついノルウェーやアイスランドを優先してしまうので、なかなか手を出せずにいました。 原書は1~16巻までありますが、日本語訳は1~9巻までとなっています。 1~9巻は、伝説的な内容を含む先史時代を扱っています。 神話の時代から、9世紀のゴルム王までの異教時代です。 ちなみに10~13巻は、ハラルド青歯王