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成果を上げるフィードバックの与え方の9つの方法

誰かを管理する責任にある人は、常に何らかのフィードバックを提供する機会や責任があります。今回の記事では、成果を上げるフィードバックの与え方のポイントをまとめてみました。

与え方のポイントその1:目的を明確にする

成果を上げるフィードバックの与え方について考えるときに、まず考えなければならないのは「なぜフィードバックを与えるのか」という目的を明確にすることです。

受け止める側というのは実に鋭いもので、フィードバックを与える人の動機を鋭く気付くものです。

例えば、私の息子が中学校に進学し、ある部活動に入部しました。その部活動には当然ですが顧問の先生がいたのですが、この顧問の先生は非常に生徒たちに嫌われていました。というのも、この先生は授業中でも部活動でも、四六時中生徒たちを怒鳴り散らしていていたそうです。

怒られる内容には一貫性がなく、その時の先生の気分によって基準がコロコロ変わっていたらしいので、子供たちは先生が怒るのは「自分たちの成長を思ってくれている」のではなく、「怒ることで自分たちを管理しようとしている」のだと直感的に気付いていたのだと思います。

与え方のポイントその2:フィードバックを与え易く受け止めやすい雰囲気や環境を作る

フィードバックを与え易く、受け止めやすい雰囲気や環境を作ることもとても大切です。

そのためには、与える側と受け止める側の信頼関係がしっかりとできていることが必要です。もし十分な信頼関係ができていないと感じるようなら、まずお互いの関係が深められるような交流の時間を取る必要があるかもしれません。

一般的に人は、食事やスポーツなど楽しい時間を一緒に過ごすことで打ち解け易くなります。その意味で日系企業の文化とも言える飲みニケーションも強い組織を作るための効果的な手段なのかもしれません。

与え方のポイントその3:定期的にフィードバックを与える

フィードバックですが、定期的にフィードバックを与えることが大切です。

当然ですが、定期的にフィードバックを与えるためには普段からよく対象となる人を観察している必要があります。

例えば、入社してからほとんど会話もしたことがないような会社の社長が突然自分を呼び出して、自分の普段の仕事のやり方や言動について指摘し始めたらどう思うでしょうか?

この人は自分の何を知っているのか?

と思うのではないでしょうか。

与え方のポイントその4:9割ポジティブなことを伝える

よくフィードバックをする人で、対象となる人のダメ出しばかりをする人がいますが、多くの場合このようなフィードバックは人を萎縮するばかりで、その人の潜在能力を十分に引き出すことはできません。

ここはいいね、あれは惜しかったね、と十分にその人の良かったところ認めた上で「でもあそこを●●すればもっと良くなるよ」と言われれば、言われた側ももっと受け入れ易くなります。

これは子育てにも応用できることです。よく褒められ、認められて育った子供は自分自身の存在について高い肯定感を持って生きることができるため、勉強にしても運動にしても、自信を持って進めていくことができる傾向があります。

与え方のポイントその5:感情や態度ではなく、行いにフォーカスする

4つ目のポイントは、感情や態度ではなく、行動にフォーカスすることです。

「感情」「態度」「行い」にはどのような違いがあるのでしょうか?

感情は分かりやすいと思いますが「態度」「行い」は一見非常によく似ています。英語にすると態度は「Attitude」という言葉になり、行動は「Behavior」という言葉になります。

言葉で説明するよりも図で解説した方が良いと思いますので、以下の図を作ってみました。

行いははっきりと目に見える部分です。そしてその土台には何らかの感情があってそこは人には見えません。ここまでは分かり易いと思います。

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では態度は何かといえば、オックスフォードの定義では以下のように書かれています。

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つまり先程の図上で書いてみると態度とは行いと感情が混ざったものであると言うことができます。

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要するに フィードバックをする時は、客観的にはっきりと目に見えることだけを取り上げ、感情が混じった主観的な部分は指摘しない方が良い、と言うことです。

もうずっと昔のことですが、私が小学校低学年の頃に、何か悪いことをして母親からもの凄く怒られたことがあります。怒られて指摘されたことに対し、個人的に反省した僕は、どうやって次回は直そうか考えていたところ、母親から怒号が飛んできました。
「その不満そうな態度はなに!!!」

正直、真摯に反省していただけなのに、勝手に判断されて怒られたことが非常にショックでした。

このように感情や態度にフォーカスしてフィードバックを与えるのは非常に危険です。なぜなら、相手の深層は目に見えないため、間違った判断をする可能性が高くなるからです。

与え方のポイントその6:フィードバックを与える人にフィードバックを聞きたいかどうか確認する

これは臨機応変に活用するべきポイントですが、相手がフィードバックを聞く準備ができているかどうかを本人に確認するのは非常に有効な方法です。

聞く準備ができていない人に強制的に聴かせたとしても、結局本人がフィードバックを受け入れないことが分かっているのであればお互いにとって無駄な時間になる可能性があります。

もっとも、スポーツのコーチや職場のメンターなどはフィードバックを与えることが大前提の関係となっているため、こうした事前の確認は省略されることが多々あろうかと思います。

小さな子供を躾ける場合も、折を見てしっかりと教えるべきことを教える必要があるはずです。

与え方のポイントその7:明確で具体的なフィードバックを与える

効果的なフィードバックは明確で具体的である必要があります。

以前、ある仕事のプロジェクトである音楽アーティストに中高生の歌の指導をして貰ったことがあります。そのアーティストは10人前後の中高生の歌を指導してくれたのですが、ほぼ全ての中高生に対する指導内容は、歌い始めるやいなや

「はい止めて!そこもっと感情込めて!」
「感情がねえ入ってないんだよね」

といったフィードバックでした。中高生たちは何とかアーティストの意図を汲もうとしていましたが、感情を込めるというのは何とも曖昧で戸惑っているようでした。

後で分かったことですが、このアーティストは音楽を学んだのは独学で、自分で演奏する範囲においては問題ありませんでしたが、誰かに音楽指導をする技術は持ち合わせていなかったのです。

その後、音楽指導を音大の助教授をされている方に依頼することになったのですが、彼の指導は実に具体的でした。

「そこ半音外れてるので合わせてみてください」
「そこはサビなので、先程の3割増しくらいの声のボリュームで歌ってみてください」

与え方のポイントその8:フィードバックは未来志向で行う

フィードバックを与える際に、「あの時はああだった」「この時はこうだった」「あそこがダメだったね」などと延々と昔の話を引き合いに出す人がいますがフィードバックは未来志向で行うべきです。

「あの時はあそこが改善点だったよね。だから次の機会は〇〇を●●した方がいいんじゃないかな

といった感じです。

与え方のポイントその9:自分のフィードバックの与え方についてのフィードバックを貰う

これはある意味フィードバックをする側に勇気がいることかもしれませんが、定期的に自分のフィードバックの与え方についてのフィードバックを貰うのも非常に効果的な方法です。

そもそもフィードバックをするという行為が一方通行であるというのは思い込みに過ぎません。

ただし、日本では学生時代から社会に出てさえも、教師から生徒、上司から部下と、ほとんどの場合一方通行です。しかし、フィードバック与える側が完璧な人間であることなどあろうはずもなく、当然改善の余地は常にあります。そして改善のヒントは普段フィードバックを与えている側から受けることもできるのです。

私がアメリカのMBAに留学したときに非常に驚いたことの一つが、毎セメスターごとに全ての生徒に求められる「教師の評価調査」でした。自分がそのセメスターで履修した教師たちの満足度や良かった点、改善点などを数値と記述で大学側に提出することができ、その評価はそれぞれの教師たちの査定に反映される仕組みになっていました。




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明治大学卒。日系Slerでシステム開発、マーケティング業務に従事。29歳の時に米国に留学しMBA取得。卒業後、ソニーグループでマーケティング業務に従事し、現在は外資系法人にて事業部門長。海外拠点の採用にも携わる。留学生の就職支援サイト「ボストンキャリアフォーラムの歩き方」を運営