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私はまだザッカリー・リーヴァイを許していない

忘れもしない。あれは2019年のこと。

その日、ファンミーティングでスナイダーカットのことを質問されたリーヴァイは、質問した青年(少年?)を小馬鹿にするような対応をしたのだ。

▼証拠動画:

50分05秒頃から問題の質疑応答が始まります。

▼日本語解説:

可能であれば音声を流しながら日本語を読んでいただきたいです。

ファン
「これは、あなたに聞いて良いものか分からないんですが、スナイダーカットについて何か知っていますか?」

リーヴァイ
「ええと、結構な多くの人達がTwitterで出せって叫んでるヤツなら僕も知ってるよ、でもそんなものは存在しないんだ。僕が知る限りではだけど、存在しないんだよ。

もちろん制作の初期段階ではスタジオに見せる目的なんかでラフ版みたいなものが作られることはあるよ、でもそれは君らがイメージしてるような完成品とは程遠いんだ。

ザックはスタジオを去るしかなかったんだ、そしてジョスが連れてこられて、彼らは残りの仕事をこなして映画を完成させた、それが「カット」さ。だから存在しないんだよ、全てがザック・スナイダーのもので出来上がった『ジャスティス・リーグ』なんてものは。ネットには真実じゃないものだってあるんだ。ショックだった?でもそうだろ?」

ファン
「まあそうだね」(ネットには嘘情報もあるってことに関しては)

リーヴァイ
「それで僕は提案したいんだけど、スナイダーカットなんてものがリリースされるのを待ってるような人達は、その情熱を何か別のカットに注いだらいいんじゃないかな(笑)。だって、そんなこと起きっこないんだから。そんなものは存在しないよ」

ファン
「そうですか」

リーヴァイ
「うん」

ファン
「あの、こ、これは単に好奇心の質問なんだけど、もし…」

リーヴァイ
(質問をさえぎって前に踏み出しながら)
「OK。マジな話、僕もスナイダーカットのリリースを待ってるんだ!

ファン
本当?

リーヴァイ
NO!からかっただけだよ。はっはっはーん(笑)

ファン
「あ、そうすか(苦笑)

そのヒゲいいね」(会場ややウケ)

リーヴァイ
「ありがと!僕もそう思うよ。次の人!」

前半の弁論はもしスタジオから指示されていたなら許容できる範囲かなとは思う。この時期のワーナー・ブラザースはスナイダーカットの存在をとにかく否定しまくっている状態だったので、ファンミの前にリーヴァイに箝口令を敷いた可能性はゼロではない。

しかし、後半部分で質問したファンを「ネットの情報だけを信じるようなヤツ」として扱い始めたくらいからは私は不快になってきた。これ明らかに立場が弱い人をイジってるでしょ。

そもそもTwitter上のファンの多くはスナイダーカットのVFXや音楽が完成していないことは十分に予想できていた。それでもスナイダー本人が2017年3月にVeroに上げた作業風景からピクチャーロック(VFXとアフレコと音楽を入れる前に映画本編の長さを固定する作業:つまりこれ以降にシーンの追加や編集は発生しない)が完了していることは判明していたし、ジェイソン・モモアが8月にInstagramでスナイダーカットを観たことを投稿済みだった。だから未完成とはいえ、とりあえず観る分には問題なさそうなレベルであることをファンは知っていた。そういうのを全部すっ飛ばして、むしろ無知なリーヴァイが自説を強弁しているので私は良い気分ではなかった。

そして極めつけは、それでも食い下がろうとするファンの様子を敏感に感じ取っての、ファンの信頼を騙すような揶揄い方。もうこれを見て私の頭はカチンときてしまったのだよ。こんなのヒーローじゃないって。

これはダメだろう。コミコン等のイベントでの子供への神対応などリーヴァイの評判の良さは知っているが、だからといって言動がオタクっぽい青年に酷い扱をして良いという免罪符にはならない。シンプルに、この答弁はいただけない。彼はこの日すでに50分以上もファンとの質疑応答で立って喋り続けていたので疲れが出たのかもしれないが、そういう限界が近づいた時にこそ人は本当の姿が現れてしまうものだ

そして、改めて全体を読み返してみると、does not exist(=存在しない)またはそれに似た「強い語調の否定表現」を、リーヴァイはこの短い質疑応答の中で6回も言ってるんだよね。これはしつこくてウンザリするわ。別に異なる意見を持つことは容認できるじゃん、このファンだって最初に「あなたに聞くのが正しいのかは分かりませんが」と丁寧にワンクッション置いてるのに。しかしリーヴァイは何度も繰り返してスナイダーカットの存在を否定している。まるで何かを信じる人の心を打ち砕かんとするように。まるで洗脳をかけようとするかのように。

私は最近どこかで似たようなテイストで主張を押し通そうとするタイプの文書を見た気がする。どこだっけ、あ、小室文書がこんな感じだった!あれも何度も何度も「お金は借りたものではない、貰ったものだ」と繰り返していた。うーん不快だ。苦笑。

・・・

この青年が最後にリーヴァイのヒゲを褒めたのは、ジョスティスリーグでのヘンリー・カヴィルのヒゲ問題を意識した反撃の一発であり皮肉だと思う。リーヴァイは気づかなかったようだが、会場でこのユーモアに気づいた一部のオーディエンスは笑っている。この青年は、自分が大好きだと思って駆けつけた俳優にあんなイジられ方をしたのに、即座にこんなウィットの効いた返しができるなんて結構すごいと私は思うよ。

▼当時の情報:

なお本noteで取り上げたリーヴァイの発言は2019年10月のものである。ワーナー・ブラザースがHBO Maxでの公開を発表したのは2020年5月だったので彼が「僕は知る限りでは存在しない」と発言するのは譲れる

ただしジェイソン・モモアがInstagramで「スナイダーカットを観た」と明かしたのは2019年8月だったので、ファンの方が詳しかったと言える。

スクリーンショット 2021-06-22 21.08.34

俺にスナイダーカットを見せてくれたからご褒美にライカをあげたよ。俺ってグッドな俳優じゃないから嘘つけないんだよね。スナイダーカットはマジヤバイぜえええ!
Mahalo for showing me the synder cut. Here is a token of my appreciation. Leica Q2 for inspiring me as an artist through and through @leicacamerausa I wish I was a better actor but I can’t lie. The Snyder cut is ssssiiicccckkkkkk
https://www.instagram.com/tv/B1U1rmigdlY/ 

リーヴァイの発言を受けてなのかは不明だが、モモアは11月にステッペンウルフを串刺しにする画像を投稿した。さらに12月にスナイダー本人もVeroで「実在する」と明言した。ただし実際にはもっと早くスナイダーは「カットはあるよ、でもリリースするかはワーナー次第だね」とサイン会(2018年だったかな?)で口を滑らせている。笑。

リーヴァイは2017年10月にDCEUにシャザム役で加入することがアナウンスされた。これはスナイダーが降板した2017年3月よりも後になるので、彼がスナイダーカットの情報を持ち得ないことや肯定的な発言が難しいことは仕方がないとは思うが、それでも後半のファンへのいじり方に嫌な感じがするのは私は譲れないかな。

時系列
2017年3月→スナイダーがJLを降板・同時にDCEUから一時離脱
2017年5月→ウェドンがJLを追加撮影・カヴィルのヒゲ問題が勃発
2017年10月→リーヴァイがDCEUに加入(したことが発表される)
2017年11月→JLの公開・同時にReleaseTheSnyderCut運動が始まる
・・・(長く苦しい戦いの日々)
2019年8月→モモアがInstagramでスナイダーカットを観たと報告
2019年10月→リーヴァイがファンミでスナイダーカットの存在を強く否定
2019年11月→モモアがInstagramでスナイダーカットの静止画を投稿
2019年12月→スナイダーがVeroでスナイダーカットは存在すると明言
2020年5月→ワーナーがスナイダーカットのリリースを公式にアナウンス

▼まとめ:

以上が、私がリーヴァイによくない印象を持っている理由だ。

心が広い人なら、あんなものジョークだ、で済ませられるかもね。

私は正直、リーヴァイの笑い声を聞くたびにこの動画を思い出して不快に感じるくらいには彼を嫌いになってしまったが。

シンプルな話、私はスナイダー監督をきっかけにDCに入ってきたので、もともとDCコミックスに強い思い入れがある訳でもなく、このため『シャザム!』は可もなく不可もない「普通の作品」として捉えている。映画自体は起承転結が良くまとまっていて、予算規模と照らしても佳作と呼べると思う。特にビリーの少年役の表情が良い。同じくフィラデルフィアを舞台にした名作『ロッキー』を踏襲している部分など映画的な楽しさもある。「大好き」と言うレベルではないが、決して悪い作品ではない。これは2019年4月に映画館で観た時の素直な感想である。

なのでプラスマイナスほぼゼロ地点からマイナス材料だけ投下しちゃった感じかな。

そんな折に続編の情報が増えてきた。

つい先日、続編のスーツ姿が公表されたようだが、でも今では、ちょっと好意的には観られないかな。スーパーガールもそうだけどスーツのデザインばかりスナイダー風を踏襲しても、大事なのはシナリオや作家性であり最終的にはその映画のキャストやクルーへの愛なので、私にはあまり響かないよ。

しかも続編はプロデューサーにジェフ・ジョンズの名前が入ってるらしいので、もうノーサンキューだわ。残念ですが私は『Fury of the Gods』をボイコットします。私がジェフ・ジョンズを嫌いな理由はこっちに書いてあるので、反論する前に読んでいただけると助かる。

▼情報提供依頼:

もし2020年にスナイダーカットの存在が公式アナウンスされて以降、リーヴァイが何か間違いを改める類の発言をしているなどの情報があれば、ご教示いただけると幸いです。

私がシャザムを楽しく観られるようになるかもしれない。
それは私にとって良いことだと思うので、人助けだと思ってお願いします。

了。

▼参考記事:

上記のリーヴァイの発言が2020年1月になって炎上したときの記事

https://cosmicbook.news/zachary-levi-snyder-cut-zack-snyder

面白かった・勉強になった、という人はこのnoteの拡散に協力するか、投げ銭で私をサポートしていただければ嬉しいです。またはリーヴァイ愛に溢れた擁護コメントなどお待ちしております。今後もこうして記事を書く励みになりますので、よろしくお願いします。

▼アップデート情報:

2021.06.23:リーヴァイのDCEU合流がアナウンスされたのはスナイダー降板後だったことをTwitterでご教示いただいたので、「当時の情報」節に追記。

最後まで読んでいただきありがとうございます。ぜひ「読んだよ」の一言がわりにでもスキを押していってくださると嬉しいです!