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まいるず映画感想文

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2023年4月の記事一覧

【あらすじ解説】【ヴィレッジ】

映画の内容に言及しますので、鑑賞前の閲覧にはご注意ください。 ▼あらすじ:▼解説:●劇中で使われる能について 劇中でミサキも解説してくれますが、この映画では『邯鄲』という演目が2回使われます。これがそのまま主人公ユウの運命を表現しています。幸福を手にしたと思ったら、まるで夢から覚めたように、それは一瞬で崩れ落ちて行きます… アバンタイトルではユウの父親が放火する場面と交互に『邯鄲』が上演が映し出されて、ダ

平成初期の空気を感じる名作【AIR/エア】

1984年の物語ですが、当時はアメリカのカルチャーが日本に定着するまで5年以上かかっていたので、日本では1989年以降の雰囲気によく似ていると思います。90年代にティーンだった私には、多感だったあの頃のカルチャーを思い出させてくれて、とてもエモーショナルになりました。 また映画としても、私はベン・アフレック監督作品なら『ザ・タウン』も『アルゴ』も好きですが、本作も監督の演出が非常に巧みで、映画ならではのロジカルな楽しさも同時に味わえました。 劇場で観覧して良かったなーと思

映画と原作小説で比較してみよう【ノック終末の訪問者】

ネタバレ全開で語りますのでご注意を! ▼あらすじ(映画版):▼あらすじ(原作小説):第一幕は同じなので省略します。 ▼シャマランぽくない?:本作はシャマラン映画なのにシャマラン映画っぽくない、と評価されがちです。確かに撮影監督が『スプリット』以来の相棒マイク・ジオウラキスから、ジャリン・ブラスキー(ロバート・エガースの全作品を担当)に変わっていることもありビジュアルの雰囲気が少し違ったかもしれません。 しかし一番の原因は、ラストで「大どんでん返しが起きない」ことでしょう

3月に観た新作映画

令和5年3月に観た新作映画は7(+1)本。 その中でも個人的なフェイバリットは以下の3本です。 🥇:エンパイア・オブ・ライト 🥈:長ぐつをはいたネコと9つの命 🥉:Winny まさかのエブエブがTOP3落選! 観たのが早い順に過去ツイートを引用しつつ一言感想を綴ります。 ▼エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス初見は今年の映画館ではなく、昨年の東京国際映画祭でもなく、海外版4Kブルーレイでした。当時は観賞後のツイートはしなかったらしいです。 去年ち