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ここに歩みだす大海の道しるべ

なかなか難しい試合が続いています。

チームとして何ができていて何ができていないのかとか戦術的なあれこれを論ずる気はないので、その辺は詳しい方にお願いするとしましょう。
あまり言及するつもりはないですが、精神論的な話で去年までと比べて円陣後のダッシュ緩くね? とか点取られた前後でチームとしての質が変わりすぎるとかいろいろ言いたいところはあるものの、この辺りをグチグチ言ってもしゃーないのでもっと別の話をしたいと思います。

ふがいない試合にイライラする、不満が募ってネガティブなことばっか言いそうな時はデータと遊びましょう。
データは嘘を吐きません。優しくもないし厳しくもなく、ただかつてそうだったという事実だけを告げてくれます。そんなデータを並べてみるともしかしたら未来が見えるかもしれないし、もしかしたらちょっとした希望になるかもしれません。
モヤモヤした気持ちや他の誰かが根拠のないネガティブを持ち出すなら、自分で信じたいデータを集めてポジティブな根拠を探しましょう。データは角度を変えればいくらでも好きな情報が転がっているので。

この前の日本ダービーだってある方向から見ればエフフォーリアが絶対勝つとしか思えないデータしかなかったんですよ。ただ間違いなく負けるデータもおそらくあったんですよね。J2はまだN数が少ないので一方向しか見えないデータも多いとは思います。

さて、前置きはこの辺にして“過去のデータ”という大海へのクルーズにご招待します。

​この記事で使用するデータは全て「J.League Data Site」より引用しています。https://data.j-league.or.jp/SFTP01/

2014-2019 J2リーグデータより

今回は2014-2019(2020はイレギュラー要素が大きいため除外)の6年分のデータから話を作っていきます。
22チーム制になってからの2012~でも良かったのですが、単純にデータ量が多いと面倒くさいのとJ3発足からのがまとめやすいのでこれで。
また、今回は19位~22位のボトム4をメインに取り上げますが、例年の2枠降格と今年の4枠降格ではまた戦い方が変わってくるので参考程度の内容と思ってください。

1.前半戦(21節)終了時の順位と最終順位

2014 (全て下から)富山、讃岐、東京V、横浜C

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2015 大分、岐阜、熊本、徳島

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2016 金沢、群馬、北九州、東京V

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2017 群馬、山口、讃岐、熊本

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2018 愛媛、京都、讃岐、栃木

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2019 岐阜、福岡、栃木、鹿児島

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これが最終順位でどう変わるかですが、

2014 富山(22位降格)、讃岐(21位入替残留)、東京V(20位)、横浜C(11位)
2015 大分(21位降格)、岐阜(20位)、熊本(13位)、徳島(14位)
2016 金沢(21位入替残留)、群馬(17位)、北九州(22位降格)、東京V(18位)
2017 群馬(22位降格)、山口(20位)、讃岐(19位)、熊本(21位残留)
2018 愛媛(18位)、京都(19位)、讃岐(22位降格)、栃木(17位)
2019 岐阜(22位降格)、福岡(16位)、栃木(20位)、鹿児島(21位降格

こんな感じです。
純粋に「降格」の事実だけで言えば24例中7例と約30%になります。意外と高くないですね。
これを今年のレギュレーションに当てはめると(太字)、24例中16例と一気に跳ね上がり、約67%……1/3が2/3まで上がってしまいました。

やはりボトム4で前半戦を終えるとなかなか難しいシーズンになってしまう、ということがデータから読み取れます。

2.前半戦終了時の獲得勝ち点数と最終順位

続いて先ほどのデータに勝ち点の取得状況を加えます。

①10Point未満
②10-15Point
③16-20Point の3グループに分類しましょう。


2014富山【8】→22位降格


2014讃岐【11】→21位入替残留
2017群馬【13】→22位降格
2017山口【13】→20位
2017讃岐【13】→19位
2015大分【15】→21位降格
2018愛媛【15】→18位
2019岐阜【15】→22位降格


2014東京V【16】→20位
2016金沢【16】→21位入替残留
2018京都【16】19位
2019福岡【17】→16位
2019栃木【17】→20位
2016群馬【18】→17位
2017熊本【18】→21位残留
2018讃岐【18】→22位降格
2015岐阜【19】→20位
2015熊本【19】→13位
2015徳島【19】→14位
2014横浜C【20】→11位
2016北九州【20】→22位降格
2016東京V【20】→18位
2018栃木【20】→17位
2019鹿児島【20】→22位降格

これから何が見えるでしょうか。
前半戦ボトム4にいた場合、最高順位は2014横浜Cの11位です。なかなか後半戦で盛り返しても一桁台にまで上るのは難しい、ということになります。

データの大半が③の16-20Point圏内です。逆に言えば、前半戦で21Point以上取得できていればボトム4で後半戦を迎える可能性はかなり低いです。
北九州は残り3試合で下位の愛媛、相模原戦がありますので、最低でも一勝一分一敗が求められ、できる限り二勝しておきたい、になります。

3.今期降格圏と前半戦最大勝ち点

続いて、今期の降格圏である19位以下に最終順位で沈んだチームが前半戦で取得していた最大勝ち点はいくつなのか? を見ていきます。
つまり、先ほどまでの項1,2で前半戦ではボトム4に入ってなかったものの、最終順位でボトム4に転落したチームの前半戦での取得勝ち点を確認します。

該当するのは以下のチームです。

2014 愛媛【26】
2015 水戸【20】、栃木【22】
2016 岐阜【24】、讃岐【22】
2017 該当なし
2018 熊本【22】、岐阜【29】
2019 愛媛【23】

MAXは2018年岐阜の29Pointで、前半戦11位でした。
まあこれに関しては前半戦調子良くても落ちることもあるよ程度にしかウチにとっていい方向の内容はないですね。

また、同様に前半戦ボトム4に入ってなかったけど降格したチームはあるのか? 確認しましょうか。

該当チームは上で太字にしていましたが、以下2つのみです。

2015栃木 勝ち点【22】16位
2018熊本 勝ち点【22】18位

ここから、ボトム4を脱した状態で後半戦を迎えることができれば通常の降格圏である21位以下まで落ちる可能性は極めて低いということが言えるかもしれません。また、「勝ち点22」に何らかのジンクスを見出すのであれば、そこを超える(つまり、この3試合で二勝するということ)のは重要かもしれません。

今回は以上の3点についてデータから見えてくるものを考察してみました。
この内容に対して現状のシーズンがどう重なってくるのか、前半戦で順位の悪かったチームが監督交代または夏のマーケットでの補強を通じて順位にどれくらい影響を及ぼしているのか、などを引き続きまとめられればと思っています。
例えばこんなデータはない? とか、気になるものがあればコメントいただければデータのある範囲でできることは見てみます。

2時間くらいでざっとまとめましたが、仕事してる気分になりました。。


余談

この内容とは関係ないですが、“サポーター”というものに対しての在り方にハテナが出ることが最近多々あるので、私の考えを少し書きます。
こういうこと言うと賛否あるかもしれないですが、面白くない試合、見ててイライラするような試合だったら別に我慢して見なくてもいいんですよ。

“サポーター”とはこうあるべきだとか、本当に応援してるならいいときもダメなときもしっかり向き合ってダメな試合も全部見て、いいところを発見して共に戦っていこうとか、理想論が過ぎると常々思います。
自分はサポーターとしてこういうスタンスでチームと向き合うよ、ってのはいいことだし、素晴らしい考えなんですが、それを“サポーター”はかくあるべきみたいな方向に持って行きだすのはダメなんですよ。

あくまで娯楽をどう楽しむのかってのは個人個人それぞれのものがあるので、それをSNS内でとか応援する中で勝手にルールめいたものに形作っていくことは絶対にNGだと思っています。
もちろん、選手とか公式の投稿に直接苦言を呈するとか、見るに堪えない罵りのような投稿をするとかそういうのは論外ですが。

普通に応援する中でネガティブな気持ちにもなるし、それをちょっとポストすることもあります、人間だもの。それに対してネガティブな言葉はやめてポジティブに行きましょう!!!!!とか俺は俺だから勝手に決めるなっていうところですね。

また、伸二さんが就任してから面白いサッカーをやって成績も良くて……という状態で新しくファンになった人も多いと思うんですが、そうすると初めての苦しいシーズンなんですよね。
苦しいシーズンにおいてキツいときの全てを一緒に向き合おうとするとしんどいです。特に、SNSで友達になった人たちはこんな風にしっかり向き合ってるから自分もそうしなきゃ……とかになると絶対しんどいです。

多分ですけど、私も含めて古くから応援してる人たちはそこら辺の切り替え(捨てるタイミング)がかなり上手いと思います。もうええわと思ったらその日は途中で見るのやめることもあるでしょう。その日はめちゃくちゃ怒ってたのに来週また試合の時間にはケロッと「今日は絶対勝つわ」とか言いながらまたTVの前にいます。

よくサポーターは移籍できない と言いますが、しようと思えば全然サポーターも移籍できるんですよ。それでも移籍しないのは見続けたい何かがあるからであって、そんな感じで見たいときも見たくないときもある、どうしようもなくイライラするような試合だってある、それと今後も長く付き合っていく気ならそれ相応の向き合い方も持っておくといいと思います。

ちょっと休んだら心の火がまた大きくなるかもしれないし、調子いいときだけのつまみ食いでもいいんですよ。一番ダメなのは真摯に向き合いすぎて疲れてもう嫌になること。細く長く応援しましょうよ。

長くなってきたのであとひとつ。
私はサポーターの力なんてものは大したものだと思ってません。選手たちが日々全力で頑張って練習して、ピッチ上でガチンコで戦ってるような試合に対してサポーターの力で勝っただ負けただの烏滸がましいにも程がある。

サポーターなんてのは大して力は持ってません。それでも、選手たちがもうどうしようもなく走れない、どうにもならない、もうダメだってときに俺たちの応援でもしかしたら一歩、二歩前に出るかもしれない。その程度です。

たかが一歩なのか、されど一歩なのか。
サポーターとはそういうものだと思います。


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