低燃費?高燃費? クルマの燃費の話

クルマを持っている人、これから購入しようとしている人など少なからず気になるクルマの燃費。
CMなどでは低燃費が売りのクルマが宣伝されていて、ガソリン車では10〜15km/L, ハイブリッド車では25〜30km/L程度の燃費が一般的です。
クルマ好きな人や日本語に敏感な人は必ず通る道、燃費は低いより「高い」方が良いんじゃないの?という疑問。
この考え方ついての解説話をシェアしたいと思います。(一部子供向けです)

燃費という言葉は「燃料消費率」の略で、世間的には数値が大きい方が低燃費と呼ばれています。
なぜこのねじれが生じているのか、表示名と測定単位がリンクしていないという微妙な理由です。

燃料消費率は、その名の通り燃料を消費する率なので、何かの基準に対してどのくらいの燃料を消費するかを示す数値、と解釈できます。
一般的に燃費に使われている単位は「km/L」ですが、基準(分母)が燃料の量(L)になっているのが話をややこしくしている原因です。
「km/L」を言葉にすると、燃料1Lで走行できる距離で、言葉的には走行効率や距離効率などの言葉が近いように思えます。
燃料消費率の主語はあくまで「燃料」ですので、燃料の量(L)が分子になるように「L/km」の逆表記の方がしっくり来ます。

例えとして、
燃費が10km/Lと25km/Lのクルマの燃費単位を「L/km」に変換すると、それぞれ0.1L/kmと0.04L/kmなります。
1km走るのに消費する燃料が0.1Lと0.04Lになるので、もちろん燃費が良いのは後者のクルマになり、これは単位を変換しても同じです。
数値が小さい方が燃料消費が少ないので、世間でよく使う「低燃費」の言葉にも合致します。
外国車の燃費表示は「L/100km」の場合があり、上記の例だと10L/100kmと4L/100kmの値になります。
そもそも自動車技術が外国から入ってきていることを考えると、燃費という言葉はそのまま輸入され、表示方法は何かのきっかけで日本流の表示方法になったと思われます。

結論として、表示されている燃費の数値は高い方が低燃費、という言葉のねじれは今後も続きそうですが、「低燃費・高燃費」という言葉を使うより、「燃費が良い・燃費が悪い」という言葉を使う方が万人に伝わる表現かと思います。

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