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ライブゲーミング→メタバースへの道 ②「メディア型」「コミュニティ型」2つの方向性

市場が急速にできつつあるゲームとゲーム実況の融合=ライブゲーミングについてのnoteです!

初回のnoteではライブゲーミングのユーザー体験、前回は色んなエンタメがインタラクティブになってるからライブゲームが生まれてくるよね、という話を書きました。

今回は、ライブゲーミングにも大きく2つの方向性があって、その中でも色んな発明がされていくはずだよ!という話を書いていきます。

まず、2つの方向性としては「メディア型」と「コミュニティ型」があると考えています(筆者分類)。

メディア型=多人数の1箇所への介入

前者「メディア型」は端的にいえば、「皆(多人数)がリアルタイムで同じライブ配信を見ていて、そこに介入できる構造」です。

例でいくと、

・M-1グランプリの敗者復活戦の投票
・ラピュタの「バルス!」シーンで皆のTwitter上のバルス!ツイートが画面に表示される
・HIKAKIN vs はじめしゃちょー、どっちが勝つか皆で応援しよう!(例です)


というようなイメージです。

数年前、アメリカ発でVineの創業者が創った「HQ Trivia」という「ライブクイズ」がブームになりました(ミラティブも日本最速で取り入れました。最速で試したかったので当時の司会者はボイスチェンジャーをかけた私でした…w)。

HQ Triviaは最初期のメディア型ライブゲームだったと私は整理しています。

リアルタイムでライブ配信のクイズ番組が始まって、ホストが配信者で、回答という形で視聴者が参加する形式ですね。


「メディア型」の最新事例として米国で成果を出しているのがGenvid Technologies
という会社です。昨夏シリーズCで110億ドルを調達しています。

彼らは、スクウェア・エニックスが2014年頃にクラウドゲームPFとして投資していたシンラテクノロジー(神羅=FF7!)の元メンバーで、Twitch上で配信に介入できるようになるSDKの提供からスタートし、昨年、Facebook Live上で「Rival Peak」という「メディア型」コンテンツをバイラルヒットさせました。

(創業者のJacobは、4-5年前からランチしながら「絶対ライブゲーム来るよね」と共鳴していた同志で、彼等はTwitchのSDKからアプローチし、Mirrativはライブ配信PFからアプローチしてきた、という歴史があります)。

「Rival Peak」は、「テラスハウス」のようなリアリティショーの世界観で、AIキャラクターがそれぞれ生活している箱庭の中に、視聴者が介入していくとキャラの行動が変わり、予期せぬドラマが生まれる、というライブエンタメです。

彼らはこの世界観をMMO(Massively Multiplayer Online)のように「MILE (Massive Interactive Live Event)」と表現しており、これは「メディア型」のライブゲームといえます。
「番組」「映画」などがインタラクティブになっていくような方向性です。


コミュニティ型=各配信内での視聴者参加・介入

もう一方が「コミュニティ型」のライブゲームで、ミラティブはこちらを志向しています。
初回noteで書いたカジノのルーレットの例がわかりやすいかなと思います(配信者=ディーラー、視聴者兼プレイヤー、テーブルを囲むオーディエンス兼順番待ち)。

「配信」を1単位として、配信者をゲームマスターとして視聴者がゲームに参加・介入する形です。少人数でも成立し、配信部屋それぞれで異なるコミュニケーション体験が生まれる体験です。

ライブゲーム

このコミュニティ型の中もさらに、いま私で見えている景色だけでざっくり2種類に分かれ…「非対称型」と「対称型」があるなと思っています。

非対称型は「配信者がプレイ、視聴者が介入」とそれぞれで別の役割をしています。一方、対称型は「配信者も視聴者もいっしょにゲームプレイ」というイメージです。

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非対称と対称

非対称型「視聴者介入」の例としては現在ミラティブ上で開催中の「エモモRUN」などがわかりやすいです。

「配信者はゲームをプレイする。視聴者はお助けアイテムを投げ入れるなど介入する・サポートする」という形。配信者と視聴者は違うUIを操作しており、協働で体験していくイメージです。

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対称型「視聴者もゲームプレイ型」は、プレスリリースで紹介した「エモバト」などが該当します。配信者をオーナー/ゲームマスターとして、視聴者も配信から同じゲームに参加し、部屋の中でいっしょにゲームをプレイする形です。

パッと聞いた感じは普通のマルチプレイのように聞こえるかもしれませんが、全く違う体験です。


・ゲームマスターである配信者の声を聞きながらいっしょにプレイする
・ライブ配信のギフトでゲームアイテムの贈与ができる、そこにも盛り上がりが付随する
・「視聴者プレイヤー」以外の観客視聴者がいる
・配信からシームレスにマッチング、いっしょにプレイできる


など、実際に体験してみると体感が大きく異なります。

ライブゲーム2

ここからの予期できない展開

メディア型/コミュニティ型、あるいは対称型・非対称型、どの方向性にもまだまだ大きな可能性がありそうで、試行数を増やしながら解像度を上げていくフェーズが今です。
(試したから見えてきたことがたくさんあり、市場の黎明期から取り組むメリットはここにあるなと思っています!)


もちろんこれらは例、現時点でのわかりやすい分類にすぎず、今後、どんどんと想像もつかないようなゲーム体験が生まれてくると思っています。
(ソーシャルゲームの最初期時点では、「カード合成」がビジネスモデルのキモになるとは誰も想像していませんでした)

特に、コミュニティ型のライブゲームは、低開発費でいろんな実験がしやすいのも特長だと捉えています。
ミラティブの「エモバト」は10人以下で数か月、という開発期間でしたが、もっとシンプルなものでも十分にビジネスになりそうなマネタイズの型・方向性が見えてきています

とりあえず1本何か作ってみたい!試してみたい!と思った方は、ぜひミラティブの先行開発パートナーや採用応募にご応募くださいませ!

(↑採用中職種)


次回は、何でライブゲーム思いついたの?というユーザーの観察から生まれた着想などについて書きたいと思います。読んでくれてありがとうございました、良かったらフォローやスキ・シェアしていってください!

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