容姿端麗は果たして得か?
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この映画については、先週すでにおススメしない映画として紹介しているので些かしつこくなるが、今回はこれに出演している北川景子──ひいては容姿端麗について考えてみたい(最近は容姿を語ることはタブーとなっているが、あえてそこに挑んでみたい)。
今夏の女子サッカーW杯が終わった後に、WEリーグ(日本女子プロサッカーリーグ)の女性チェアが「日本の女子サッカーは未だ選手が可愛いかどうかで評価される」と嘆いている記事を読んだ。例によって、マスコミは前後の脈略なくそこだけ切り取るから、どういう意図での発言かはわからない。しかし、日本の女子サッカーのトップがそんなことを言っていては駄目だろうと思った。
容姿の優劣で判断されるのは、なにも日本だけではないだろう。ましてやそれは女子スポーツだけでもなく、男子スポーツはもちろん、もっと言えばフツーのビジネスの世界でもよくあることなのだ。
生後二週間の赤子でも美人を判断するというのが、人間の悲しい(?)性だ。なので、容姿は誉めても駄目という最近の風潮は首をかしげざるを得ないが、それはともかくトップならその性をもっと利用すべきだ。そうした中では容姿の良い者は、より多くのチャンスが与えられる(私のようにそれが劣っている者はそのたびに臍を噛む)。
だが、そのチャンスを生かせるかどうかは本人のその世界における実力次第だ。実力がなければ、いずれ淘汰されることになる。サッカーならサッカーを客は観に来ているのだ。容姿だけなら所詮芸能人には敵わない。
いや、芸能人ですら、容姿だけでは長くはやっていけない。まさに芸能に秀でていなければ……。むしろ芸能人こそが、長く続けるには容姿の良さが邪魔になるのではないか。この北川景子を観ていて、そう思った。
北川景子自体──少なくともその容姿──は、私も大好きだ。だが、この北川景子はいただけない。彼女の美しい顔立ちが、その華奢な体付きが、サラッサラのロングヘアが、現場の刑事というこの役にまったくフィットしていない。よって、何をやっても説得力がない。すべてが絵空事に見えてしまう。どんなに彼女が演技を頑張っていたとしてもだ。やはりお姫様役か、お嬢様役が妥当である。
海の向こうではニコール・キッドマンがその典型だ。たしかに彼女の出演している映画はそれだけでゴージャスになるが、すべてリアリティがない。ために彼女は、役によっては特殊メイクまでして、その容姿を消している。
芸能人ではない容姿端麗のフツーの人でも、実力があると自負しているのに、容姿で盛られて評価されていると見られるのは心外だろう。また、逆に容姿が良い分実力を差し引かれることだってあるに違いない。
ということで、容姿端麗はトータルで得かどうかは分からない、というのが今回の結論である。北川景子さんは大好きですとも❤️。
画像引用元 FASHION PRESS