恨みっこなしでは別れられない
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YouTube「斉藤和義 二人でお酒を」
去年、ふとした拍子にこれを観て、以来たびたび頭の中でリフレインする。生ギター1本で昭和歌謡を少し投げやり気味に歌うのだが、それがとにかく滅茶苦茶カッコいい。たまに気が付くと物まね調で口ずさんでいたりする。もちろん、こんなにイケてる感じでは歌えないのだけど。
歌詞は、別れた後もたまには二人で飲みましょうね、というものだ。がしかし、恋愛ビギナーの中高生ならいざ知らず、人並みの経験を経ている大人なら誰でも分かっているはずだ。そんなこと――またいつか二人で酒を飲む日が訪れるなんてこと――は有り得ないと。もちろん、そうした男女も稀にいないわけではないが、極めてレアケースだ。男と女が別れるとなれば、多くはごたごたするものなのだ。時に修羅場にすらなる。少なくともどちらか一方は二度と顔を見たくなくなるのがフツーだ。
そう考えると、これはそうならないように穏便に別れたいとする女性の儚い願望を歌ったものだと分かる。その願望は一番の歌詞の出だしに如実に表れている。
〽恨みっこなしで/別れましょうね/さらりと水にすべて流して
女性は分かっているのだ。こりゃあ恨まれて、ごたごたするぞ、と。多くの場合、既に新しい男がいたりするから尚更だ(歌詞では一人ぼっちになるなどと宣うているが信用してはいけない)。
そうした女性の気持ちを男の斉藤和義が投げやり気味に歌う――、まるでそう別れを告げられた男が「ちっ、んなこと言われてもよォ」とでも言いたいかのように。カッコいい斉藤和義だから、そのミスマッチが好いのだ。
https://www.youtube.com/watch?v=ptJxM0xVD-Q
画像引用元 YouTube