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「異常な数値」を直視するとトレンドが読める vol.2151

為替や賃金、株式と預金の利回り格差など
日本には異常が多い


久々にピーター・タスカ氏が本日の日経に登場した。
舌鋒鋭く日本のバブルを論難し、
ストラテジストとして名を馳せた。
ことごとく傾聴すべき論拠に基いており、
職責もデータの解釈も微妙に違ったが同業者として敬意を持って眺めていた。
本日の記事は物価の第一人者である東大の渡辺務教授と
日本経済の今後を討論するもので、読みごたえがあった。

購買力平価でみるとドル円は95円程度が妥当なのに
現実は150円台である。預金金利がほとんどゼロ、
長期国債でも0.7%なのに株式の益回りは6%近い。
他国では年率1%程度は実質賃金が上がっているのに
日本では過去30年上がっていない。
外国のデータを標準として日本を眺めれば、
異常な国、不思議な国である。

しかし、現実にその事態が発生しているならば、
そこに作用しているメカニズム、機序があるはずで、
もし異常が永続不能なものと確信できるなら、
どういう経緯でそれが解消に向かうかの予想に集中すればよい。
視点を絞るほど観察は容易になり、
予想との誤差がどうして起こったか、
今後の予想をどう修正すべきかの作業も容易になる。

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