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寝返り動作

寝返り動作を起き上がり動作に繋げるには、屈曲回旋パターンを用いて寝返る必要がある。
その為、屈曲回旋パターンの獲得を目指す必要がある。

屈曲回旋パターンの寝返り動作

第1相
頭頸部の屈曲と回旋→上側になる肩甲帯が胸郭面上で前方突出し、上肢が寝返る側へリーチする

第2相
胸椎、腰椎の順で回旋し、上部体幹が寝返る方向へ回転していく→寝返っていく側へ身体重心を移動させるため、下肢で支持面を操作する→回旋運動が下部体幹へと普及していく

第3相
下部体幹が回旋し、側臥位となり寝返り動作が完成する


頭頸部のコントロール

姿勢筋緊張に影響を及ぼす頭頸部のコントロールは、上位頚椎の運動によって起こる。

その為、上位頚椎が伸展した状態で下位頚椎が屈曲するような運動では、背筋の緊張が優位となり、腹筋の緊張が高まりにくくなる。

上位頚椎の屈曲に重要な働きをする筋は、頸部の深層で椎体の前面を走行する頭長筋、頸長筋などの椎前筋群である。

肩甲骨前方突出と上肢のリーチ

寝返り動作の第1相では、上側の上肢(左側への寝返りでは右側への上肢)が寝返る側へリーチされるように、肩甲骨が前鋸筋の活動によって前方突出する。

肩甲骨には上肢の重力を支えて空間上に保持する土台としての安定性も要求されるが、肩甲骨を表と裏から挟むように支える前鋸筋と僧帽筋中部線維がその役割を果たす。前鋸筋が肩甲骨を前方へ、僧帽筋中部線維が肩甲骨を後方へ牽引した場合、両筋の合力は肩甲骨を胸郭に押し付けて安定させる作用を有することになる。

胸郭の回旋は上側の前鋸筋と菱形筋、外腹斜筋の共同作用によって起こる。

参考文献
動作練習臨床活用講座 石井慎一郎著

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