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足趾の重要性! Part3(最終)

⑦足趾把持練習の効果は?(練習後の持続効果)

健常成人に対して、動的姿勢制御練習の一部である足趾・足底練習を週3回、8週間行い、その結果、足趾把持筋力、重心移動距離、足関節底屈・背屈力、下肢誘導能、膝関節屈曲反応が改善し、反復横跳び・立ち幅跳びなどの動作遂行能においても改善が認められたとの報告がある。

これらのことより、足趾・足底練習によりメカノレセプターが賦活され、神経運動器協調を改善するとともに、足関節筋群-腓腹筋-ハムストリングスの運動連鎖を誘発し、姿勢制御能が改善・促通されたためと考されている。

さらに、練習中止3ヶ月においても、大部分が維持されていることから、末梢効果器の機能増大のみならず、運動前野での新たな神経網の形成が考えられる。


⑧足趾把持練習の効果は?(変形性膝関節症への効果)

高齢者変形性膝関節症患者に対して、足趾・足底練習を自宅での自主練習において6週間毎日行った結果、足趾把持筋力下肢制動能が有意に増加した。

このことにより、高齢者の転倒予防練習のみならず膝関節疾患の保存療法としても期待できるとされている。



⑨足趾把持練習の効果は?(足趾練習のみの効果)

足趾のみの練習の効果を明らかにする目的に、地域在住高齢者に対して、足趾のみの練習を1日2回、週3回以上、8週間行わせた。

結果、足趾運動機能、動的姿勢制御能、膝関節伸展筋力の向上が認められ、臨床の場面で足趾練習を積極的に行うべきとされる。また、足趾練習により前足部への荷重が促進し、重心位置が前方に移動され、高齢者の大腿骨頸部骨折の直接の原因である後側方部転倒を予防できる可能性がある。


足趾練習方法

参考文献
足趾の機能 加辺 憲人






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