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「じゃがいも」のお寺話15 仏教国

現在、仏教国と言えるのはどの国でしょうか。仏教国の定義がなかなか難しいので様々な意見がありそうです。

仏教を国の宗教と決めているのはタイとカンボジアとブータンの3ヶ国です。この3ヶ国は仏教国と言えそうです。

タイ、カンボジア、ブータン以外で仏教徒が多いのは、ベトナム、ミャンマー、スリランカ、ラオス、中国、韓国、そして日本のようです。意見は様々ありそうですが日本も含めて仏教国と言っても良さそうな気はします。

インド、ネパールは仏教発祥の地ですが、現在はヒンドゥー教徒が大半であり仏教国とは言いにくい状況のようです。

細かい分類や時代による呼び名あるようですが、現代の仏教は上座部仏教と大乗仏教に大きく分かれています。
上座部仏教は大乗仏教の対で小乗仏教、インドから南に伝わったので南伝仏教と呼ばれたりします。
大乗仏教の関係者が上座部仏教に対して小乗仏教と表現して日本でも使っていました。天と地、表と裏、陽と陰のような対比の一つですが、大と小は大の方が優れているニュアンスを感じるので適切な表現ではないとして、今は上座部仏教が一般の表記と認識しています。
大乗仏教はインドから北に伝わったので北伝仏教と言われることがあります。

◆上座部仏教
①お釈迦様の時代の仏教を色濃く残しています。出家した僧侶が仏教の戒律に従って修行をして解脱を目指します。
②パーリ語で書かれたお経を採用しています。パーリ語は古代のインドの言葉のようです。
「正しく構成された言語」という意味のサンスクリット語に対して、俗語と言えるような古代インド辺りの言葉の総称を「プラークリット」と呼ぶようで、その一つがパーリ語だとの説明があります。
③スリランカ、タイ、カンボジア、ラオス、ミャンマーの仏教は上座部仏教と言われます。

◆大乗仏教
①上座部仏教は出家した僧侶が真摯に修行した結果として悟りを得て羅漢になることを目指します。在家の信者は出家僧侶に布施をすることで功徳が得られます。
対して大乗仏教は利他行を基本として、出家した僧侶だけではなく、すべて民の幸せを願い救うことを目指します。
②同じ仏教でも根底の考えが違うため上座部仏教と大乗仏教では戒律の捉え方などかなり違います。
③大乗仏教経典と言われるお経はサンスクリット語で書かれたものが基本と言われます。中国で漢字に翻訳されて日本には漢文で伝わったものが多いです。
④上座部仏教はお釈迦様の教えを守っているので仏陀はお釈迦様のみであり菩薩はお釈迦様の修行時代のみと考えるのが基本ですが、大乗仏教では様々な仏陀(如来)や菩薩が考えられ多様な信仰を生み、様々な宗派が興り今日に至ります。
⑤中国、韓国、ブータン、ベトナムそして日本の仏教は大乗仏教と言われます。

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