相場英雄著「震える牛」の感想

2012年に出版され、2013年にはWOWOWでドラマ化されるほど人気となった小説。当時はタイトルと紹介文だけである程度結末とストーリーがわかってしまっているのでは・・・と読んでいませんでしたが、今更ながら電子ブックで読み始め、最後まで止められず一気に読んでしまいました(笑)

犯人がわかっているわけではありませんが、題名でもうキーワード出てしまっているので、早い段階で読者には事件のおおよその形が見えてしまいます。おかげでもう刑事の捜査がじれったくてじれったくて。

捜査の中で手掛かりが出てくるたびに、読者は答え合わせをしているような気分ですが、刑事は地道にジワジワと真相に近付いていくので、ものすごく応援したくなります。

そして、捜査が核心に迫ってきたあたりから、スピード感が加速します。ようやく事件の全貌が見えてくると、なぜか主役の刑事との一体感というか、伏線を回収しきった爽快感のようなものを感じました。

つまり謎解きはほとんど必要ないのですが、食品偽装やBSEという社会的テーマが中心にあるため読み応えもあります。

なお、ドラマも、誰がキャスティングされたのか興味をそそられまして、すぐに観てしまいました。特に小林薫と古田新太のシーンはかなりしびれます。個人的には小説もドラマもおすすめです。

ただ、読後しばらくは外食や総菜が食べたくなくなることだけ付け加えさせていただきます。

この記事が参加している募集