夜明けを待つ

「ねぇ。」
と白い息と共に吐いた。
「もう帰んの?まだまだ飲めるぜ?えへへ、
お前…もうしんどいの?ほら立てよ。」
と言ったのはもうすでに夜空を見上げ、仰向けになるAだ。

「わかった。またね。」
と白い息は途切れない。
「…今度っていつだ?聞いても良いのか?聞いちゃいけないことを聞くほど野暮じゃねぇ。で、明日か?明後日か?」
と困らせるのはいつものことだけど、少しだけAはいつもよりしつこい。

「そりゃ…。」
と白い息を飲んだ。
「…。」
Aは
「また明日ならこのまま夜明けを待つのも悪くないか。」
と死んでしまいそうな絶望的な提案をして、それを聞く私は笑った。


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