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『山河令』 中国/テレドラマ/2021

前に「原作は結構すごいBLだ」と聞き、京劇が題材ということもあって期待してみた『君、花海棠の紅にあらず』が、BLとしてはあまりすごいことにはなっていなかったので(まぁ、それはそれでよかったが)、これもブロマンスではあるけどギリギリBLを少し匂わすくらいだろうと高をくくっていた。

実際に2022年11月23日から放送を見てみると、温客行から周子舒へのアプローチが思った以上に積極的で、みていてなかなか楽しい。私の感覚ではおそらく子舒に一目惚れした温客行は、周子舒と彼が助けた鏡湖派統領の年若い子息・張成嶺を行く先々で待ち構え、「縁がある」「美しい」などと隙さえあれば子舒を口説いている(ように私には聞こえる)。いまのところ4話までしかみていないが、子舒が優美な客行の口説きを面倒くさそうにあしらっているのも面白い。
原作が中国でいうところの”耽美”小説であり、こんなに客行から子舒へのアプローチもあからさまで、ビジュアルも”耽美”作品ファンがきっと喜ぶであろう美しい二人の組み合わせということがわかった上で制作が許されるというおカミの対応は、寛大ともおもえる。まだこの頃は大丈夫だった、ということか。
今はもっと規制が厳しくなっているようだから、これからは「これはアクションファンタジー時代劇です!」という言い訳(?)も通じなくなるかもしれないけど、様々な場面で実は抜け道も多かったりする国でもあるので、なんとかなるのかもしれない。
凝ったアクションシーンも多く、急にワイヤーでつられて宙をまったり、「ハッ!ハッ!」とか言いながら巧みな武術で戦ったりするところそれほど私は興味がないが、これがなかったら結構BL感満載のしっとり系ブロマンスになってしまって、それじゃ関連当局もOKを出せなかっただろう。

中国語時代劇やアクションファンタジーは今まであまり観てこなかったが、これは案外楽しめそうだ。

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