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『みなと商事コインランドリー』を見終わって(日本/テレビドラマ/2022)

最終回を見るときにオープニング曲のところも久しぶりにちゃんと見たら、出演者の方々が踊ってる!なんだか皆さんノリノリで可愛くて笑った。最近オープニングをちゃんと見てなかったのだけれど、これ、最終回だけのご褒美映像?

浜辺での晃の告白シーンは、この物語らしく爽やかで、よい意味で予想通りの捻くれたところがないストレートな展開でよかった。見ていて気持ちがスッキリ。2回目のキスがちょっと長めで、晃の「なげーよ!!殺す気か!!」が笑えた。私も思った、「あれ、長・・・」ってね。さすが慎太郎、いかなる時も情熱的。
最後の海ぽちゃも、3回目の明るいキスも、意外性はないけど、来てほしいものがちゃんときてくれる満足感で気分スッキリ、明るい気持ちになれた。

この物語を見ていて途中から思ったのは、晃がこの恋に慎重になっていたのは、同性だからということより、むしろ慎太郎がまだ高校生だからということがメインだったのかということ。晃自身は自分をゲイだと認識していてそのこと自体は受け入れているし、慎太郎にもすでに話している。だけど自分に想いを寄せてくるまだ高三の慎太郎を受け入れることに戸惑っていた。私が好きな”許されざる恋に悩む切ない系”とはちょっと違うのだなぁと、途中で感じた。
晃の戸惑いは、晃が女性でも感じただろう。例えば29歳の女性が高校生から気持ちを打ち明けられても、すぐに付き合おうという勇気はない気がするし、恋愛経験の少ない少年の一時の気の迷いだ、きっと大人になれば後悔するはず・・・と思い、距離をおこうとするのではないかしら。
今の時代のBLの特徴なのかもしれないが、同性の二人の恋愛をそれ故に責めたり批判したりする周囲の人は出てこない。出てくる周囲の人は皆、普通に応援したり、見守ったり。そうなると、二人の間の問題は年の差くらいしか思い当たらない。
この物語は見ようによっては、多様性を認めることを求められる今の世の中における普通の年の差恋愛物語だったのかもしれない。

慎太郎や晃にちょくちょく可愛く絡んでくる明日香を見て「可愛くてめんどくさいなぁ」と思っていたけれど、途中から近所の幼なじみのお兄さん柊くんへの恋心に気づいて一途になってからも、見た目や言葉遣いなどが女子よりになりすぎずに高校生男子らしい感じだったのがよかった。それにしても二人きりで海外旅行に行ってたなんてね・・・。
そして、柊くんが最後まで明日香の気持ちに完全には同調せず(というか、面と向かって明日香に「好き」と言われても相変わらずのポーカーフェイスで動揺しないとはこれ如何に?その割に以前「明日香は俺の猫だから」と何か思わせぶりな発言をしたりしてミステリアスな男。ちょっと何なの、説明してよ。最後は「俺を柊くんのそばに置いてよ」という明日香に近づくと、優しく頭ポンからの「明日香の好きにしていいよ」攻撃で、明日香ウットリ・・・。もしかして柊くん、鈍感ポーカーフェイスかと思いきや結構やり手?)、この二人がなんとなくいい感じで一緒にいることにはなったものの、柊くん持ち前のマイペースさで、早々に恋愛にまでは至らなかったところもよかった。
物語が終わるまでに一気にあちこちのBがLにならなくてもいい。どか盛りはお腹がいっぱいなってしまう・・・。

そして最終回のエンディングは、しっかり見ないといけません。
今までのエンディングも大好きで毎回しっかり、ときに繰り返して見ていたのだけれど、最終回のエンディングをしっかり見ないとこのドラマは終われません。
胸がキュッとなる素敵な、そして最終回だけの特別なエンディングでした。



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