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『劇場版 美しい彼〜eternal〜』(日本/映画/2023年4月公開) 感想その1

やはり『美しい彼』はいい。テレビでも、映画でも、いい。

2月に突然放送されたドラマのシーズン2で新しい登場人物や設定に慣れていたので、映画を観ながらそういった新情報を慌てて頭の中で整理する必要がなく、スッと物語に集中できて助かった。

どう感想をまとめていいかわからないので、今回は登場人物別に思うところを書いてみます。セリフなどはうろ覚えなので不正確だと思います。

清居

清居はシーズン2の感想に書いた通り、可愛く、美しく、艶やかで、平良への揺るぎない愛をさらに深め、優しさと寛容さを増していた。
清居が平良のことで泣くと、観ているこちらも泣けてきてしまう。あんなに綺麗な人が、心を傷つけられて、鼻をちょっと赤くしてシクシク涙を流したり激しく泣きじゃくったりするのは、見ていてかわいそうでならない。ただ普通に恋人を愛しているだけなのに、普通に恋人に愛されたいだけなのに、そして恋人は自分を愛してくれているはずなのに、なんとなく相手と自分の感情や行動が噛み合わずに、結果傷つけられてしまう清居。
怪我をした平良が病室で目を覚ました時に、いとこの菜穂ちゃんが平良に「清居くん、泣いてたよ」と静かに伝えた時、事件現場で顔をくしゃくしゃにして号泣しながら怪我をした平良にすがりつこうとした必死な清居の顔が思い出されて、なんだか泣きたくなった。清居は普通に恋人を愛しているだけなのに、この恋は涙となかなかサヨナラできない。
いろいろあったけど、やはり平良と一緒に過ごしている時が一番幸せな彼は、映画の中でもずっと美しかった。

平良

平良は相変わらず変で不気味な感じだけど、彼なりの愛し方でいつまでもずっと清居と一緒にいる覚悟があるということを清居に言ってくれた(と私は記憶している)。本当によかった。
清居にはあなたしかいないんだから、頼むよ、平良。頼むよ、本当に!!

野口大海

野口先生と平良って、相性がいいんだろうなぁ。平良の本質を早くから見極めていた。平良は野口先生には割と思ったことをそのまま言えるようで、普段は自分の意見や気持ちをすんなりとは口に出せないことも多いのに、野口先生にはそうでもない。平良が自分で思っている以上に野口先生とは反りが合うのだと思う。「(恋人を)今度事務所に連れてこいよ」と野口先生が平良に言ったらいやだと平良に即答されたり、何かと二人のやり取りがとてもよかった。おしゃれな事務所の屋上で寝袋に入って感傷に浸っていた平良に「ラーメン食べたい!」と大声で頼んで、美味しそうに食べていた野口先生は可愛かったな。
実力ある人気カメラマンなのに大上段に構えることもなく、気さくで人の心を開くのが上手く、時折少し弱みも見せるちょっと甘え上手な感じが魅力的だった。

安奈

甘すぎない外見とどこかミステリアスな雰囲気が出ていて、若くして才能を認められた将来の大女優候補、という設定に合っていた。恋を諦めるくらいなら芸能界をやめてもいいという恋人に、スキャンダルなんかで大好きなこの仕事を辞めたくはないと言った彼女。ホテルの部屋で一人泣いていた時は壊れそうに見えたけど、強かった。
同じ芸能界に身を置き、スキャンダルに負けることなく仕事も諦めず恋を成就させた安奈は、清居の目にはどれほどうらやましく映っただろうか。

小山くん

ドラマのシーズン2の時に久しぶりに見た彼は随分大人っぽくなっていて、シャープさも加わりいい感じだった。1での平良と清居との三角関係のなかでは明らかに分が悪い彼だったけど、彼の言動は私はドラマと映画を通して結構好きだった。おそらくフラれてからもまだ平良を好きだったのかなと思うのだけど、きっと今回大学を卒業することを機に彼も気持ちを切り替えてまた一歩先に進むのだろう。
もしドラマの続編ができるなら、例え平良への気持ちに区切りをつけたとしても、やはり小山くんの様子は見たいなぁ。幸せになっていく彼が見たい。

菜穂ちゃん

強烈な個性はないのに、あまりに優しそうに見守ってくれるので、この物語全体の”お母さん”のようで印象的だった。平良が入院した時に、平良が目覚める直前までずっと付き添って泣いていた清居の様子と言葉を目覚めた平良に伝えてくれた菜穂ちゃん。大事な時に優しくしっかりサポートできる気遣いの女。私が嫁にもらいたいくらいだ。

清居の事務所の社長とマネージャーさん

社長はかなり個性的だったけど、芸能事務所の社長としてこういう人いそう。タイドラマに出てきそうだった。そしてマネージャーさんは、服装も仕事ぶりも自分のすぐ近くに普通にいそうな感じで、問題発生時にも慌てず騒がずにこやかに対応してなんとかことを収めていくその卒のない感じが、ちゃんとした、いい意味で”普通の”社会人らしくて却って印象に残った。実際に見たことはないが、芸能人のマネージャーさんの仕事ぶりってああいう感じなのかなぁと思わされる現実味があった。こういう方達に支えられ守られ育てられて、スターがいるのですね、きっと

野口先生のもう一人の先輩アシスタント(?)さん

平良に対しても、野口先生に対しても、普通に接するところがいい感じの人だった。アシスタント業ではなく自分がカメラマンとして撮影する仕事も入ってくるくらいの実力ある先輩でありながら、一般的に見たらちょっと変な感じの平良を特段見下すことも敬遠することもない。野口先生の”俺様発言”について二人で普通に話したりできる、偏りのない感じの人でよかった。平良は職場に恵まれた。

設楽

平良と出会った時から、嫌な空気を持ってる人だなぁと思っていたら、やはりそういう人だった。今の世の中、こういう人って現実世界でも珍しくなさそうでなんとも不気味だった。

まだ書きたいことが出てきそうなので、また続きを書くと思います。



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