自民党の憲法改正について

「現行憲法の自主的改正」は結党以来の党是である。
この文言は自民党の公式HPにある「重要政策」の「憲法」で冒頭に書かれた言葉です。

同じ公式HPに「立党宣言・綱領」というページがありますが、
このページに立党当時の文書も公開されています。
立党は1955年(昭和30年)11月15日に行なわれたと書かれています。
・立党宣言
・綱領
・党の性格
・党の使命
とその時に定められたものが書かれているのですが、残念ながらこの中に「党是」はありません。
「党是」とはおそらく党の基本方針のようなものだと思うのですが、上に書いた4つの中で「党の使命」の6番目に
「第六、現行憲法の自主的改正を始めとする独立体制の整備を強力に実行し、もって、国民の負託に応えんとするものである。」
とあります。ですが、この文章を読む限り本質的な使命は「独立体制を整備して国民の負託に応える」事であり、その一つとして「現行憲法の自主的改正」が含まれているのです。

では、どこで明確に打ち出されたのかというと立党50年(2005年(平成17年))11月22日の新綱領です。この時の総裁は小泉純一郎でした。
この一つ目に
「新しい憲法の制定を私たちは近い将来、自立した国民意識のもとで新しい憲法が制定されるよう、国民合意の形成に努めます。そのため、党内外の実質的論議が進展するよう努めます。」
と書かれました。
「党の使命」6番目の一部からの「綱領」の1番目へ格上げです。

結局、「党是」と明確になったのは50年後だったと言えるでしょう。
自民党の歴史修正主義は既に始まっているのです。

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