全訳ハトホル⑰「Riding Through the Winds of Change(変化の風を乗り越える)」
トム・ケニオンによる高次存在ハトホルの、17番目の惑星メッセージの翻訳をお届けします。
全体としては、厳しい局面を迎えている人類に対して、それでも、選択の力は自分にあることを思い出させる励ましの記事といった内容です。
この二点は、今もこれからも、気持ちが沈んだ時に思い返したいことです。
・あなたが同胞である人類(humanity)に対してできる最大の奉仕は、自分自身を制限された意識の束縛から解放することだ
・最も困難な瞬間、全てのドアが閉ざされたように見える時、使える選択肢がないように見える時、感謝できる何かを見つけることが、事態の打開につながる
ハトホルの記事の四タイプ
A:「物事の全体的な理解を与える」
B:「意識や視野を拡大する、地球にまだない概念の紹介」
C:「地球規模の変容の波にうまく乗る、あるいは影響を軽減するワークの紹介」
D：「ワークショップやイベントの紹介」
このハトホルの四つのタイプの内、今回の記事は、AとCを扱っていると思われます。
Riding Through the Winds of Change(変化の風を乗り越える) 2008/07/20
翻訳者：jacob_truth 翻訳完了日：2021/08/08(日)
原文：
ここでは、現在起こっている惑星の変化と次元上昇移行期の人間の心理的反応について、いくつかの側面から説明したいと思います。敏感な人がこの種の反応を起こしやすいのですが、靈的認識がなく、物質的現実に主眼を置いている人にも現れます。
私たちが表現しているのは、世界的な絶望感です。人によっては、とてつもない無力感――出来事の流れを変えるために、自分にできることは何もないという感覚――に近いものがあります。ある人にとっては、これが一種のうつ病や、やる気の喪失につながります。人生に意味や目的、喜びを与えていたものが空虚に感じられるようになるのです。
また、映画を見ているかのように、自分の人生から極端に切り離された感覚に陥る人もいます。生きているように見えても、心(heart)がこもっていないのです。生命の営みに意識的に関わっている人にとって、種の喪失や生態系の破壊は、特に困難な問題です。主に物質的な現実、つまり、3次元の生活に焦点を当てている人にとって、この時期はますます不安を募らせるものとなっています。私たちが以前から予測していた金融不安が今、あなた方の目の前にあり、さらに悪化するでしょう。
加えて、これまで述べてきた、深宇宙からの進化や触媒の波動も、エスカレートし続けています。経済・政治・宗教などで、あなた方をコントロールしようとする人たちは、ますます困難になっていますが、彼らの努力は強化されています。その緊張感に気づいている人の中には、板挟みになっていると感じている人もいます。
というのも、時間と空間の観点からすると、あなたは、その中間に位置しているからです。あなたは、靈的に言えば、進化と退化がせめぎ合う場にいます。あなたは時間と空間の中心点にいます。これはエネルギー的に強烈な場所です。魂の観点、あるいは、意識の輝き――つまり、あなたの次元上昇をしていく中での現実感、あるいは、あなたが、「これが自分自身だ」と実感しているようなものとでも言いましょうか――から見れば、今は、あなた方にとって、強烈でパワフルな時期です。
私たちの立場から見れば、崩壊すべきものの崩壊を妨げるために、個人ができることはありません。惑星の変化は、今、あなたに迫っているのです。集団的・個人的に行動を起こすことができれば、破壊的な変化の内、より激しいものを緩和・軽減させることができます。しかし、その中には止めることができないものもあり、正確に言えば、「それはあり得ない」のです。
魂として――つまり人間(human)として生きている靈的存在として――のあなたに与えられたチャンスは、周りの人たちがネガティブになったり、絶望したり、自滅的な行動に走ったりしているように見えても、自分を強化し、上向きにする方法で、この変化を乗り越えることです。人間集団に目を向けると、自滅的であったり、変化に頑固であったり、愚かな傾向が見られたりしますが、自分自身にも目を向けてください。
あなたの近未来がどのようなものになるかについては、以前にも私たちの見解を述べましたが、今回もそれを述べるつもりはありません。ご興味のある方は、過去の記事をご覧ください。今、私たちが最も伝えたいことは、周りの多くの人が堕ちているように見える中で、いかにして靈的な勇気を持って立ち上がるかということです。「堕ちる」というのは、具体的には靈的な質の低い状態に移行することを意味します。
恐怖、敵意、パラノイア、束縛、嘘、操作などで満たされた海の中で、どのように自分の人生を歩んでいくのか。
秘儀参入者の旅とは、意識を上に向けて生きる道です。霊的系統や表現方法に関わらず、これは、まさに針の穴や台風の目を通るようなものです。
ハリケーンやサイクロンに例えてみると、その数と強さは増していくでしょう。嵐の端にいれば、風と水の破壊力にさらされます。しかし、嵐の目の中にいれば、逆説的ですが、穏やかでいられるのです。地平線の彼方には、嵐の端が円状に見えますが、中央では全てが静まり返っています。
この嵐の中心点は、私たちの視点では、あなたが自分自身の中に見つけなければならないものです。これは、秘儀参入者、スピリチュアル・マスターの道です。これを教えてくれる人は、誰もいません。あなたに襲いかかる嵐から、あなたを救える人は誰もいません。ここでいう嵐とは、天候、政治、経済、地球の変化などの外的な嵐だけでなく、心理的・感情的な葛藤などの内的な嵐も意味しています。あなたは、まだ成っていない新しい世界に溶け込みつつある世界の中で生きているのです。ここには確かな根拠は、ほとんどありません。このような認識の状態は、ほとんどの人間にとって不安を引き起こすものです。
皆さんのほとんどは、混沌と優雅に踊る方法を学んでいませんが、このことを気にする必要はありません。多くのダンスレッスンを受け、混沌のパートナーである不確実性の渦中にいる人たちと平和に過ごす機会を、すぐに得ることができるからです。
このような時期には、意識を上向きにして生きることよりも、意識の下向きの螺旋に身を委ねることの方が簡単でしょう。しかし、私たちの視点では、意識を上向きにして生きることが、あなたがこの時期に、ここにいる理由なのです。
この地上では、あなたの靈(spirit)、ハートとマインドをめぐる戦いが行われています。この操作の本質については、以前にもお話しましたので、ここで説明する必要はないでしょう。ご興味のある方は、過去の記事をご覧下さい。ここで私たちが言いたい本質的な点は、今こそ自分自身を高め、靈的に高い位置に立ち、下降スパイラルに陥らない靈的な勇気を見出し、混沌とした状況・困難・災害に見える状況が増していく中でも、自分自身を高めて生きていく方法を見つけなければならないということです。
「一見すると災害のように見える」と言ったのは、大災害、嵐、飢饉、失職などのような、あなたの人生に起こる、次元を超えた出来事は、多次元的な性質を持っているからです。確かに、時間と空間に固定されたあなたの存在の局所的な空間、つまり、受肉した自己からすれば、これらの出来事は非常に対処しにくく、程度の差こそあれ、大惨事となります。しかし、――あなたの魂や意識の輝きなど、あるいはそれをどのように描こうと――あなたの次元を超えた自己の立場からすると、これらの出来事は、靈的進化を加速させて、大きく成長する機会となります。
自分が置かれている状況が自分を縛っているのではなく、それをどのように捉えるかによって、自分を拘束したり、自由にしたりすることができるのです。
これから先、どんな状況に置かれようとも、意識の中には自由への扉がたくさんあると、私たちは言いたいのです。そこには、自分が騙されて売りつけられた知覚の箱から一歩踏み出すことで、周囲の人たちと交流する、新しい方法もあります。
その扉の中では、あなたが敵と呼ぶかもしれない人たちとの共通点を見つけることもあります。これらのドアのいくつかは、個人的なものです。単に、あなたとあなたの異次元の現実との間の、新しい関係のための空間です。また、扉のいくつかでは、あなたを地球や人類(humanity)の問題と対話させ、現在の思考の制約を超えた問題解決のための新しい方法を発見させてくれます。さらに、扉のいくつかは、あなたを、地球を超えた、他の靈的現実へと導いてくれます。あなたが選んだ扉は、あなたを新たな運命へと導きます。
もし、あなたが、嘘と操作によってあなたの文化から与えられた扉を使い続けるなら、あなたは巨大な破滅的状況に加わることになるでしょう。しかし、私たちとしては、あなたに、創造の現象をはっきりと理解していただきたいのです。たとえ周りの多くの人が別の扉から入ってきたとしても、あなたが開けた扉は、あなたを唯一無二の運命へと導くでしょう。つまり、どのドアを開けて入るべきかという集団催眠に従ってはいけないのです。
集団催眠の扉が意味するのは、経済・政治・宗教を通じて、あなた方をコントロールしたいと思っている人たちが、微妙な暗示やそうでない暗示をかけているということです。どのドアを開けるべきかは、スピリチュアル・マスターとしてのあなたの仕事なので、私たちが言うことではありませんが、私たちがあなたに言えることは、明らかです。
それぞれの扉は、それぞれの目的地、つまり、運命につながっています。あなたは、喜びや幸せにつながる扉を選ぶことができますが、他の人が絶望や悲しみにつながる扉を選んでいる場合もあります。繰り返しになりますが、自分を縛っているのは状況ではなく、自分の認識なのです。
もう少し具体的に説明しましょう。例えば、あなたが収入源である仕事を失ったとします。これは非常にチャレンジングで、不安を感じる状況です。パニックは、あなたに用意されているドアの一つです。非難もまた、常に利用可能なドアです。次に何が開くのかという好奇心も、あなたに用意されているドアです。好奇心の扉を選択すれば、新しい可能性に自分を開くことができます。そうすれば、自分の意識をパニックや怒り、非難といった低い波動に閉じ込めることはありません。それらは、時折、表面化するかもしれません。しかし、「混沌は次に何をもたらすのか」という好奇心への焦点を維持していれば、問題に対する新しい解決策を、より早く発見することができるでしょう。
人間の意識(human consciousness)には、古いパターンを繰り返す傾向があります。これは期待に基づいています。期待とは、あなたが知覚する時間の幻想に根差した記憶の一形態です。自分の時間感覚を切り開き、通常よりも早く問題解決に向けて加速することは可能ですが、それは、自分だけが開くことのできる意識の扉を通して行われます。それは、自分の意図と行動の両方によって行われます。
この言葉を読まれる方々には、様々な理解のレベルがあると思います。私たちの課題は、これを読む全ての人にとって、実用的なものを伝えることです。あなた方の中には、私たちが何を話しているのかを既に正確に理解している人々がいます。また、あなた方の中には、周りにいる多くの人々のように行き詰ることなく、問題を素早く解決することができる、自分をより高い運命へと導く扉が、自分の中にあることを知っている人々もいます。
皆さんの中には、自分には幸福になる権利、あるいはマインドやハートの自由がないと考えたり感じたりする人もいれば、苦しみや(知覚の)牢獄に閉じ込められていると考えたり、感じたりする人もいます。しかし、あなたが同胞である人類(humanity)に対してできる最大の奉仕は、自分自身を制限された意識の束縛から解放することだと、私たちは言います。そうすれば、人との関わり方が新しくなり、その関わり方によって、新しい扉が開かれるからです。
また、あなたが意気消沈し、幻滅し、断絶し、自分の人生に何の希望も持てないことに気づいた時、あなたは単に、自分の意識の扉の1つをさまよっているだけだということを理解して下さい。そして、あなたが無関心であることをとても喜ぶ勢力があります。そうすれば、あなたを、より簡単にコントロールできるからです。自分の可能性が低波動で表現されていることを認識した瞬間、その瞬間を捉えて、その扉から別の扉へと踏み出して下さい。
今、皆さんが経験している困難は、外的現実を選択することを妨げているように見えるかもしれません。しかし、どのような状況にあろうとも、選択の力は皆さんの中にあると、私たちは言います。最も困難な瞬間、全てのドアが閉ざされたように見える時、使える選択肢がないように見える時、私たちはシンプルな提案をします。それは、平凡で、単純すぎると思われるかもしれませんが、単純なてこの支点です。状況を変えるために必要なのは、小さな意識の動きです。その動きを積み重ねることで、自分の中にある膨大な力が解放されていくのです。しかし、自分の中に何かしらの動きがなければ、何も変わりません。
このように、他の方法では何もうまくいかない時に、自分の中に小さな動きを起こす方法を提案します。個人的な苦悩や外的な困難の中にあっても、どんな困難な状況であっても、感謝できる何かを見つけることです。
それは、息ができるという単純なことかもしれません。呼吸がしにくいのであれば、息ができると、その呼吸に感謝するということです。また、空の色や自分が笑ったことを感謝することもできます。ここで重要なのは、全ての選択肢が閉ざされた時に、どんなに小さなことでも感謝の気持ちを持つことができれば、意識の中に小さな動きが生まれ、その動きによって大きなことが展開されるということです。
皆さんの中には、変化の風であるこれらの嵐を、他の人たちよりも、優雅に乗り越える人もいるだろうと、私たちは感じています。しかし、靈的に進化していると思われるあなた方でも、古い世界が新しいものの中に溶けていく中で、時折、挑戦を受けることがあるかもしれません。皆さんの中には、混沌とした時代に巻き込まれる方もいらっしゃるでしょう。このシンプルな提案を思い出して、感謝できることを見つけるのを忘れないで下さい。そして、意識を動かすことで、皆さんの前に、新しい扉が開かれることを期待しています。
私たちは、あなたとあなた方人類(human)の家族のための偉大で新しい現実のビジョンを、ハートとマインドに抱いています。そうでありますように。あなたがそれを実現してくれますように。
ハトホル 2008/07/20
ギリシャ、パロス島
コメント
真ん中辺りに、「例えば、あなたが収入源である仕事を失ったとします。これは非常にチャレンジングで、不安を感じる状況です。」という文章があります。
これを翻訳している時、ドキッとしました。というのも、私は昨年4月から無職で、今も、仕事をしていないからです。
正確に言えば、仕事をする意欲はあるものの、日中の一定時間眠ってしまうとか、活動時間に制限があるため、(今のシステム下で)生活できる収入を得られる仕事に就くのがむずかしいのです。8時間かそれ以上、働ければ、収入は得られるかもしれませんが、私の体が崩壊するのが先でしょう(苦笑)。これは、以前も、何度か、触れました。
それで、ハトホルの記事に戻れば、私は、パニックや他人を非難するドアではなく、「混沌は次に何をもたらすのか」という好奇心のドアを開くことに決め、ずっとそうしてきました。
二年ばかり、寝食を忘れて打ち込めることがなかったのですが、7/15(木)にふと思い立って、このハトホルとトム・ケニオンの記事翻訳を始め、以後、ずっと熱中して取り組んでいます。
この営みに出会う前とは打って変わって、「時間がいくらあっても足りない」という嬉しい悲鳴を感じています。
ほんと、感謝なことです。
記事を自分で翻訳する過程で、何度も原文を読み返すので、自ずと、記事は元より、この世界についての理解が深まります。
また、何度か、途中でやめていたワークの背景もより良く理解できるようになって、続けるための確かな動機もできました。
今のところ、お金にはなっていませんし、今後もなるのかわかりませんが(笑)、この翻訳という営みによって、最も喜びを感じているのは、私自身だと思われます。ありがたいことです。
音と意識探究の関係とか、エリクソン催眠、幾何学への関心など、トム・ケニオンの興味範囲と重なることも多々あり、そういう御縁にもまた、私はとても感謝しています。
「混沌は次に何をもたらすのかという好奇心」の扉に飛び込むことは、これ以前の見方からすれば、アタオカなことかもしれません。
しかし、予測が全くできず、混沌が深まる中で、好奇心というのは、暗雲を切り開く一条の光明になるのではないか、そんなことを私は感じていますし、多分、これは、少なからずの人も感じていることではないかと思われます。
ずっとハトホルの記事を翻訳してきて、何度も思うのは、彼らは、エゴを喜ばせることは一切言いませんが、私たち地球人がどんな能力を持ち、本質的にどういう存在か、私たちが知らないことはきちんと述べてくれます。
また、介入はしないものの、人類がこの混沌とした惑星の変化の時期を、必ず乗り切るだろうという、明るいビジョンも、彼らは持っています。
介入はしない、しかし、「あなたにはこんな力がある」「あなた方は本当はこういう存在だ」と、こちらを力づけてくれることはよく言います。
全体の印象としては、笑顔でハードなことを言う人を思わせますが(笑)、理解と愛情をもって、暖かく見守っていてくれると感じます。
恐怖ポルノや希望ポルノではなく、危機を煽るのでもなく(起こり得る危険は指摘しますが)、今、何が起きていて、それに対してできることは何かを、辛抱強く、指摘し続けてくれます。
こういうことを言う人はゼロではないですが、全体としては少ないように見受けられます。
私は、こういうことは、とても必要だと感じています。
絶望せず、自暴自棄にならず、恐怖ポルノや希望ポルノに惑わされず、期待をコントロールし、自分を整える。そして、他者を助ける。
ハトホルたちは、私たち地球人にこうなってほしいと願っているように思いますし、実際、そうできる力が私たちにはあるのです。
以前の翻訳記事はこちらをご覧下さい。
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