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裏切られたら、どう立ち直るか

裏切りは避けられないとしても・・・

 これをお読みの皆さんの中には、一度ぐらいは、親しい人からの裏切りを御経験された方がおられるかもしれません。

 あるいは、今のところはないという方がおられるかもしれません。

 また、裏切りではないが、「信じていたのに、こんなことをする人とは思わなかった」というショックを御経験された方がおられるかもしれませんし、まだそういう経験はないという方がおられるかもしれません。

 御経験ある方の多くは、その相手の持ち物を全部一気に処分したり、関係を全て断ち切ったりとか、あるいは、そういう人だと見抜けなかった御自分を責めたことがあるかもしれません。

 これから、私の経験に基づく、整理の仕方について述べたいと思います。

 御経験ある人もない人(あるいは将来か)も、あるいは今、渦中にある人も、良かったら、参考にしてみてください。

私の体験:その1

 私は人生で三回、とても親しく付き合っていた人から、「裏切り」と形容したいようなことをされました。

 いずれも、私が肉体的・経済的あるいはその他の理由で、とても困っていた時に、起きました。

 一人目は、当時交際していた人です。

 私は、病気のため、会社を休職中でした。

 私の誕生日の数週間後に、彼女から手紙をもらいました。

 よく手紙のやり取りをしていたので、それ自体は、何らおかしいことではありませんでした。

 しかし、家で読んで、「いろいろ考えたが、親の勧める見合いをすることにした。ついては、別れたい。あなたのことは好きだが、私は長女として、親の期待にも応えたい」ということが書かれていました。

 気持ちの整理は容易につきませんでしたし、無理をした結果、持病が悪化しました。

 そういうことをわかりながら、彼女はやっていたわけです。

 随分、時間がかかりましたが、彼女と過ごした時間や思い出はそれはそれとして感謝し、ダメな部分はダメな部分として受け入れることで、ようやく区切りをつけることができました。

私の体験:その2

 二人目は、私の文章の先生です。

 彼に出会わなければ、私は、今でも、書くことにいくらかの苦手意識を持っていたでしょうし、自分らしい文章を書くこともなかったでしょう。

 猫と幽霊の物語を書くこともなかったでしょう。

 読むことと書くことに伴う苦手意識や制限をとっぱらってくれたという点では、彼にとても感謝しています。

 彼は、とある神父の弟子を自称していました。

 ですから、相談にも、親身に乗ってくれるだろうと思っていました。

 ある時、当時の職場を辞めざるを得ず、次が見つからず、とても困っていました。とても不安でした(今は、無職で、金欠ですが、不安はほとんどありません)。

 それで、会社を経営していたその物書きに相談したのです。

 私は、別にそこで雇ってもらえることを期待していたわけではありません。その系統のスキルを持っていなかったので、そんな甘い期待は持てませんでした。

 ただ、彼の普段の振る舞いから、「話だけでも聞いてくれるのではないか」と思いましたが、その予想は物の見事に裏切られました。

 彼は、共同経営者と相談してから返事をすると返信してきたきり、以後、私からのコンタクトは全部無視しました。

 そして、共同経営者から見当違いの、お説教メールを受信しました。

 「普段言っていることとやっていることが違うじゃないか!」

 強い憤りと、「裏切られた」という思いを感じました。

 それで、彼の著作はもちろん、彼を通じて知った多くの本を、衝動的に処分しました。

 後で若干、後悔して、いくつかは再度、手に入れました。

 この彼についても、二年ぐらいかかってようやく、感謝できることは感謝し、ダメな部分はダメな部分として受け入れて、気持ちの区切りをつけることができました。

私の体験:その3

 三人目(夫婦)とのことは、今年2月に起きました。

 こちらの記事で書きましたので、詳しいことはこちらをお読みください。

 今はもうこの三人目については、ほぼ忘却の彼方に吹っ飛んでいます。

 感謝できることは感謝し、受け入れがたいことは受け入れがたいとして、整理できています。

 一人目と二人目に比べれば、破局を迎えてから、整理がつくまでの期間がとても短くなっています。

裏切られた直後にしない方がいいこと

 裏切りや、「裏切られた」と感じる体験をしたら、どうするのが良いのか。

 直後は、物の処分や人間関係の整理をしないことをオススメします。

 相手本人か取り巻きが何かをやってくるというような、物理的・心理的危険がある場合はともかく、その危険性がなければ、人間関係の整理は、しばらくしてからやる方がよいです。

 というのも、裏切り直後は、感情がものすごく渦巻いていて、冷静な判断がしにくいからです。

感情を感じ尽くし、規則正しい生活を送る

 直後は、感情を充分に感じ尽くすことです。

 それには何日もかかるかもしれません。

 親身になって話を聞いてくれる人に話してもいいし、絶叫してもいいし、方法はどうあれ、感情をごまかさず、否認せず、ひたすら感じ尽くしてください。

 そして、食事と睡眠を出来る限り、取ってください。

 可能であれば、規則正しい生活を心がけてください。

 裏切りは、心理的、時に身体的に、とても大きなダメージをもたらします。

 そのダメージから回復するには、多くの時間とエネルギーを要します。

 裏切りから自暴自棄になって――理解はできますが――生活リズムを崩したり、暴飲暴食やアルコールの過剰飲酒に手を出したりすると、却って、回復が遠のきます。

 内面はどうあれ、外的な生活のリズムを崩さないことが、安心の土台を作ります。

感謝の感情を感じる

 また、どんなに小さなことでもいいので、感謝できることを見つけて、感謝の感情を感じるようにしてください。

 感謝という「まとまりのある感情(coherent emotion)」は、心身に良い影響をもたらします。

 詳しくはこちらをお読みください。

内面を紙に書き出す

 強い感情が出なくなり、日常生活を送れていて、ある程度、状況を冷静に見られる余裕ができてきたら、次に進みます。

 紙を用意して、その人とのことで、感謝できることを書き出します。

 これは、じっくり取り組んでください。

 次に、別の紙に、その人とのことで、受け入れがたかったことを書き出します。

 自分の感情は極力交えず、事柄だけを書いてください。

 もしこのワークをやっていて、何か気づいたことがあれば、別の紙かノートに書いてください。

 その二~三枚の紙を、ぼんやり見比べます。

 外側に表現することで、いろいろ整理がついてくるように感じるでしょう。

 気づいたことを、またノートに書き出します。

 「感謝できること」の中に、その人からもらったものや、思い出の品があれば、取っておくかどうかを吟味します。

 もちろん、思い出の品でも、不要なら処分すればいい。

 これを、何度か、繰り返せば、感謝すべきことは感謝し、受け入れがたいことは受け入れず、という風になっていきます。

 また、この過程で、自分と裏切った人の共通の知人・友人の「整理」も検討してみてください。

 相手の側に立って、自分を攻撃してきた人々は迷わず離れていいですが、それ以外の方は、慎重に見極めることをお勧めします。

自分の限界を受け入れる

 これらが終わった後で、「初めて出会った時に、裏切られた時の相手の本性を見抜けたか」と、自問してみてください。

 「見抜けなかった」なら、それがその時の自分の精一杯だったと受け止めましょう。

 それもまた、自分だと受け止めることは大事です。

 責める必要はありません。

 「自分はその時、精一杯、相手に向き合った」と、自分を受け入れましょう。

相手との出会いの意味を考える

 次に、「出会いから別れまで」を含めて、その人との出会いが、自分に持つ意味について考えてみましょう。

 その答えがどういうものであれ、自分も相手も責めず、思慮深いものであれば、その辛い経験を乗り越えたとみなしていいでしょう。

 出てきた答えも、ノートや紙に書いておくことをお勧めします。

最後に自分を称賛する

 最後に、辛い経験をして、時間がかかりつつも、状況と気持ちと物を整理し、出会いから洞察を引き出せた自分を称賛しましょう。


 整理すると、このようなプロセスになりますが、最終的に、出来事にまつわる葛藤から自由になれば、途中の順序が違っていてもかまいませんし、もっと自分流にアレンジするのも自由です。

今は葛藤を手放せている

 私の場合、他人に相談に乗ってもらいました。

 また、日記に、相手についての気づきや、感謝できることが浮かぶたびに書いていました。

 それを、共通の知人・友人に話すこともありました。

 今でも、裏切った人々について思い出すことはありますが、当時ほど、恨みや怒りの感情はありません。

 「あの人たちのことは思い出すけれど、今は何も感じない」、心底からこう思えるようになったら、あなたは、この辛い出来事を克服したのです。

 復讐は全く考えていませんが、敢えて言うなら、彼らから学んだことを血肉化し、より真っ当な人間として成長することが、最大の復讐なのかもしれないと、考えています。

 上記の三人は、私にとって、これからも、いろんな学びの源泉であり続けるのだろうと思っています。

 この記事が、皆さんのお役に立てば、幸いです。

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