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明晰夢への挑戦――夢は高次元からの導き

ウイルコックの明晰夢体験

 初めて表紙を見てからずっと気になっていた、ディヴィッド・ウイルコック『夢の中で目覚めよ! 上』を読んでいます。

 冒頭、著者が、初めて、明晰夢(Lucid Dreaming)に成功した体験が述べられています。

 明晰夢とは、夢を見ていながら、夢を見ている自覚を持って見る夢です。

 ウイルコックが明晰夢について初めて学んだのは、16歳の時で、神秘主義科学者スティーヴン・ラバージ『明晰夢――夢見の技法』を読んだ時でした。

明晰夢のやり方(ラバージ方式)

 このラバージの本に書かれた「明晰夢のやり方」を、ウイルコックが紹介していますので、ここに引用します。

“起きている状態と夢を見ている状態の主な違いは、たとえば夢の中では特定の場所を見たあと、どこか別の場所へ目をそらして、再び振り返って同じ場所を見ると、何かが変わっているという点だ。それは色だったり、物がある位置だったりと、微妙な違いとして表れる。振り返るとまったく異なるシーンになっていたりと、非常にドラマチックな違いがある場合もある。家の中で壁を見つめてから、目をそらしてから壁を見ようと再び視線を向けると、そこが美しい海岸に変わっていることだってある。”
(ディヴィッド・ウイルコック『夢の中で目覚めよ! 上』ヒカルランド、2021、p,37-38)

 そして、起きているときにもこのエクササイズをすることを、ラバージは勧めています。

 “特定の場所を見てから、自分は夢を見ているかどうか自問し、その場所から目をそらして、振り返ってみる。細部までチェックして、前と同じように見えるか確認する。何かが変わった時には常に感動するクセをつけておくこと。子どものようなワクワク感やビックリするという感情は、実践する上でとても重要だからだ”(p,38)

 ウイルコックによれば、彼は、この瞑想法を、1989年の年、ずっと実践していました。
  
 最初の明晰夢体験をするまでに、彼は、「何週間も練習し、何度も失敗」しました。

 そして、最初の成功の後、何度も、彼は明晰夢体験をしてきました。

 しかし、「見るまでに結構な練習が必要だ」と指摘し、「成人した人にとっては練習の時間を作るのも一苦労だと思う」と、むずかしさがあることも理解しています(p,70)。

 そこで、彼が勧めているのが、「朝の夢を覚えて書き留めること」(p,70)です。

 そこまで強く勧める理由を、こう説明しています。

 “書かれたことが直接霊的な指標や予言などにはならなくても、後で必ず役に立つだろう。” (p,70)
 “私にとって夢は元も優れた霊的情報源だし、夢は誰にとっても共通の体験で、よって学び方も統一できるし、誰でもこれを資源として活用できるとみている。” (p,70)
 夢という言語は“人類普遍のものであり、個人的な経験が夢の中で象徴的なメッセージとして現れることも、そのメッセージを識別できるということも、証拠は十分にある” (p,71)
 “練習をしていくうちに、夢によって人生が大きく変わっていき、きっと驚くことになる。” (p,71)
 “そう遠くない将来には、「誰もが夢の中で未来予知をしている」ということが一般人にも知れ渡るようになるだろうと確信している。やることは、自分の夢を書き留めておくだけでいいのだ。そうすれば正確な未来の予言をしていることが分かり、さらに興味深いことが人生に起こるようになってくる。”(p,71-72)

夢を書き留めることで起きる興味深いこと

 その興味深いこととは、
・シンクロニシティの頻発(これにより、著者は「歩くシンクロニシティ製造機」と呼ばれることとなった)
・夢でのお告げ(予言的ガイダンス)
・原型(自分の中のアニマとアニムスに触れる)

 おそらく、夢との関わりが深まれば、自分の問題を解決する際に、外部の力を借りることが減っていくのではないかと思われます。

 あるいは、誰かの助けを借りるとしても、最適な人と出会う可能性を高めてくれるかもしれません。

MILD(明晰夢誘導の記憶術)

 ウイルコックは、「ラバージ式」明晰夢法の肝となる手法である「MILD(明晰夢誘導の記憶術)」というものを紹介しています。

“このテクニックは、まずゆっくり眠れる日を選んで(その日は目覚し時計を切っておく)、目が覚めた直後に、動かずじっとしていて、「今何をしていた? ここはどこだ? 誰と話していた? 何があった?」と自問するというものだ。夢を覚えるための鍵となるエクササイズである。”(p,39)

 単に、「何の夢だったっけ?」と漠然と自問しても、何も変わらないし、何も得られない。「夢の中にいるときは、それが自分にとっての現実なのだ。だから、夢だと気づけないのだ。」(p,39)

 これをやることで、「夢の内容を思い出していくと、起きているときには不可能なはずのことがあったことに気づき始める」(p,39)という。

 “例えば、話している相手が会話の途中で別人に変わっていたりなど。周囲にある物が変形したり、位置が変わっていたりなど。車を運転していたはずなのに、いつの間にか屋内を歩いていたりなど。夢の中では、目の前で起きていることだけに注意しているので、通常、そういった突然の変化をすべて無視しているのだ。”(p,39)

 だから、先の「四つの質問」を自分にすることで、突然の変化に気づいていくことが重要なのです。

 “何よりも大切なのは、何か奇妙なものを見つけたときに、自分が夢の中にいると想像できるようになることだ。何か場違いなことがあれば、それに気付けるようになること。そして、夢の中で目覚める喜びや驚きを、想像力を使ってまるで現実に起きているようにリアルに、そして存分に体験しておくこと。
 念力で物体を浮遊させたり、形を変えたり、無から欲しいものを具現化したり、頑丈な壁をすり抜けたり、鳥のように空中に浮揚して舞い上がったり。その時の高揚感を、自分自身に感じさせてあげてほしい。そこでは、大体のやりたいこと、想像できることは何でも簡単にできる。何でもだ。実現するのは、人によっては想像しているよりずっと簡単かもしれない。”(p,40)

 「何か場違いなことがあれば、それに気付けるようになること」というのは、起きている時にでもできるし、この感覚が発達してくると、些細な違和感から、異変の芽を見つけ、摘み取ることもできるようになる。

 さて、続けて、著者はこう述べています。

 “この素晴らしい出来事をすべて視覚化し続けたら、「次に夢を見るとき、自分が夢を見ていることを思い出す」という特定の文を何度も何度も何度も心の中で繰り返すのだ。50回、いや、100回言っても構わない。何回言ったか数える必要はない。大事なのは、繰り返し続けることだ。その言葉を繰り返していくうちに、気が付けば周りのすべてが変わって、気が付けば新しい経験をしていて、新しい自分になっていくのだ。気が散って夢の中に飲み込まれてしまうことがあるが、ちゃんと繰り返しを続けていけば、気が付けば同じ文を繰り返している自分になっているはずだ。自分の言葉に耳を傾けてみることだ。「次に夢を見るとき、自分が夢を見ていることを思い出す!」そして周囲を見渡し、自分が今まさに夢を見ていることに気付く。私はこの技術を使って、何十回も成功した実績がある。”(p,40-41)

 引用したように、本当に、「何度も何度も何度も心の中で繰り返すのだ」と、書いてある。

 「次に夢を見るとき、自分が夢を見ていることを思い出す」を眠る前に、自分に言えというのは、他の本で見たことがあるが、これほどはっきり、しつこく、強調しているのを見たのは、私は初めてです。

 一種の条件付けである。

 素晴らしい出来事を視覚化できるようになり、「次に夢を見るとき、自分が夢を見ていることを思い出す」というマントラを繰り返して、自分が今まさに夢を見ていることに気付けるようになって、次にやる主なことは、「意識をはっきり保ち続けること」であり、「任意のタイミングで肉体に戻れるよう準備できるようになること」(p,41)です。

唯一最大のリスク

 「唯一最大のリスクは、夢の中で自分の体のことを考えてしまうこと」なので、「体が置いてある部屋の中で起きていることについて考えてはいけない」(p,41)と、注意を促している。

 なぜなら、「それをやってしまうと、すぐさま自分の体の中に意識が戻ってしまい、体が起きてしまう」(p,41)からです。

 そうしたら、また最初からやり直しである。

 けれども、心配は要らない。

 “安心してほしい。練習を重ねるうちに、自分の体のことを考え始めてしまっても、すぐさま夢を見失うことは無くなってくるようになるから。夢から覚めそうになると、周囲の景色に灰色の霧がかかって消えていくが、その数秒間が夢の中に居続けるチャンスとなる。”(p,41)

子どものようなワクワク感の大切さ

 やはり大事なのは、前述したように、「子どものようなワクワク感やビックリするという感情」です。
 
 GW過ぎから、道教に古くから伝わる、あるエネルギーワークをやっています。

 その教本では、「子どものような好奇心を持って実践法を行うように」と、強調されている。

 その意味は、次に何が起こるかを予測せず、期待せず、起きてくるプロセスと感情に身を委ねるということです。

 後述するように、明晰夢や夢日記に挫折した私のような人間にとって、これは重要なことだと思う。

 今までの失敗や挫折は忘れ、新しい気持ちで、「子どものような好奇心やワクワク感」をもって、自分の夢に取り組むことが大事でしょう。

参考文献・サイト

 ウイルコックが参考文献に上げているのは、次の本です。

スティーヴン・ラバージ『明晰夢――夢見の技法』春秋社
スティーヴン・ラバージ『明晰夢の探求(原題:Exploring the World of Lucid Dreaming)』(未邦訳)
ロバート・モス『コンシャス・ドリーミング:アボリジニやネイティブ・アメリカンのシャーマンたちから学んだ夢見の技法』VOICE
ウィリアム・ブルーマン『肉体を超えた冒険――どのようにして体外離脱を経験するか――』ナチュラルスピリット

他に、このサイトに動画と参考書がいくつか挙げられています。

 私のオススメは、『超常戦士ケルマデックCDブック (新世界に目覚めよ! 超時空大作戦)』についているCDに「明晰夢」を促すトラックが入っているので、それを聞きながら、明晰夢を体験してみることです。

 やり方はいろいろあるので、ご自身に合ったものを見つけてやってみてください。

何度も挫折した夢日記に再挑戦

 さて、今まで私は、何度となく、「夢日記を書く」「夢を覚えているようになって、明晰夢を見る」ことにチャレンジし、挫折してきました。

 一日や二日は夢を記録できても、三日目以降は覚えていなかったり、断片的になってしまったり、言われているような「夢の利益」を全く感じられず、続ける動機がなくなってしまう、そういうことが何度かありました。

 やめて、しばらくしてから、本やブログで、「夢の効用」を知って、再開して、しかし、思うような利益がなく、やめる、このパターンを重ねてきました。

 また、2008~2012年まで、眠る度に悪夢を見ていた時期があります。

 丁度、神経性の痛みが全身に出て、また日中強い眠気の出る病気を抱えていた時期でもありました。

 日中は病気で辛いし、夜は眠っても悪夢に苛まれるという、疲労と苦しみを抱えた数年間でした。

 その頃も、必要があって、日々の記録と並行して、夢日記を書いていましたが、「人に追いかけられてナイフを刺される」「崖から突き落とされる」「集団に追いかけまわされて、殺されかける」という、ろくでもない内容ばかりでした。

 2017年頃から、以前のように、楽しい夢を、少しずつ見るようになりましたが、それまでは、夢を見るというのは、一つの恐怖体験でしたし、多くの人が効用を謳うような体験もありませんでした。

 夢に限らず、こうしたワークは、「続けるといいことがある」という体験がないと、早々に挫折することになりがちです。

 しかしそれでいながら、夢から有益な情報を引き出して、人生を歩んでいる人たちのブログや本も読んで、「いつか、自分の夢のメッセージを把握して、それを人生に生かしたい」という思いも抱いていました。

 今回手にしたウイルコックの本は、単に夢見の方法や夢の効用を述べるだけでなく、著者自身の体験や苦労も記しており、「もう一度、挑戦してみるか」と思わせるものを感じます。

 次の一節は、本の巻頭にある言葉です。

 “夢は高次元からの導きとして活用できる。
 是非とも、これについて学んでいってほしい。
 (中略)霊的進化をあくまでも追求しつづけ、「熟練」した人にだけ知り得る真実がある。
 それは、「夢見」こそが霊的進化の上で
 最重要な修行であるということだ。”

 今のボディで体験できる夢は、今のボディ特有のものだと思われます。

 この宝を精査せずに今生を終えるよりも、何ほどかの煌めきを見つけたいものです。


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