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3日間で$1,800を楽に稼ぐ秘密の方法を教えよう【努力不要】

こんにちは!タンザニアのパン屋さんジャクソンです。


タンザニア生活も約4年になろうかという今日この頃、なんと私、詐欺被害に遭ってしまいました!またもやネタを増やしてしまった。(呆れ

なんの詐欺かというと、不動産絡みの振込詐欺です。なんと、阿呆な私、振り込んでしまったのです。

自分の間抜けなところを世界に向けておおっ広げにするのは、裸を晒すようでこっ恥ずかしいのですが(もじもじすな)、不都合な記憶はどんどん消し去り脳の容量を空けようとするのがニンゲン!なので、私はこれから指先をパタパタと忙しく動かすことで、この痛い経験をきちんと自分の身体に刻んでいきたい所存でございます。

この記事に掲載する写真は、私が内見の際に撮影した現場の写真です


ことは、今住んでいるところの家賃を2倍にするという宣告を受けた一ヶ月前の5月中旬にまで遡ります。コロナの影響もあって困っていた私は、今住んでいるところを大家さんのご好意で、破格の安さで住まわせていただいておりました。

しかし、コロナも落ち着き、外国人も戻ってきて元の活気を取り戻さんとしている昨今、私が住んでいるエリアではポツポツと家賃の値上げが数ヶ月前から始まっていました。

そろそろ私のところにもその影響が波及してくるのでは…とビビり上がっていたその時、家賃高騰宣言がなされたのです。それも超タイミング悪く、私が向こう6ヶ月分の家賃を支払ってしまった直後に。大家さんは今月中に(残りたったの2週間しかない時点で)出て行ってくれと、突如冷徹に言い放ったのでありました。(残り4ヶ月分の家賃をちゃんと返金してくれるのかどうかはまた別の頭イタイ問題である)

流石に2週間では新しいところを見つけて引っ越しまで済ませるのは無理!と思い、1ヶ月の延長をお願いし、6月末までの滞在を許可されたのでした。

しかーーーーーし、自分の予算と職場へのアクセスの良さなど、条件を総合すると、なかなかこれといったところが見つからず。何件か内見に行きましたが、運命のところには出会えていませんでした。


そんな私にとっての救世主が、ネットでの不動産売買&賃貸プラットフォームでした。日本の不動産プラットフォームに比べると使い勝手など劣る点もありますが、場所や予算等最低限の必要条件で物件を絞れるのは便利です。

こんなWEBサイト


タンザニアでは、不動産を探すときには仲介業者を介して不動産を見つけます。日本の仲介業者と異なるのは、多くの場合、その仲介業者が個人で動いているプレイヤーだということです。

みんな大家さんとはそれぞれのコネを持っていて、そのコネを生かして客に物件を紹介します。つまり、大家さんが複数人の仲介業者に物件を任せているケースがほとんどなのです。

仲介業者は、一ヶ月分の家賃、もしくはその半額を仲介手数料として、客(物件を探している人)から貰います。それで取引成立、となるわけです。

さて、今回私をカモにしてくれたのは、大家さんと仲介業者でした。2人がグルになっていたのです。

多くの人といっぺんに連絡を取っていたので、どのサイトのどのアカウントの人だったのか今ではわかりませんが、14日(火)に仲介業者のJumaは私にWhatsApp経由で連絡を取ってきました。

彼は、他の仲介業者がするように、まずはいくつかの物件の写真を送ってきてくれました。うちの一軒を私は気に入りました。彼は、時間があったらぜひ見においでよ、と言ってきました。

仲介業者とのやり取り



お昼に少し時間が空いた私は、その日のうちに早速、彼の送ってくれた写真の現場に向かいました。実際に見せてもらったお部屋は、写真と違わず、私はやはりとても気に入りました。即決でした。

数日前、写真を見て入居をほぼ決めていた物件を内見しようとしたそのとき、私が到着したほんの数分前に、別の人の入居が決まってしまうということがありました。こういう時は、先に前金を支払った人に入居が決まります。

そんな経験があったため、とにかく早く入居先を決めて落ち着きたい、という焦りがありました。今住んでいるところはもう時期追い出されることは決まっているのに、次の入居先が決まらないということが、こんなにストレスになろうとは知りませんでした。

内見をしたその場で、仲介業者がオーナーさんに電話をし、私はオーナーさんに家賃交渉をしました。月々の家賃を450USDまで下げてくれないかとお願いしましたが、人気がある物件なので500USDまでだ、と言われました。元々は600USDで出していたそうです。普通は6ヶ月分の家賃を一度に支払いますが、私は、今日は3ヶ月分で勘弁してほしい、残りの3ヶ月分はまた追って支払うから、とお願いしました。

洗濯機も新しいのに替えてあげるって言われたのに!嬉しかったのに!のに!のに…


オーナーさんとの話が終わり、仲介業者は最後のだめ押しで、私以外の顧客とのWhatsAppでのやりとりの一部を見せてくれました。(個人情報の云々カンヌンという概念は問うてはいけない。)

彼は、「他に2人の外国人男性が、君が入居を決めたこの部屋を写真で気に入って、すぐに6ヶ月分支払うと言っている」と言いました。確かにメッセージにはそう書かれています。しかし、私が運よく先に入居を決めたので、この物件は君が手にする権利があるんだよ、と。

今考えれば、この時点でおかしい。普通ビジネスなら、条件が明らかに良い方の人を入れるだろ。というツッコミはさておき。

本来であればここで契約書をもらうのですが、大家さんはリタイアして今はキガンボーニ(私が済んでいる街中のエリアからだと、フェリーで渡った先にある地域)にいらっしゃる、とのこと。すぐに契約書を準備することができないが、来週月曜日には準備できるので、それからまたアパートで会いましょう、ということになりました。

なんだかんだ世間話をし、彼はドライブしながら周辺の街並みを一通り説明して見せてくれました。親切な奴だなあ、と私は阿呆のように思いました。

さて、その後パン屋オープンにかかるいくつかの仕事を済ませた後、私は早速その日のうちに、3ヶ月分のお家賃1500USDを支払いに銀行へと向かいました。

振込を済ませ、大家さんと仲介業者には電話で報告をしました。その時、仲介業者から、「手数料はMpesaで650,000Tshを送ってくれ」と言われました。家賃一ヶ月分の半額相当です。

私はすぐにモバイルマネーMpesaでお金を送金しました。阿呆な私はこの時まだ何も気づいていませんでした。

さて、彼に送金が済んだ後、夕刻に大家さんから電話がありました。「何度も確認しているが、君からの振込が確認できない」と。30分に一度の頻度でかかってきて、最後の方は段々と口調が強くなっていきました。「700,000Tshは引き出せたが、それ以外の金がない。一体どうなっているんだ!」

そんなこと言われても知らんがな。だって、私もう振り込んだし。え、でもタンザニアのことだしあれかなあ?なんかネットワークエラーとかなんとかで、着金が遅れている?まあでもあれか、もう夕方で銀行業務も終わってるし、とにかく明日の朝やな、と。そんでもって、とにかく明日また確認しよう、ということで落ち着きました。

家具のセンスだけは勘弁してくれ、なんて思ったからバチが当たったんだ


さてさて、翌日。つまりは15日(水)の午前、私は大家さんに確認の連絡を入れました。しかし大家さんの返答は昨日と一緒。「君からの金は着金していない」と。午後になっても同じ返答。

おやおやおやおや、雲行きが怪しくなってきたぞ。

ここで仲介業者の野郎からも電話がきて「大家さんの機嫌が悪くなってきてる。済まないが銀行に行って確認してきてくれないか?」と連絡が入りました。私も、きちんと送金を確認したのに着金してないと言われるのは胸糞悪いので、銀行に確認に行きました。この時点で15:00でした。

幸い銀行に到着すると、いつもは忙しそうに動き回っている馴染みのマネージャーのお姉様にお外でばったり出くわすことができました。事情を説明すると、「何それ、そんなわけないでしょ、すぐ確認してあげるから来なさい」とVIPルームに連れてってくれました。(今までパンとケーキをことあるごとに差し入れしておいて本当によかった。笑)

確認してもらってわかったことは、昨日の時点で私の1,500USDは着金していたこと。しかし、なぜかそれがHOLD状態になっていて、引き出し不可能な状態になっていること。そして、私の振込直後に、大家さんが700,000Tshを引き出していること。

アカウントの保持者が目の前にいない状況では、マネージャーでも詳細を確認することを許されていないため、なぜHOLDになっているかは、その時点では知りえませんでした。

大家さんに電話口で怒られ疲弊していた私は、銀行マネージャーのお姉さまにお願いし、彼女の口から大家さんに状況を説明してもらうことにしました。2人の話を聞いていましたが、大家さんは「なぜだ!」と強く問いただし、マネージャーさんは「あなたが銀行に自分で行かないことには、こちらにもわからない。そしてYuka(私ジャクソンです)は悪くないわよ」と応戦してくれました。結局、大家さんが翌朝、自分で銀行に行って確認する、ということで電話は終了しました。

こっちの物件で中華テーブルよく見るけど、オーナーさん中国人じゃないんよなぁ

さて、翌朝になりました。つまりは16日(木)です。

午前中はアクションを起こすのを我慢して待っていました。ゆったりしているタンザニア人のことです。プッシュして急かしすぎると、相手の機嫌を損ねてしまう可能性があることはこの4年間で学習済みです。へへへ(さっさ確認しろ阿呆)

時刻は12:30。そろそろタンザニアでも午前は終わっておろう。さすがに大家のじいちゃんも銀行から帰ってきて着金を確認しているんじゃないか?と思い、6日前にまとめて切っておいたトマトと草をむしゃむしゃしながら電話をかけました。

「Namba unayopiga, haipatikani kwa sasa・・・・(おかけになった電話番号は、現在電波の届かない云々カンヌン)」・・・・繋がりません。

あぁ、そうか。私と話すのはバツが悪いか。昨日すぐに振り込んだ私に対して怒鳴っちゃってたしね。そうよねそうよね、わかるよ頑固親父のその気持ち。それじゃアレか。仲介業者に「着金してたわ、てへぺろ★」って連絡ぐらいしとるやろ。

仲介業者のJumaに電話をかけるわし。

再び電話口から聞こえてくるは、「Namba unayopiga, haipatikani kwa sasa・・・・(おかけになった電話番号は、現在電波の届かない云々カンヌン)」・・・・繋がらんやないかーい!

ここで私は、閃きました。木から落ちるりんごを見て万有引力の法則を導き出したニュートンのように、それはそれは鮮やかに全体像がふわっと目の前に浮かんでくるのが見えました。そう、これは詐欺−−。


視界の中でぼんやりと、残された緑の草とトマトの鮮やかさが増していく。頭がぼうーっとして稼働することを拒否する。

しばらく絶望したのち、残りわずかなnot詐欺である希望を持ちつつ、ことの顛末を自分の整理も兼ねて、簡単にTweetしました。


すると早速、日頃よくお世話になっているタンザニア在住の日本人の先輩から「Twitter見たけど大丈夫?警察一緒に行こう!」と連絡をいただきました。なんとご親切な…視界が白く霞んでいく

この時私は、「警察なんて役に立たない。私の金は泡になって消えたんだ・・・」と、残り僅かな希望と絶望との狭間で意識を朦朧とさせていました。人はあまりに強いシックを受けると、動かなければならない時も頭がうまく働かなくなるのだなぁ、この経験はタンザニアにきて一体何回目だろうか、などと思い巡らせていました。

私は満身創痍な状態で、親切な日本の先輩と、その方の会社で働く現地社員の方と一緒に、詐欺に使われたアパートと警察へ向かいました。あまり慣れない土地だったので、アパートの場所はうろ覚えでしたが、近くにあったホステルが目印となり、方向音痴の私でもなんとか再び到着できました。

詐欺であることの確証を得るため、アパートを再訪問してわかったことは次の3つでした。

①セキュリティのお姉さんが鍵を管理しており、見込み客を連れてくる仲介業者は誰でも部屋に通していたこと。

②私が14日に電話越しに話した相手はやはり詐欺師で、この日電話越しに話した方が本物のオーナーさんだったということ。(めっちゃSo sorry言われました。本物のオーナーさんはとてもお人柄の良い人でした。)

③なんとアパートには誰も住んでいなかったということ。(内見した時は「フルだ」と言われていました。よく考えたら、人が毎日使っている割には階段が薄汚れていて埃っぽかった。疑念を抱け)

駐車場も広々!なぜかって?それは誰1人住んでいないから★

アパートを後にし、警察に行って事情聴取をしてもらいました。1時間以上じっくり聞いてもらったでしょうか。親身になって聞いてもらえただけで、ボロ雑巾のようになった私のメンタルは大分回復しました。


この日、夜19:30くらい、「銀行口座は凍結できた」と連絡が入りました。助けてくれた日本人の先輩と、その相棒の現地の人が、警察と銀行に猛プッシュしてくれたおかげです。本当にありがとうございました。警察ってすごいんだから!(「役に立たん」とか一瞬でも思って本当にごめんなさいスライディング土下座)

そして、翌日。つまり17日(金)。

昼前に警察に再度お呼ばれし、銀行へ同行してもらいました。昨日の夜、銀行口座の凍結をしたという報告を受けていましたが、念のために。

「お金が返金される可能性はゼロじゃないから心配しないで」と、銀行の方からは力強いお言葉をいただきました。お金のことは完全に諦めていたので、望みが1%でもあることにパァ〜!と晴れやかな気持ちになりました。

仲介業者にモバイルマネーで送金してしまった分についても、警察が追ってくれるとのこと。「大家も仲介業者もとっ捕まえてやるからな!楽しみにしてろ!」と警官。アフリカにウルトラマンおった

さて、そういえば事情聴取している最中、私を助けて下さった日本人の先輩が振込先の銀行名義人をググってみると、面白いことがわかりました。

http://www.zanzinews.com/2016/11/wafanyabiashara-watakiwa-kuwa-makini-na.html?m=1#

なんと、私をカモにしてくれたフェイク大家さん、なんと前科のある有名な詐欺師だったっぽいのです。爆笑(現在捜査中なのでまだ確定ではない)

この記事によりますと、彼は2016年にもザンジバルで詐欺を働き、なんと31million Tsh(約180万円)を騙し取ったことで捕まっていたのです。

もし同一人物なのだとしたら、なぜ、犯罪歴があったのに銀行口座を作れたのか・・・色々と疑問が残りますが、ここから先は警察に任せることにしましょう。



ここ3日間での現状はこんな感じです。こんなに一生懸命書けば、フロッピーディスク並みの容量の私のオツムでも、そう簡単には詐欺の記憶を消すことはできまい。

後日、無事に返金されたのかどうか、ここに追記しながらご報告したいと思います。次回のサザエさんは〜?じゃんけんぽん!うふふふふふ!

長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。私のような阿呆はそうそういないと思いますが、どうか!お金の振込は!契約書を交わした後で!笑

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