散々こすり倒したから全文載っけてもいいネタ② コント「形見」
失礼します、ジャックポット河野です。
大喜利に関する論文をまとめはじめてから2週間経ってしまいました。
遅筆にも程があります。四月終わっちゃいます。
まだまだ時間かかりそうなので、
ここは有りネタでお茶を濁させていただきます。
今回載せますのは、「形見」というコントの全文です。
これも3年くらい前のネタですが、いまだにこすり倒してます。
衣装も小道具もそんなに用意が要らないので、楽なんですよね。
むしろコント書くとき、用意を最小限に抑えるようにするところから
はじめてる部分もあるので…。
それでは、お目汚しでなければ~~。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
コント「形見」(初演 2017年秋頃)
河野→できるだけ無難な服装
澤田→白シャツ・ジーパン・腕時計、裸足
[河野、板付き →澤田、飛び出し]
澤田:おう、遅なった。
河野:おう。え、お前そんな格好で行くの?
澤田:うん。なんで?
河野:いや~、合コン行くにしては、ちょっと地味過ぎひんかー?
澤田:そうかな?一応、これ勝負服やねんけど。
河野:これが?え~…あ、でも時計はええのんしてんな。
澤田:ええやろ?俺時計好きで集めてるからさ。
河野:そうなんや。へー…ほしいな。
澤田:いや、これはあげられへんよ。
河野:えー、いいやん。いっぱい集めてんねやろ、一個くらいくれよ。
澤田:アカンねんて!やっぱ、欲しいもんは自分の力で手に入れな!
河野:え~、そういうもんかなぁ。え、ちなみにこれはナンボしたん。
澤田:知らん。
河野:知らん?
澤田:うん、これ親父の形見やから。
河野:親父の形見?そうなん?ごめんな、ちょうだいとか言うて。…でも、いっつもそんなんつけてたっけ?
澤田:いやまぁ、今日合コンやったからな。
河野:…合コンやから、親父さんの時計してきたん?ふぅん…え、でも白シャツはどうよ?合コンで着てくるかね?
澤田:え~、でもこれ確かええとこのやつやで?
河野:そうなん?え、どこのブランドなん。
澤田:ブランドっていうか、兄貴の形見やけど。
河野:兄貴の…いや、このジーパンもどうよ。色も褪せてるし、裾もボロボロやし、
澤田:これはじいちゃんの形見やけどなぁ
河野:ちょっと待って?え、お前勝負服…
澤田:あぁ、うん。全身形見コーデ。
河野:何それ?何言うてんの、全身形見コーデて。(シャツをつかんで)え、これ形見なん?お兄さんの?白シャツこれ、お兄さんの?
澤田:うん。確か一昨年、登山中に足滑らせてさ。そんとき着てたシャツ。
河野 そんとき着てたシャツ!?そん時の?…白ない?血とか、え、めっちゃ漂泊しての白?
澤田:ズボンも一昨年、爺ちゃんが階段から転んだ時、履いてたやつ。
河野:なぜ死んだ時の服を着る。それが形見やと?
澤田:時計も一昨年親父が溺れたとき、
河野:全員事故やなぁ。全員一昨年に事故。たまたまか?偶然一昨年事故に遭った3人が、偶然お前の好きな服とかを持ってたん?…ん?お前…。
澤田:今日来る女の子って可愛いん?
河野:…!コイツや…!きっとコイツや!すごい話逸らした、怪しい…!
澤田:現地集合やっけ?
河野:いやいや。ちょっと、今日は行くのやめとこ!な?
澤田:え、なんで!?(自分の服装見ながら)そんな言われるほどかな?
河野:あ、もうそういう問題じゃない!お前自分の立場分かってる?お前今、重要参考人!
澤田:折角、形見の勝負下着履いてきたのに〜。
河野:もうええて!被害者増やすな!よう人の下着履けんな!
澤田:いとこの友達の恋人のなんやで?
河野:遠いなぁ!いとこの友達の恋人の形見は、いとこの友達が持てよ!いや、それでも形見パンツはきしょいわ!
澤田:これ、メガネも叔父の形見やで?
河野:メガネ!叔父の形見、メガネ!?度合ってんの?
澤田:デザイン重視やから。
河野:形見にデザイン性求めんな!気持ちの悪い!
澤田:あげへんで?やっぱ、欲しいもんは自分の力で手に入れな!
河野:犯行動機やん…。え、自供?それ自供してたん?
澤田 何もう、行こうや。何があかんの?
河野 じゃあもう、いいよ!もう服がダサい!そう形見抜きにして、根本勝負服としてダサい!な、だからそんな格好で行ったら絶対女の子にダサいって思われるから今日は、
澤田:おい!ダサいとか言うなよ!何回ダサいっていうねん!俺、ダサいとか言われんの一番嫌やねん!なぁ!お前…俺怒らせたらどうなるか分かってんのか?
河野:…なんとなく。何となく分かるから、怒らないでください。ね、一回ちょっと座りませんか。
澤田:大体、服に関してはお前にどうこう言われたないねん!大概やからな、なんやその…お前、いい靴下履いてんな。
河野:…え?
澤田:ほしいな。(ジリジリ河野ににじり寄る)
河野:(徐々に後ずさりながら)…あげるよー!(靴下をすぐ脱いで)いいよ、あげるよー!
澤田:いいの?
河野:いいよ~、ちょうど要らんかったし!
澤田:でも、お前裸足なるやん。
河野:あげる為に、履いてきたから。
澤田:よう分からんけど。ホンマにいいの?
河野:いいよ~。
澤田:マジで?ありがとう!
河野:うん…。
澤田:うん!手間が省けたわ!
河野:………まぁ。生きてるしええか。
(作・河野雅治)
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