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ステイホームで文章を書く~素材を発酵させる~

バンコク封鎖日記Day31です。

気が付くとまるまる一か月この日記を続けてきたことになる。今までも休み休みnote(かつてははてなブログ、その前もいくつかのブログサイトで)は書いてきたが、1か月、1日も休みなく書くというのは人生で初かもしれない。

「バンコクの封鎖が明けるまでコミットして書く」と宣言したのが3月21日。そこからリモートワークが始まり、非常事態宣言があり、自分は日本に帰国することになり、、、激動の1か月だった。それでも、この「危機」ともいえる特殊な期間に感じたことをとにかく書き留めておこう、という試みは想像以上に自分に果実をもたらしてくれている。

文章を書くことで内省・思考が進むのはもちろんだし、今の状況をポジティブに捉えることが出来ている。またそれを発信しているからか、新しいプロジェクトもどんどん立ち上がり、不透明な中だが仕事が無くてヒマになるということは今のところない。まだ経営に余裕があるわけでは無いが、間違いなく一か月文章を書いてきたことは自分を助けてくれている。

自分のnoteは決してアクセスの多いサイトでは無い。それでも、何より「文章は自分のために書くものだ」ということを書いていて実感する1か月だった。ちょうど家に居て時間を持て余す人も居るかもしれないこの時期に、もしよければ文章を書くという事を個人的にはお勧めしたい。

素材+酵素+時間=発酵

文章を書く上で(あと自分の場合はコンサルプロジェクトの提案書を書く上で)、私が若いころからバイブルにしている有名な書籍が「思考の整理学」である。

累計200万部以上売れているお化け書籍なので呼んだことがある人も多いだろうし、コンサル業界ではファンも多い。自分も若い頃に上司から勧められて読んだ。(文武両道で知られる中日ドラゴンズの根尾選手も大阪桐蔭時代に読んでいたということで、彼が指名されたときは名古屋の書店で平積みになっていたらしい。ちなみに私は中日ファン)

この書籍によると、文章を書くにはまず「素材」が必要である。素材を得るためにするべきことは、「読む」という行為だ。本を読んだり、ネットニュースを読んだり、まずは「考える材料」をというものを積極的に頭に取り入れる必要がある。

そして、素材だけではまだ文章にならない。そこにちょっとしたアイデアやヒントを加える必要がある。本書ではそれをビール造りの「酵素」に例えている。仕事の中でふと気づいたこと、雑談の中で面白いなと思ったこと、こうういうちょっとしたセレンディピティが、素材と結びつき、素材に変化を加えてくれる。

素材と酵素は、異質なものではなくてはいけない。なので本だけ読んで素材ばかりを増やすのではなく、テレビやアート、飲み会など、種類の違う刺激を与えるのが良い。ステイホームだと、この刺激が得づらくなるので、家に居ながらも意図的に雑談や他者との交流を意図的に持ちたい。

最後に、素材と酵素があってもすぐに発酵するわけではなく、そこに「時間」を与える必要がある。つまり、しばらく「寝かせておく」ことが必要なのだそうだ。色々なテーマを自分の中にためておくと、時間が経ってそれが発酵されて、味わい深い作品となって仕上がってくるのである。

自分の場合は、

・素材=深めたいと思ったテーマをEvernoteにひたすら書き溜める
・酵素=人との「壁打ち」(雑談とブレストの中間のような場)をオンラインで持たせてもらい、「最近考えてることなんですけど・・」と素材を使いながら会話し色々と刺激を加える(素材の横に思考したことを書きとめる)
・時間=時々、テーマを眺めて、熟したなと思ったテーマを取り出す

というようなことを、半ば無意識にやっている。ステイホームの期間は、酵素となる刺激要素はやや作りにくいものの、時間の管理がしやすいので自宅で同じルーティンを繰り返すには向いていると感じる。

「思考の整理学」の外山先生は、文豪バルザックの名言を引用してこう言っている。

”熟したテーマは、向こうからやってくる。”

少しずつではあるが、今の期間を利用して、”熟した”より良い文章が書けるようになりたいものである。

今日は以上です。

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