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タイ起業10年記①〜妻との約束

今日からモードを変えて、自分の起業ストーリーを書いていこうと思います。
今年で起業して10年目。振り返るには良い節目です。

どこまで面白くなるか、また全部で何回シリーズになるかわかりませんが、とりあえず書いていきます!

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2014年6月30日。僕は会社を辞めた。

当時、僕はシンガポールで駐在員として仕事をしていた。

「いつか海外で仕事をしたい」という昔からの夢が実現し、苦労の連続ながらも、本当に充実した2年間を過ごさせてもらった。

その2年が終わり、喪失感とやり残し感が強かった自分は、東南アジアでのキャリアの継続を模索していた。

よく「どれくらい前から起業を考えてたの?」と聞かれるが、もともと起業なんてするつもりはなかった。自分が起業家タイプだとも思えなかったし、家族もいる立場でそんなリスクは取れないと思ったからだ。

そこで、まずは転職を考えた。
シンガポールとタイのエージェントさんに自分の値段を聞いてみた。めぼしい案件も見せてもらった。

しかし、シンガポールでは色よい返事はなく、タイにはやりたい仕事が無かった。そして、家族4人で暮らしていける収入が得られそうにもなかった。

さて、どうするか。

「起業するしかないか」。

不思議と、その選択に納得している自分がいた。

気が付けば、自分の周りは起業家精神に溢れた友人ばかりだった。そういう界隈に身を置いていると、なんだか自分もやれるんじゃないかという気がしてくる。

35歳、2人の子持ち、海外での起業。
リスクはあるが、他に選択肢がなかった自分はその方向で考えることにした。

もちろん、妻にも相談した。

「やりたいんでしょ?やればいいんじゃない。だってあなたの友達はみんな起業してるじゃない。だから、いつかやるって思ってたわよ。」

意外とサポーティブな返事だ。
でもこうも言った(と、記憶している)。

「でも、できれば貧乏はしたくない。それから、子供たちの将来のことは考えて欲しい。それだけ守ってくれればOK。」

その2つは自分だって同じ想いだ。
妻との約束2つをしっかりと胸に刻み、起業プランを描き始めた。

どの国でビジネスするのか。
家族は一緒に住むのか、自分だけ単身で暮らすのか。
子供の学校はどうするのか。
お金はどう工面するのか。

考えることは山ほどある。

手元資金にもそんなに余裕はない。
家族で数か月暮らしていたら、すぐに無くなってしまうようなお金だ。

だから、「とりあえず3か月チャレンジさせて」と妻に伝えた。
ちょうど夏休みの時期だから、家族には日本でしばらく過ごしてもらって、自分がそのうちにビジネスの基盤を作ってみる。

3か月動き回って全然ダメそうなら、才覚が無いと思っておとなしく辞める。貯金は無くなっても、頭を丸めてまた会社勤めをすれば再起不能にはならないだろう。スモールリスクでのスタートだ。

そう決めて、家族を日本に帰し、自分はAir Asiaでタイに渡った。

すぐに1泊500バーツのあまりキレイとは言えないAirBnBを2か月予約した。
そして次の日から、人生を賭けた3か月が始まった。

(つづく)

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