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「気持ちのいい人」という採用基準

今日は朝から日本の友人と1on1。すごく気持ちの良いミーティングだった。

休日の朝にこういうミーティングを入れるとすごくその後の時間が生産的になる。今後も、休日の朝は1on1というのはできるだけルーティンにしていこうと思った。

話していたのはかつての同僚なのだが、その会社の社員(現社員、OB含め)にはとにかく素敵な人柄の人が多く、今でも繋がらせてもらっている人が多い。とっても大好きな仲間たちだし、仕事も少なからずそうした輪から生まれている。

「気持ちのいい人」という採用基準

その会社には、「気持ちのいい人」という採用基準があった。本当にその通り、社内には気持のいい人しかいなかった、と思う。「いい会社だし、いい採用基準だな」と心から思っていた。

ところでこの「気持ちのいい人」というのは、すごくビッグワード、つまり定義があいまいな言葉だなと思う。

例えば英語にしようとすると、すごく難しい。

Nice?なんか違う。Open? そうかもしれないけど、一部しか表していない気がする。「気持ちのいい人」という概念を別な言葉で表すのは簡単ではない。それでも、「気持ちのいい人だよね」というのはなんとなく通じ合える気がするから不思議だ。

ここまで考えて、「気持ちのいい人」という言葉は、人物の特徴をあらわしている言葉ではないんじゃないか、という気がしてきた。

よくある採用基準と比較してみると、例えば

「忍耐力のある人」=その人が、ストレスに強いかどうか
「社交性のある人」=その人が、対人関係をうまく作れるかどうか

であるのに対して、「気持ちのいい人」というのは、「その人が」気持ちよくなっているのではあい。気持ちいいと感じているのは「私」だ。つまり、

「気持ちのいい人」=「私が、その人と話した結果、気持ちいいと感じた人」

である。そういう意味で、他の「~~~な人」という人材の特徴(Traits)とは異なる。主語が違う。文法的に違うのだと、ということに改めて気づいた。

どういう時に気持ちいいと感じるのか

では、どういう時に人は「気持ちいい」と感じるのか。

思いつく限りで挙げてみると、

・笑顔が多い人=表情は伝染するので自分も笑顔になる
・元気な人=自分も元気をもらえる
・前向きな人=前向きな話題の方が楽しい時間を過ごせる
・ホンネで話す、正直な人=相手が心を開くと自分も開きたくなるので自分もスッキリする

といったことがあるかもしれない。

ただ、こうしたことはある程度広くあてはまるかもしれないが、あくまで私の感じ方に基づいているに過ぎない。「主観」である。人によって恐らく違う。

企業の大事な採用面接を、主観で判断していいのだろうか。採用基準とは、誰もが分かる客観的な基準にしておかなくてよいのだろうか。好き嫌い採用になってしまわないのだろうか。

・・・とここまで書いて思ったのだが、「主観で判断してよい!」ということなのだろうなと。

企業の入り口を預かる面接官やマネージャーであるなら、自分たちの会社の文化に馴染むかどうかを判断できるフィルター、感性、を持ちなさいと言うことなのではないか。

欧米企業でも、Culture Fit (文化との相性)とか、Chemistry Check(ビビッと来るかどうかのチェック)とか言って、相性のチェックがある企業は少なくない。

日本でも「一緒に働きたいと思う人を採れ」という会社は結構ある。文化に馴染むか、なんとなく好きと感じるか、というのは採用基準の一つとして大事である。

「主観のフィルター」はやっぱり大事なのである。それがバラつくようであれば文化が醸成されてないと言えるし、そうした選考プロセスを入れることによって、社員に対する文化への感度が養われるともいえるだろう。

それを「カルチャーフィット」ではなく、「気持ちの良い人」という意味凝集性の高い一言で表したのは、やはり見事としか言いようがない。それに近い言葉を、英語かタイ語で自分はいつか編み出せるだろうか。

取り留めないですが今日は異常です。

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