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バンコク封鎖日記 Day10:コロナで伸びる経済

日記10日目。今日は1週間ぶりにオフィスに出社した。

毎日ビルで行っている検温が、手動の体温計ではなくサーモグラフィー化?されていた。着実に設備が進歩している。久々に歩く道も、レストランが一生懸命弁当を売っている光景が目立つ。飲食業も生き残りに向けて頑張っている。少しずつだけど、街の様子が変化している。

(自動化された検温。精度は不明。。)

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(検査を通るとシールをもらえます。)

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(エレベーターの横に綿棒。指でボタンを押したくない人向け。どう考えたらこういうUIになるんだ。。)

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コロナで伸びる経済

Twitterで、「日本では美容整形が伸びているらしい」という情報を見つけて、面白いなと思った。自宅待機で人に会わない間で、ダウンタイム(整形してから必要な回復期間)をやり過ごせるというニーズらしく、なるほどと思った。我々が絶望している間にも思わぬ業界が伸びているのかもしれない。

今日お会いした方々から聞いた話では、お菓子業界は巣ごもり消費で伸びているそうだ。家でネットフリックスを見るようになると、人はお菓子を食べたくなるらしい。とてもわかる。また、自宅でご飯を食べるようになると、しょうゆとか、そのパッケージとか、そういうものもやはり伸びるらしい。総じて食品業界や、それに関連するものは伸びている。もちろん外食業界と食い合っているだけという考え方もあるが。

学校が休みになることによって、自宅で学習する計算ドリルは売れているらしい。アメリカでは、ペンキが売れているらしいとうツイートも教えてもらった。なぜかというと、家に引きこもるようになると、家のあちこちが気になり、直したくなるらしい。こうして考えると、消費者インサイトと言うのはまだまだ想像が及ばないものが色々あると感じる。そういうのを色々と一人でブレストするのは結構楽しい。

言葉のチカラ

夜は、久々に人と食事をした。ご自宅で、クラスターにならない人数で、適度に距離を取りながらではあるが、楽しい時間を過ごした。

こちらの記事にもあったが、コロナウィルスと言うのは「人の幸せ」に根本的にダメージを与えてくる。人間は元々クラスターを作りたい生き物なのだ。だからこそコミュニケーションが無くなると人間はエネルギーを奪われる。少人数だったり、オンラインだったり、で3密を避けながらコミュニケーションを頑張って増やしていく努力は大事だと思う。

今日お会いしたのはそれぞれが会社の社長さんだが、やはりこうした危機にリーダーがどんな言葉を発するかというのはとても大事なことだね、という話になった。船の船長であるリーダーが、「荒波の中だけど、船は沈まない、目的地にちゃんと向かっている」と伝えていることで、乗客は安心するのだ。そういう言葉を、力強く発することが今リーダーが最もやらなくてはいけない事だ。

ある会社では、4月の年度初めの大きな会議がコロナのために延期になった。それは仕方ないのだが、そこで出るはずの社長方針まで延期になってしまったという。それはあまり良くない事だと思う。荒波の中だからこそ、メッセージを出さなくてはいけない。オンラインでも、お手紙でも、何でも良い。リーダーのその言葉をみんなが待っている。

もちろん、出せばなんでも良いというものではない。未来を見据えた言葉、元気が出る言葉、気持ちのこもった言葉、で無ければいけない。こういう時にリーダーの資質が良く現れる。借り物の言葉ではなく、自分の言葉で語れるか。まっすぐ前を見て、ハッキリと大きな声で語れるか。いま世界中のリーダーがそれをやっているが、それらはある意味でリーダーの品評会だ。残酷なほどに差が表れていると思う。

「役割が人を育てる」という。海外拠点のトップを張っている方々は、トップとして揉まれる中で、その風格を備えていく。一国一城の主としてプレッシャーを受け、リスクテイクしていく中で「覚悟」が生まれる。また厳しい環境でも成果を出していく中で「自信」も芽生える。そうした、「覚悟と自信」が言葉に力を与えていく。環境によっても違いはあるが、だいたい海外トップを5年もやれば、目つきが変わり、言葉の力が強くなっていく日本人リーダーは沢山いる。見ていて頼もしい思いだ。(逆に帰任してミドルに戻ると、せっかく備わった風格が失われてしまうというケースもある。)

一方で、日本の政治家や官僚のスピーチを見ていても、そういう話し方が出来る人があまり多くない。関係各所に配慮するのが仕事になると、言葉のエッジはどうしてもなくなり、借り物の言葉で話すリーダーがいつの間にか出来上がる。私は政治の世界は門外漢だが、日本のパブリックリーダーの育成方法は果たしてこのままでいいのだろうか、ということに改めて問題意識を感じたりするのだった。

今日の日記は以上。明日は、こんなご時世でも新入社員を迎える。オンラインでのウェルカムイベント&ウェルカムランチをやる予定なので、これもまた新しい経験になるだろう。

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