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教養がないと思われたら激ヤバ!?

さて今回から二回にわけて、社会人デビューしたみなさんに習得してほしい4つのスキルのうち、インテリジェンス(知性と教養)について書いていきます。前半となるこの記事は、ちょっと講釈を垂れさせてもらって、後半となる次回の記事で、速攻で知性と教養を習得する方法をご紹介します。
 
まずは、ちょっとヒューマンベーシックナインのことを思い出してください。人格曼荼羅の真ん中に「精神」とありましたよね。善なる精神とは、ホスピタリティマインドのことであり、それを体現することを「エンターテイン」というんだとお話ししました。ですが、みなさんが周囲の人たちをエンターテインしただけでは、あなたの「人望」はまだ片手落ち。仕事と人生で成功するには盤石とは言えません。
 
わかりやすく言えば、いつも愛想が良くて話を聴いてくれて、時にはお茶代も奢ってくれて……というだけではダメだということです。周囲からの人望を高めるためには、相手のあなたに対するリスペクトがなければなりません
 
「信ずる者」と書いて「儲(もうけ)」と読みます。周囲の信頼を得られてこそ、はじめて商品やサービスが売れるのです。さらに、「人に言う」と書いて「信」なのです。つまり、儲けとはあなたのことを「人に言ってくれる者」なのです。
 
それでは、周囲から「信を得る」にはどうすればいいのでしょうか。私が思うに、リスペクトの源泉は「観」です。あなたの確固たる価値観。何があってもブレない価値観。人生観・死生観・仕事観・社交観・福祉観…。平たく言えば、基本的なモノの見方や考え方ということ。生きていく上でいちばん大切に思っていることです。人間を長くやってきて、自分なりの価値観がない人は、他者から見ると薄っぺらいものです。
 
社会人一年生のあなたがこれから接することになる人たちは、ほぼほぼ人生の先輩だろうと思います。となれば尚のこと、あなたには人間としての深みや厚みがあってほしいと、心の底から思うのです。で、この価値観の源泉になるのが、知性とか教養とかいうやつなのです。
 
余談ながら、「エンターテイン」とか「ホスピタリティ」を漢字一文字で表せば『』となります。また、「リスペクト」されるための源泉を漢字一文字で表せば『』となります。そして、これからみなさんが仕事や人生で然るべき成果をあげるためには、この「歓」と「観」をいかなる局面でも言行一致させることが求められます。これを漢字一文字で表せば『』となります。ということで、「未来の栄光をつかむことのできるルーキーは三カン王(三冠王)たれ」と記憶していただければ幸いです(笑)。野球をご存知ない方は…、ごめんなさい。
 
そして、みなさんの価値観を形成するもの。価値観の土壌となるもの。それが知性とか教養とか言われるものです。厳密に言うと、インプットされた知性や教養の中から「これだっ!」とみなさんに取捨選択されたもの…ということになります。
 
ところで、教養がないとは、具体的にどんなことを言うのでしょうか?
 
教養がない人は、時に非常識になることを平気でする場合があります。よく目にする光景としては、電車のなかで大声で騒ぐ、モノを食べる、メイクをする。仕事の場では、約束の時間に平気で遅れる、お礼や謝罪の言葉が言えない、目上の人に敬語が使えない……等々。人間生活でいう常識的なことがわからないし、できないのです。もうピンときた人もいるでしょうが、これまでにお話ししてきたヒューマンベーシックナインがズタボロ状態だと、周囲(特に目上の人たち)から無知・無教養というレッテルを貼られてしまうわけです。
 
教養がない人は、言葉遣いがきれいじゃありません。言葉遣いというのは、その人の人となりを丸ごと表します。平気で汚い言葉を使ったり、初対面の人にため口をきいたり、年齢に合わない言葉を乱用していたり、お店やレストランで横柄な言葉遣いをしたりしている人を見かけるとめまいがしますよね。周囲を思いっきり不愉快な気分にしているわけで、それはもう本人だけの問題ではありません。
 
教養がない人は、会話が表面的です。ボキャブラリーが決定的に少ないからです。「えっ、うっそ~」・「まじ~」・「やばい」・「かっわいい~」・「逆に~」・「なるほどね」等々のワンワード・コミュニケーションが顕著です。こうした言葉遣いは、真剣さが感じられないゆえに、物事を軽く見ている印象を相手に与えます。そして当然、嫌われます。時と場合もお構いなしに限られた言葉を連呼するようだと、周囲はあなたを教養がない人だと思うのです。
 
教養がない人は、物事を深く考えません。思ったことを、周囲の反応も考えずにそのまま言動してしまうことも多々あります。「こう言ったらこうなる」「こうしたらこうなる」ということを予測することができず、同じ失敗を繰り返したり、無駄に労力を使ったりする傾向があります。そう。前回の記事で解説した「おもてなしの逆算話法」ができていないのです。
 
教養がない人は、視野が狭いです。自分のごくごく身近で起こっていることがすべてで、それ以外の世界には関心を示しません。朝から晩まで低俗な番組を観ながら過ごしています。そこから垂れ流される情報だけを鵜呑みにして、真実を探ろうという意識はありません。また、自分とは相容れない他者を受け入れないような傾向があり、組織でうまくやっていくことが苦手な場合が多いです。
 
もしもあなたのまわりに、「なんかこの人と一緒にいても楽しくないなぁ」と感じる人がいたとしたら、おそらくその人は教養のない人です。人は互いに尊重しあうことで成長していくもの。自分に興味あることしか考えない人と一緒にいても、楽しくないはずです。自分の話、人の噂、芸能話、配偶者の愚痴…。それらがエンドレスに続くだけで、相手への配慮などかけらもありません。そんな人と一緒にいても楽しいはずがありません。なぜなら、その人から得るものが何もないからです。
 
教養の有無は、勉強ができるかできないかの話ではありません。相手への配慮という、人として最も重要な部分に直結しているということを忘れないでほしいと思います。


いゃあ~。道徳の時間みたいになってしまってゴメンナサイ。でも、ここを認識してもらった上で具体的方法論に入っていかないと誤解曲解されてしまうので、ご容赦ください。そう。次回お話しする「速攻で知性と教養を習得する方法」は、ちょっと誤解曲解されやすいトレーニングなのです…。

ということで、今日のところは、ソクラテスが残した超有名な言葉『無知の知』を謙虚に受けとめて、その上で次回のエクササイズに取り組んでほしいところです…。

楽しみにしていてくださいねっ!

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