徳川家康の「大将の戒め」~『上司の戒め』
今回は、部下を持つみなさんへのエールということで書きたいと思います。
260年間にもおよぶ江戸時代の礎を築いた徳川家康の遺訓に、『大将の戒め』というのがあります。全国統一を成し遂げた家康は、比較的若くして二代将軍家忠に将軍の地位を継承しました。そして自らは高い視点で、広い視野で、深い視座で、日本全体のことを考えようとしたわけです。
以下の言葉は将軍継承の折に家忠に語ったもので、「大将の戒め」と称されています。これをそのまま「上司の戒め」と置き換えてご紹介します。
上司とは、
部下から好かれているようでいて嫌われていて
部下から慕われているようでいて疎んぜられていて
部下から恐れられているようでいて落ち度を探されていて
部下から敬われているようでいて侮られているものである しかるに、上司たる者、部下と接するにおいては
機嫌を取らず、禄で縛らず、遠ざけすぎず、油断させぬことよ。
ここで家忠お坊ちゃまが口を挟みます。
パパ。むずかしすぎてわかんないよぉお!
はっはっは。
そうよのう。
そして家康パパは、満面の笑顔で秀忠の顔を覗き込みながら、こう言ったそうです。
「上司が部下を束ねる要諦とは、すなわち、ホレられることよ」。
縁あって、私の記事を読んでくださったみなさんには、これまた何かの縁でみなさんの下に集うことになった部下たちからホレられるような、クールでステキな上司になっていただきたい。そう願い信じて、ペンを置くことにします。