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人生哲学研修の思い出

みなさん、こんにちは。
事務局のマリーアントワネットこと、桜井ひまりです。
今回は、入社時研修の中で学んだ『娘に伝えたい人生哲学』のお話です。

私の他に、当時お困りごとホットライン(電話相談)に対応していた3人の女性陣も参加しての研修でした。タイトルからわかるように、講師はジャッキーさんこと、ボスが務めてくださいました…。ボスは3人の女性から『ジャッキーさん』と呼ばれていたのです。

研修の内容ですが、ボスがお子さんたちにも話して聞かせる内容だとおっしゃっていたので、父親がいない私としては、かなり楽しみにしていた講座です。

冒頭で、『私たち人間は誰しも、いのちとともに、生きる意味(使命)と時間と言葉を授かってうまれてきた…』と教えてくださいました。ボスいわく、「別に僕が考えたわけじゃなくって、世界の四大宗教のバイブルにはみんなそう書いてあるんだよね」とのことです。

そして、「ここからは僕のオリジナルなんだけど、みんなには、仕事・家庭(プライベート)・人生という3つのステージでの生きる意味を設定しながら毎日を過ごしてほしいと思ってます」と続けられました。

当時の私は、『生きる意味』なんて何も考えもせず生きてきましたが、地球上の生き物の中で人間だけに与えられた特権が、『生きる意味』と『言葉』だと。

わかりやすく言えば、生きる意味というのは、夢や希望、理想や目標。そういったもので、できることなら、誰かのためになるものであったほうがいいそうです。なぜなら、人間の根源的な欲求として、『人は誰しも必要とされたい、役に立ちたい、ホメられたい』という本能を持っているからだそうです。自分だけが満足して終わってしまう夢や目標よりも、誰かの役に立ったほうが達成感や充実感が大きくて、それがまた次なる目標に昇華されて、その繰り返しで人生の意味(生きがい)を実感できる…。それが人間という動物の社会性だと。そういう内容だったと記憶しています。

続けて、目標設定のお作法について教えてもらいました。

「4人ともスレンダーだけど、あれっ、これセクハラ?、だったらゴメン。でも、みんなスマートだから許してね。で、それそれ、目標というのはスマートに決めなければならないって言いたかったわけです」

聴いていて自然と微笑んでしまうようなあったかいべシャリ(ビジネスシーンで話したりプレゼンしたりすることを、ボスはこう言うのです)で、私はとてもホクホクしてきたのを覚えています。

スマートに目標設定するというのは、こういうことでした。

S:スペシフィック『具体的に』
M:メジャラブル『定量的に』
A:アベイラブル『達成可能な程度に』
R:リアリスティック『現実的に』
T:タイムリミット『期限を明確にして(いつまでに)』…

こんなふうに設定しよう!

なるほど、と思いました。

こんなふうにして、『仕事上の目標』・『プライベートでの目標』・『(ひとりの人間としての)人生における目標』を決めていったらいいと思うよ!と教えていただいたのでした。

ひとりの女性が「プライベート目標は、28までに結婚!」と即答して、その場は笑いに包まれましたが、真顔でボスが続けます。

「おっ、ちょうどいいや。みんな若いお嬢さんだから言っておくけどね。結婚という法律行為かつ契約行為をするに当たって、絶対にスッ飛ばしてはいけないことを話しておくね」

ボスは本当に多方面にわたって話材が豊富です。一同、興味津々です。

「とにもかくにも、恋愛と結婚は別物だということ。結婚という契約に踏み切る前には、次のことを明確にしておかないとダメだから。とくに女性の場合はね」

・結婚したら仕事をどうするのか(やめるのか、やめないのか、いつまで続けていいのか)
・生活費の分担をどうするのか
・家事の分担をどうするのか
・子どもはどのタイミングで何人ほしいのか
・育児の分担をどうするのか
・相手の親きょうだいの暮らしぶり(職業・世帯構成・経済状況など)は
・相手の親の資産状況はどんな感じか
・相手の親に介護が必要となった時、介護に携わらなくてもいいかどうか
・相手に介護が必要となった時、介護に携わらなくてもいいかどうか
・相手が先に死んだとき、婚姻関係を終了していいかどうか

この10項目については、「契約(結婚)前に絶対に確認しておきなさい」と言われました。時の経過とともに、必ずジャッジしなければならない時が来るからと。アメリカでは、もはや常識だとも。なぜならば、これらは、さまざまな相談に対応してこられたボスがつくづく実感した、結婚のリスクだから。ついでに、老親もリスクです。

さすがに全員が前傾姿勢になって、やや興奮気味にあれやこれや叫んでいました。私も、へぇ~と思いました。こういうこと、考えたこともありませんでしたからね。

とくに相手の親の介護問題は要注意。妻が仕事をやめて専業主婦になっていた場合、多かれ少なかれ、夫の親の支援に駆り出されることは避けられないという話でした。必要以上に携わりたくないのであれば、結婚する前に、相手の意向を確認しておく必要があるとのことでした。それだけ、義理の親の介護問題で相談に来られる女性が多いのだそうです。

さらに、「もちろん、自分の親も同様。問題行動を伴う認知症はもちろん、ひとりでの生活がままならないレベルの要介護状態になった場合には、迷わず施設に入所させるように。親というのは、自分の老い先のことでわが子の仕事や家庭に支障が出るようなことになったら死んでも死にきれない。親のことで子の人生が損なわれたりすれば、自分を嘆き呪って命を絶つことまで考える。それが親ってぇものなんだからね。このことだけは絶対に忘れないでほしいよね」と、それはそれは熱く言い添えたのでした…。

また、離婚のトリガーになるのが、子どもがうまれてから成人するまでの子育てや教育についての価値観の相違だそうです。「そもそも、子どもというのは計画的につくるもの。理由は簡単で、子育てにはおカネがかかるから」というくだりは、思わず納得でした。

そして、『できちゃった婚』の場合よりも『計画出産』でうまれた子どもの方が偏差値が高いとか、『なっちゃった介護』よりも、あらかじめ要介護になった場合のそなえをしておいた方がインパクトに雲泥の差が出るとかいったデータも示してくれました。

3時間ほどの研修でしたが、終わった後、4人で実に活発な議論(おしゃべり?)が展開されました。私の感想としては(ちょっとふつうではないのですが)、『父親っていうのは、こういうことを教えてくれるものなんだなぁ~』でした。これを聞いた3人は大笑いです。というのも、「父親と真面目な話をすることなどまずない」からだそうです。

彼女たちにしてみたら、私の発言はズレていたのでしょう。でも、あれは本当に、研修終了後の私の正直な第一声だったのです。

この研修を機に、3人の先輩たちとはとても仲良しになり、一緒にお茶するのはもちろん、オフの日に買い物に行ったりもしました。私にはほぼ友達がいなかったので、とても楽しい思い出がたくさんできました。ここで働かせていただくようになって得た宝物です。

過去形で表現したのは、コロナショックの期間中に、3人とも退社されたからです。コロナが落ち着いてからは男性がふたり入ってこられましたが、なんと両方とも東大です! ただ、原則在宅ワークなので、顔を合わせるのは月に一度あるかないかですが。


いずれにせよ、あの研修以降の私は、SMARTに目標を立てて、寝る前と起床時にはアファメーションwith腹式呼吸(過去記事で書いています)をして、過去の私ではあり得なかったような本当に充実した毎日を送っています。つぎは一体どんなことを教えていただけるのか、ウキウキワクワクしている私です。

読者のみなさんは、どんな夢や希望、理想や目標がおありですか? そうしたものを実現するために、日々あれやこれや試行錯誤する過程の中に幸せがあるみたいですよ。たった一度の人生、たった一度の今日という日です。どうせなら前向きに楽しくエンジョイしていきたいものですよね!

今回も読んでくださってありがとうございました。
それでは、また次回。ごきげんよう。

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