【デキる上司の十訓十戒015】自慢しない ~賢者は愚者にも学ぶ~

聞き手を萎えさせる話で、「説教話」と並んで必ず出てくるのが「自慢話」です。自慢話というのは、ヤルほうは本当に気持ちのいいものです。一方で、それを聞かされる側の苦痛たるや相当なものがあるということを肝に銘じておきたいものです。

部下が相談に来た時に、いつの間にか自慢話になってしまう上司は多いものです。相談に対する答えを示すつもりが、ついつい「私なんかが若い時分はね・・・」とやってしまう。部下をして、「もう二度と相談になんか来るものか」と烙印を押される瞬間です。

ノブレス・オブリージュという言葉があります。上に立つ者ほど、驕り高ぶることなく謙虚に他者に接するべきだという考え方です。医者や弁護士や政治家や役人……。強大な権限や影響力を持つ者こそ、一般大衆の目線でモノを見たり考えたりするよう配慮する義務がある。会社組織で言えば、人事権や人事評価を握っている上司こそ謙虚でありたいと、自戒の念をこめて記しておきます。部下の説教は、時間内にふたりきりで、クールに一話一結一分以内でするように工夫することをお勧めします。

なお、同じような過ちを繰り返す部下に対しては、ちょっとアプローチを変える必要があります。やはり、時間内にふたりきりで、クールにこう告げます。「キミは、やる気、あるのかい?」。ここまできたら、もう、事細かな事実確認なんぞ不要です。根本的なところにフォーカスします。こう切り込むと、多くの部下はこんな反応をします。「えっ? いやぁ、一応、そのつもりですけどぉ・・・」。イライラが募る気持ちを堪えてこう返します。「口先だけじゃあ、誰も信用しなくなるぞ」と。これ、私が使ってきた最後通牒です。8割のケースは好転します。が、残りの2割は打ってもまるで響かない。そういう人たちには辞めてもらいます。実際の手続き等は、社会保険労務士に任せます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?