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認知症の問題行動について思うこと

徘徊、暴言暴力、もの盗られ妄想、異食、弄便等の不潔行為、セクハラ・・・等々。認知症の周辺行動(俗に、問題行動)について、思うところを書いてみます。所謂まだら呆け状態のご本人にカウンセリングをやってみると、その人が取っている普通ではない行動の根っこには、過去のネガティブな記憶が関わっているように思えてならないのです。

例えば暴力行為を働く人の場合、戦争とか激しい喧嘩とか、ご両親に手をあげられていたとか。そういった封印してしまいたいような、あるいは、封印していたトピックがあることがわかってくるんですよね。

もの盗られ妄想で、「おカネを盗まれた」と訴える人は、過去におカネにまつわる何かしらネガティブな経験(金銭トラブル)を抱えているように思えてなりません。

不潔行為をする人は、幼少の頃にお粗相をして親から激しく叱られた経験があったり、食べ方に異変が出る人だと、かつて食べることに苦労をしていたとか。徘徊ですと、門限が厳しいとか、あちこち自由に遊びに行くことを許してもらえなかったとか。

まあ、友人の医者たちに言わせると「科学的根拠がない」と相手にしてくれないのですが、私の立場だと、ある意味、根拠とか原因とかはどうでもいいんですよね。目の前でいま起こっている問題行動がなくなればいい。緩和されればいい。それによって、困り果てているご家族に日常が戻ってくればいいんです。そのためにも、科学的根拠があろうとなかろうと、考えつくことは、とにかく試してみる。そういうスタンスでお手伝いをしているんです。

その意味では、西洋医学に対する東洋医学みたいなスタンスなのでしょうね。大体、この世のなかには、科学では検証できずにいることがまだまだいっぱいありますから。なぜ十月十日で赤ちゃんがお母さんのお腹から出てくるのか、いまだに解明できないんですからね。

認知症だってまだまだ人智の及ばない領域の話です。なので、やはり、論理的アプローチと情緒的アプローチの両方が要ると思っています。その後者のほうをお手伝いできればいいと考えているわけです。

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