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2024 JFL第2節 ティアモ枚方戦 レビュー

第1節は手痛い敗戦となった栃木シティ。
今節はホームCFSにティアモ枚方を迎えた。
枚方とは2020年の地域CL決勝ラウンドで対戦しスコアレスドロー。最終的に勝ち点は同じであったが、得失点差で枚方は昇格、栃木シティは関東リーグ残留と明暗を分けた。
あれから4年。スコアレスドローで終わるつもりはない。
3月16日に行われた第2節ティアモ枚方戦を振り返ってみたい。
※選手名敬称略

1.ラインナップ

栃木シティは前節からスタメンを5名変更。西山、奥井が加入後初出場。前節インパクトメンバーだった岡庭藤原鈴木国友がスタメン出場。鈴木国友は前節LWGだったが今節はCFとしてプレー。インパクトメンバーには前節スタメンだった佐藤丹羽や新たに宇都木パウロが入った。
枚方は前節からスタメンを1名変更。山口から後藤にOHを変更。リザーブは山田力也に代えてフェリペが入った。昨シーズンまでJ2で活躍した内田河合がスタメン入りし、2022年JFLで14ゴールを挙げた森本が出番を伺う。

2-1.前半

栃木シティボールでキックオフ。
栃木シティは鈴木国友がターゲットマンとして流動しながら前進し、
3分、左のコーナーキック。キッカー岡庭のボールに西山が合わせるがセーブされる。
枚方はバジルが中央に留まり起点を作る。後藤内田が絡みつつ、宮崎が中央に絞りながらポジションを上げ中央突破を狙う。
5分、吉田篤志が自陣ペナルティエリア前でカット。そのまま中央で持ち上がり斜め右前方を走る鈴木国友へパス。そのままシュートへ持ち込むが相手選手に弾かれ、こぼれを詰めていた藤原が狙うが枠外。
6分、ミドルサード右サイドで鈴木裕斗がカット。右サイドを前方を走る藤原にスルーパス。藤原はアタッキングサードに持ち込みクロスを入れ逆サイドの吉田篤志がヘッドで合わせるが相手選手に当たる。
12分。原田から西山、左サイド大外にいた吉田篤志と繋ぎ、ハーフレーンの関野にボールが渡る。関野の前方へのスルーパスを吉田篤志が受け取り、バイタル中央の表原へマイナスのパス。表原は右サイドの藤原へ。藤原のクロスに吉田篤志が合わせるがセーブされる。
栃木シティは吉田篤志藤原の両WGでサイドから押し込んでいく。アタッキングサードで左右に相手を振り回しながらフィニッシュに持ち込む。攻撃を相手に弾かれても、西山増田奥井が高い位置で回収しやり直しができた。
枚方の中央突破に対しても、ミドルサードでボールを奪取しショートカウンターに持ち込み、ディフェンシブサードまで持ち込まれてもフリーにさせず対応した。
32分。枚方に決定機。枚方側右サイドのパス交換から津村が抜け出しそのままゴール前に持ち込む。西山岡庭を切り返しでかわしシュートを放つが枠外。
34分。相手のロングパスを西山がミドルサードで回収。奥井関野と繋ぎ吉田篤志がクロス。それが流れ藤原がシュートを放つが枠外。
39分。枚方の攻撃。宮澤のパスを芝本が自陣ペナルティエリア前で受け、ミドルサード中央の後藤に付ける。後藤はドリブルで運び、中央に絞った河合にパス。そのままあわやシュートまで持ち込まれるが増田鈴木裕斗が対応に入ったためか、コントロールを失いボールはゴールラインを割る。
41分に再び枚方。枚方側左サイドからのスローイン。芝本内田と繋ぎチップキックで浮いたボールを河合がポスト。受けた石井がハーフレーンをドリブルで進み、再び河合へ。河合はそのままBOX内へ侵入。中の味方とワンツーを入れながらシュートを放つが原田がセーブ。
前半終盤は芝本が最終ラインにサリーダすることで栃木シティの前線は数的不利となった。それでも奪おうと中盤の選手が前に出ることでスペースが生じ、そこを後藤バジルに使われることがあった。
46分。栃木シティはハーフコート気味に攻めるが、攻撃が切れたところを攫われカウンターを受ける。ミドルサードで楔のパスをバジルが受け、後藤に落とす。後藤はハーフレーンからボールを運び、栃木シティ選手の間を突いたバジルにパス。バジル増田を切り返しで剥がしシュートを放つが原田がはじき出す。
その後のコーナーキックを凌ぎ前半終了。

2-2.後半

栃木シティは前半に負傷したと思われる表原に代えて大嶌を投入。
後半1分。ミドルサードでの奪い合いから藤原が持ち出しアタッキングサードまで運ぶ。グラウンダーのクロスを吉田篤志がフリーで受けシュートを放つが枠外。
4分。失点のシーン。枚方は栃木シティのオフサイドからリスタート。石井のパスはミドルサードの後藤に通り、後藤はそのままハーフレーンを侵攻。枚方側左大外からBOX中に侵入した河合にパスが入り、栃木シティの選手を抜き去りゴール。
滋賀戦に続きビハインドを背負い、やや雰囲気が重くなりかけるが杞憂だった。
7分。左サイドからのスローインを奥井が受けフィード。大嶌が中央で受け左にはたく。それを吉田篤志が受けクロス。藤原に入るが相手選手にクリアされる。そのクリアは短く、鈴木国友が相手を背で制しながらバイタルで回収。岡庭にパス。岡庭はパスを受ける前にちらりと左を確認。右へ持ち出しながら逆サイドの吉田篤志へクロス。フリーの吉田篤志がダイビングヘッドでこれに合わせ、ボールはゴールの左下へ。早々に試合を振り出しに戻す事に成功する。
岡庭がパスを受け右寄りに持ち出したことで枚方の守備はボールサイドにスライド。その結果、逆サイドの吉田篤志をフリーにしてしまったと思われる。
鈴木国友のボールハント、岡庭の戦術眼、吉田篤志のゴールへの執念が同点弾に繋がった。
8分。枚方側右サイドからスローイン。バジル津村後藤が右サイドで繋ぎバジルが抜け出してグラウンダークロス。河合が囮で相手を引き付けバイタルでフリーとなった内田に入るが蹴り出しが大きくなったところに原田が飛び出しキャッチする。
10分にも枚方側右サイドから持ち運ばれマイナスのクロスからミドルを撃たれるがこれも原田がセーブ。
後半になってから枚方はバジルがサイドに流れサイドで連携しながら前進。相手をボールサイドに引き付けながら手薄なエリアにラストパスを供給しフィニッシュへ持ち込むシーンが増えた。
15分。枚方の選手交代。
津村に代え山口バジルに代え森本を投入。
21分。枚方のパスをカットするが内田に奪い返され、森本がそのままドリブルで持ち込む。ゴール至近距離からシュートを撃たれるが原田増田が対応に入り辛くもブロック。
23分に栃木シティは藤原に代えて丹羽
25分に枚方は後藤に代えて小柳内田に代えて小谷
27分。ファウルで与えたフリーキックからシュートに持ち込まれるが原田がキャッチ。素早く前線にフィード。前線には丹羽鈴木国友吉田篤志が走っており、ボールはそのままバイタルエリア付近までバウンド。大きくバウンドしたボールを処理しようと相手GKが出るが味方と交錯したのかクリア不十分となりボールは詰めていた丹羽にこぼれる。丹羽は反転しながら右足を振りぬく。ボールは無人のゴール左下へ吸い込まれこれが逆転ゴールとなる。
敵陣内フリーキックで前がかりになっていた相手に対して原田がボール回収後素早くボールを供給し、前線3人がそれに呼応しプレッシャーを加えたことで相手は落ち着かない中での対応を余儀なくされた。そうした面がミスを呼び込み決定機に繋がったと思われる。
続けざまに28分。ミドルサードで関野が奪い、吉田篤志へ。GKと1対1の場面だったが枠を捕らえられない。今矢監督も頭を抱える。
30分。岡庭がやはりミドルサードで奪取し再び吉田篤志へ。ミドルを放つが枠外。
31分。ハイプレスから吉田篤志が奪取。大嶌とのパス交換からBOX内へ侵入。相手選手と接触し倒れるがこぼれを関野が回収。深くまで持ち込みグラウンダーを入れるが合わず。
32分。栃木シティは鈴木国友に代えて山村を投入。
その直後、枚方のゴールキックから枚方側左サイドでパスを繋ぎ森本が抜け出しクロス。山口がそれを中央に折り返し、受けた選手がシュートを放つが枠外。
37分。栃木シティ最後の交代。
吉田篤志に代えてパウロ岡庭に代えて宇都木
この時間になると栃木シティは守備ではハイプレスでの奪取と阻害を狙いつつ、自陣まで侵攻された時にはWGが最終ライン付近まで落ちて対応。
攻撃も迂闊なロストを避け、攻守に必要な人数をかけながら試合をコントロールする。
50分。枚方側右サイドからのフリーキックをダイビングヘッドで枠内に飛ばされるが原田が何とかセーブしボールを掻き出す。その後のコーナーキックを凌いだところで終了の笛。
2-1で枚方に逆転勝利。

3.まとめ

第2節という早いタイミング、かつホームで待望のJFL復帰後初勝利を挙げた。
オーバーロードとアイソレーションを巧みに使いながら敵陣に侵攻し、流れを切られても高い位置で回収しリスタートから波状攻撃を仕掛けられた。新加入後初出場となった奥井は高精度のサイドチェンジを披露。吉田篤志関野らと連動しながら左サイドで躍動した。西山は安定した守備対応を見せ、攻撃回数増に一役買った。
ミドルサードでの奪い合いが多かったが、関野岡庭を中心に多くの競り合いを制したことが試合を優位に運ぶ要因となった。
もう少し決め切れればもっと楽にはなったと思うがゴールは水物の難しさもある。
枚方に前半の中央突破志向から後半サイド突破志向に変更された際には、やや対応に苦慮した印象。バジルのポストとギャップにポジションを取る後藤、推進力と強さのある森本は脅威だった。

苦戦した部分がありながらも、栃木シティらしいインテンシティと攻撃性を表現しJFLで勝利を掴めたのはチームやサポーターにとっても自信となったはず。
次節は3月24日ミネベアミツミ戦。
アウェイでの試合となるが連勝し、CFSに帰還したい。

ここまでお読みいただきありがとうございました。


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