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菊花賞・出走有力馬分析

・ソールオリエンス
 セントライト記念2着、前哨戦にしては十分の内容、課題であった手前の切り替えも改善はされていた、血統面では彼の兄に2020年の富士ステークスを制し、2021年、2022年のドバイターフで好走したヴァンドギャルドがおり、その他兄弟も好走戦績はマイル以下でのもの、長距離向きではないのは明白も、スラリ脚長で体型的にはこなせる額面、ダービーで詰めを欠いた内容からも脚を溜めてこそのタイプ、勝負どころの坂の下りでの脚の使い方がカギか、リニューアル後の京都はこの坂の下りの脚の使い方を誤り、末脚が止まるケースが多く、前よりもトリッキーになった印象、コース攻略もカギ、ということも念頭に必要

・タスティエーラ
 異例のダービーからの直行ローテ、今では直行は珍しくもなくなったが、このローテーションで勝った馬いない、母パルティトゥーラは現役時代マイルで3勝、母系を遡ると活躍馬にはカンパニー、トーセンジョーダン、トーセンホマレボシの名があり、古くはビッグショウリ(1995年マイラーズC勝ち馬)と「ノーザンテースト」が看板種牡馬だった時代の社台ファームを象徴する礎の血脈、今回は上記した異例のローテ、そして初コンビのジョアン・モレイラ騎手はリニューアル後初の京都の騎乗、そして脚質的にもマークされる立ち位置、乗り越える壁は多いが、越えれば更なる展望が拓ける

・サトノグランツ
 神戸新聞杯では残り100㍍からの末脚は印象的、そして京都コースで重賞(京都新聞杯)を勝っているのもアドバンテージ、母チェリーコレクトは2012年のイタリアオークス(芝2200㍍)の勝ち馬で、一族には2018年のヨークシャーオークス、愛オークスを制し、当年の凱旋門賞でエネイブルの2着だったシーオブクラスがいる、そして父は2016年の菊花賞馬サトノダイヤモンドで産駒は本馬を含め長めの距離で頭角を顕している、鞍上も秋のGⅠ連勝中の川田将雅騎手、条件・勢いは◎、欠点も少ないのでは、という印象を抱く

・ドゥレッツァ
 目下4連勝中、初勝利時には上記のサトノグランツを負かし、ここ2戦の末の破壊力は目を見張る、母モアザンセイクリッドは2013年のニュージーランドオークス(芝2400㍍)を制し、母父のモアザンレディ、母母父のデインヒルは日本でも馴染みと適性実績を残しており、好バランスのスピードとスタミナが垣間見える配合、初の重賞がGⅠ、初の関西遠征と未知の面も大きいが、鞍上に現在リーディング首位のC・ルメール騎手を拝し、一気の下剋上を期す、早逝が今も大変惜しまれている父ドゥラメンテの新たな後継に名乗り出た、そんなレース後記も目に浮かぶ

・ファントムシーフ
 皐月賞3着(1番人気)、ダービー8着(3番人気)と不完全に終わった春のクラシック、前走の神戸新聞杯は3着と格好はつけたが、気になったのは鞍上は抑えようとしたが制止できず、馬なりのままスッと先手を奪うスピード能力の高さを逆に見せてしまったこと、姉のルピナスリードは芝の1400㍍以下で4勝を上げているように、本質はスピード寄りか、血統は母の母プロミッシングリードは2008年のプリティーポリーS(芝10ハロン)を制し、一族には2001年欧州の最優秀3歳牝馬に輝いたバンクスヒル、先日の凱旋門賞で3着に入ったオネストがいるなど大変魅力的ではあるが、春よりも寸が詰まったように見える体型からも距離延長は歓迎ではない、鞍上の盾男、菊花賞5勝の武豊騎手がどう導くかが見ものの焦点

・ハーツコンチェルト
 1勝馬とはいえ、ダービーはタイム差なしの3着、前走の神戸新聞杯は5着とはいえ勝ち馬とはコンマ1秒差、悲観する内容ではなかったが、向こう正面まで折り合いを欠くしぐさを見せたのは気になるところ、母ナスノシベリウスはマイル前後で3勝、一つ上の全兄アレグロモデラートは芝2000㍍で3勝を挙げているが、その他は母同様マイル前後で活躍している、力は認めるも好走は折り合い次第という印象がある

・ノッキングポイント
 新潟記念を勝利しての臨戦は2018年のブラストワンピース(1番人気4着)以来になる、ダービーでは人気薄ながらコンマ2秒差の5着、古豪古馬を負かしての参戦で勢いは随一、母チェッキーノは2016年のオークスで2着、一族は名牝シンコウラブリイ(1993年マイルCSなど重賞6勝)の血脈だけありマイル前後で活躍した馬が多いが、胴長体型でもあり距離の不安は少ないか、母が成しえなかった大望、本馬が果たすのだろうか

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