見出し画像

一族にひとりは欲しい、認知症ケア専門士

【果てしない英単語の暗記、暗記、暗記】

試験直前になり、ようやく認知症ケアの全体像が見えてきました。全体像が見えると勉強が楽しくなってきますね。

これまでの旅路は、ひたすら英単語の暗記でした。3カ月かけてテキストを読み終え、その中に出てくる意味の分からない英単語を片っ端から暗記しました。

それにしても、どうして英単語はこんなにたくさんあって、紛らわしいのですかねぇ。(外国人が漢字にうんざりする気持ちがよくわかります)

例えば、認知症の中核症状である、「失語」「失認」「失行」の英単語は下記になります。



「失語」Aphasia

「失認」Agnosia

「失行」Apraxia



紛らわしい!!漢字なら、文字から意味が推測できますが、アルファベットだと、文字を見ただけで意味が推測できません。

ひたすら紙に書いて覚えていましたが、途中で諦めました。単語量が多すぎます。医療英単語や薬品名まで覚えようとすると、頭がパンクしますね。

そこで、アルファベットを正しく書けなくても良いので、意味だけ分かるようにと、発想を変えて、耳から覚えるようにしました。

特定技能介護試験対策でも活用している、学習アプリ「モノグサ」は優れもので、英単語を入力するだけで、発音までしてくれます。

分からない英単語をすべてモノグサに入力し、目と耳から覚えていきました。このやり方は結構有効で、日本語学習にも応用できないかなと考えています。

フィリピン人は歌が上手なので、おそらく耳が良いのでしょう(勝手な解釈)。彼らが漢字を覚える時に、目と耳から覚えられるような方法があれば、学習がしやすいのかな、などと考えています。

それはそうと、語彙力が増えると、読むのは本当に楽になりますね。今後は、認知症に関する海外の文献を読むことも増えてくると思いますので、先を見越した時間とエネルギーの投資をしているところです。

【多職種連携の中での介護職】

私はさまざまな介護現場で働いてきました。認知症の高齢者にも、日本、アメリカ、フィリピンと数多く接してきました。

なので、認知症ケアには詳しいと思っていましたが、今回勉強をしてみて、現場で培った経験則が体形的に整理できるようになり、理解が深まりました。

また、特定技能介護試験対策を指導するにあたり、徹底的に日本の介護の〝基礎〟を勉強しました。そして、今回の認知症ケアの学習で、日本の介護の基礎となる〝骨格〟に、知識が〝肉付け〟されたような感じです。

テキストには事例もたくさん載っていましたので、自らの現場経験と照らし合わせながら咀嚼ができて、本当に勉強になりました。

現在の介護現場は分かりませんが、私が日本で働いていた時は、認知症の薬について、また、ADL(日常生活動作)や認知機能のアセスメントの仕方については、現場で学んできませんでした。専門職から言われたことを、その通りに実行していました。

もちろん、専門職それぞれに役割があります。薬であれば医療職、ADLの測定であればリハビリ職と、その道のプロフェッショナルが担当します。

しかし、認知症の人を中心に、多職種連携によるケアが時代の流れだとすると、全ての専門職に深くかかわる介護職は、他の専門職の知識も持ち合わせていく必要があるでしょうね。

知識が有れば、専門的な判断はできなくても、その判断について〝おや、何かおかしいぞ〟という違和感を持つことは出来ると思います。

身近な例でいえば、私がマッサージを受ける時、セラピストの最初の揉捏(マッサージで行われる手技のひとつ)で、そのセラピストが上手いか下手かが大体分かります。

ボクシングも、シャドーを少し見れば、そのボクサーが強いかどうかは大体分かります。

このように、指圧もボクシングも、今はプロフェッショナルではないですが、その分野のことをある程度知っていれば、相手の力量を見極めることができます。

同じように、生活全般を支える介護職は、その人の生活に関わる全ての職種のことを、ある程度知っておくことで、ケアの質が高まりますね。認知症ケアの勉強は、そのためのツールとしても良いなと思いました。

【一族に1人は欲しい、認知症ケアの専門家】

日本では、2025年までに約700万人の高齢者が認知症になると予測されています。全然関係ありませんが、モンゴルの人口が約340万人ですので、モンゴルが2か国あったとして、その全ての国民が認知症というと、すごい数に感じますね!

日本に話を戻すと、2025年までに高齢者(65歳以上)の5人に1人が認知症になるようです。なかなかすごい世の中がやってきます。

認知症の特徴は、まず中核症状である認知機能の低下は不可逆的で治らないということです。しかし、認知機能の低下によって引き起こされるさまざまな症状、例えば、徘徊や妄想など介護者を悩ます行動は、ケアの仕方や環境次第で、改善することができます。

逆に言うと、ケアの仕方や環境次第では、急激に悪化もするということです。

したがって、お医者さんから処方される薬やケアマネが作るケアプラン、住環境などなど、様々な視点から認知症の人にあったケアができているかどうかを見極められる人がいるのと、いないのとでは、ケアの質に雲泥の差が出てくると思います。

繰り返しになりますが、高齢者の5人に1人が認知症になるようです。

私のように40代の既婚者であれば、自分の両親と配偶者の両親、それに親戚にいる65歳以上の人を加えたら、そのうちの1人が認知症になるという計算です。一族に1人は認知症ケアの専門家が欲しいですよね(^^;)

認知症ケアを身に付けた介護士が、一族のセーフティネットとして活躍する時代がもうすぐそこまで来ています。全然関係ありませんが、モンゴルでは一番下の子供が両親の介護をするようです。

末っ子はなるべく遅くに産み、親と子供の歳の差を離して、老々介護にはならないようにするようです。よくできた仕組みですよね。

日本に話を戻して、お正月などで一族が一同に集まる機会があれば、誰が認知症ケアの専門家になるか、を話し合うのも良いかもしれませんね👍

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?