マガジンのカバー画像

日本科学振興協会WGマガジン

20
日本科学振興協会の研究環境改善WGや他のWGのnote記事を集めています。
運営しているクリエイター

2024年2月の記事一覧

インパクトファクター至上主義からの脱却を目指そう

藤田医科大学・宮川剛 (JAAS副代表理事) 私は、個人としてDORAに署名し、また日本神経科学学会の将来計画委員会・委員長として学会のDORA署名にもたずさわりました。私が所属している団体としては、他にも日本分子生物学会、日本生物科学連合が署名をしており、日本科学振興協会(JAAS)による署名は私が関係するものとしては少なくとも5つめの署名ということになるかと思います。  DORAの宣言の中で指摘されているようにジャーナル・インパクトファクター(JIF)偏重が数多の深刻

DORA私的雑感

山形方人(JAAS理事) このほど、JAASでは、その研究環境改善ワーキンググループの有志の間で議論し、科学振興の立場から、学術の健全で多様な発展を支持し、多様な観点で研究内容の評価を行うことを、社会全体で共有すべき価値観と考え、DORAの署名を通じて表明することとなりました。DORAは、American Association for the Advancement of Science(AAAS、Science誌を発行)などのJAASが参考にしている欧米の機関も署名して

DORAに準拠した新しい履歴書(narrative CV)

JAAS理事、並木重宏 DORAに準拠した新しい履歴書(narrative CV)についても、多様な研究者を確保するためのしくみとして、この機会に紹介させてください。 DORAのサイトには多く取り上げられていますが、和文ではほとんど言及されていないようです。文章が雑になり恐縮ですが、以下Narrative CVについての情報です。イギリスのRoyal SocietyがDORAと共同で作ったテンプレートが広く使われるようですが、ヨーロッパ各国のFunding agencyで

JAAS(日本科学振興協会)のDORA署名について

DORA、すなわち研究評価に関するサンフランシスコ宣言(San Francisco Declaration on Research Assessment)は、2012年、米国細胞生物学会(ASCB)において起草された研究評価のあり方に関する勧告です。研究計量に関するライデン声明とともに、世界的なイニシアティブになっています。 DORAでは、論文の質を測るメトリクスとして、ジャーナルインパクトファクターが誤用されている科学界の現状を指摘し、採用・昇進・助成等個別の研究者や研究