第四期雀魂Fリーグ結果速報・セミファイナル第10節

こんにちは。雀魂Fリーグ広報です。
ついに1/16(日)より対局がスタートした第四期雀魂Fリーグ。
第四期雀魂Fリーグは雀魂の強豪・プロ雀士・Vtuberで構成された12チームが頂点を争うレギュラーシーズン全30節60試合、セミファイナル全10節20試合のチーム戦です。

本日は6/26(日)に行われたセミファイナル第10節の結果を対局後の選手のコメントを添えてお伝えいたします。

最終節の対戦組み合わせと出場選手はこちら。

※諸事情により実際にはアサダスズメ選手ととっつあん選手が入れ替わり対局しています。

第1試合A卓

起家は現在+74.8Pで5位、旧Fリーグ連合の黒ヤギ選手。チームは前節の連ラスで背水の陣に、この試合はせめて2着はほしい。南家は+383.3Pで首位、Black Cat Codeのあかさた選手。ファイナルに向けてさらにリードを広げるのか?あかさた選手の一打が他チームのセミファイナル進出に影響することは間違いないでしょう。西家は+35.9Pで6位、優曇華の花のRioss選手は8節9節に続いての3節連続での登板。個人もチームもここ2節は2着が2回ずつと繋いできたこの最終節で花開くことができるのか?北家は+118.8Pで3位Team鬼畜流のブイヤマ選手。歴代リーグ最多得点記録を持つ横綱が今日も土俵に上がります。この立ち合いにトップを取ることは容易ではありません。
同卓ではありませんが+83.2Pで4位のGOLDEN BODENS、3チームはこのポイントを基準に試合を進めていくことになりそうです。

東1局、親の黒ヤギ選手が5巡目テンパイから打赤5mでカン4p待ちで先制の即リーチ。いくつか選択肢があっただけにこの選択がどうなるのか?このリーチを受けた各選手の河はほぼオリ気味の様相。しかし、リーチ時点で3シャンテンだったブイヤマ選手は次々と有効牌の引き寄せて8巡目に6-9p待ちのリーチの声がかかります。次巡、親のリーチに安全そうな牌を消費しきっていたあかさた選手が選んだのは前巡にブイヤマ選手がツモ切った3枚目の8pの外側の9p。これがブイヤマ選手に一発で当たりメンピン一発ドラで8000の浴びせ倒しになります。

東2局は4巡目、黒ヤギ選手が7899pの形からRioss選手のツモ切ったドラの9pを鳴きます。勿論鳴くのですが、この形からの鳴きは将来的に残りやすく、さらにドラ色だとかなり和了りづらいところですがどうなるか。黒ヤギ選手は8巡目の2pのポンで残った6-9p待ちでテンパイ。これが伸びに伸びて18巡目でラス牌を6pを引いてホンイツ・ドラ3の2000-4000でなんとか和了りきりました。

東4局、今試合をマイナス、さらに旧Fリーグ連合にポイントをプラスにされると厳しい優曇華の花のRioss選手は5巡目、ノミ手ですが4-7m待ちの先制のリーチを打つことができました。リーチを受けた時点であかさた選手は七対子のイーシャンテンで四暗刻のリャンシャンテン、タダでは降りたくありません。ブイヤマ選手もイーシャンテン、リーチの次巡でドラが対子になり好戦的になりますが、ポイントや場況も相まってこのドラ対子を落とすことになります。しかし12巡目、ブイヤマ選手は4sのツモでテンパイするとこの3-6m待ちはリーチを選択。早めのリーチに赤を含めたドラが場に4枚見えて、打点や待ちの良さが不明瞭だったというのも一因かもしれません。さらにブイヤマ選手はこの待ちを一発でツモ和了り。メンピン一発ツモに引いてきた3mに裏ドラが乗って4000オールの和了りになりました。

東4局は11巡目、すでに2着目と2万点差以上ある親のブイヤマ選手が赤5pをツモって、5-8s待ちの先制リーチは満貫からスタート。後半の追い上げにここで助走をつけておきたいところ。同巡、Rioss選手は一発消しで流れてきた2sでテンパイ、6-9s待ちで追いかけます。しかし、次巡Rioss選手が自身の一発目に引いてきたのはブイヤマ選手のロン牌の8s。メンピン赤ドラの12000の直撃を受けて箱下になります。

南1局、なんとか加点したいあかさた選手、Rioss選手両名はあかさた選手がソーズのホンイツ、Rioss選手がタンヤオや平和、三色や一盃口もありそうな面前手を仕上げていきます。9巡目、ブイヤマ選手がツモ切った7sをポンしてあかさた選手は3s、發のシャボ待ちでテンパイ。直後、Rioss選手はラス牌の引いてきた3sはすでに手牌には余る形でツモ切りからの放銃。ホンイツ・対々和・ドラ3の跳満の12000の一撃はあまりにも不運としか言いようがありません。

南3局、前局1000-2000の初和了りを決めたRioss選手の南場の親番。4巡目からあかさた選手が發のポンで仕掛けてすでにイーシャンテン、8巡目には4pのチーからペン7p待ちでテンパイします。Rioss選手も10巡目に白をポンしてようやく3軒がイーシャンテン。Rioss選手も欲しかったドラの8mをブイヤマ選手と黒ヤギ選手が立て続けにツモってきて戸惑う中、Rioss選手は14巡目に赤5mを引いてカン6s待ちでテンパイ、さらに次巡でこの待ちを自力で引き和了り、白・三色同順・赤2の4000オールの和了りで希望を繋ぎます。

して南4局。2着目と3000点差のビハインドだったあかさた選手は自身の配牌には南の対子のドラが1枚だけ、リーチ棒が出なければほぼラス落ちもない状況からどうすれば打点を上げて着順アップもしやすくなるかを考えます。しかし、その考えは2巡目の黒ヤギ選手の打赤5sで早くも不要になりました。あかさた選手はこれをチーして赤とドラ、あとは和了り役をどうするかですが残った手牌の形からは南でもタンヤオでも十分に和了りが狙えそうでした。次巡にはカン5pもチーすることができてイーシャンテン。6巡目には安牌気味にも残していた8sが重なり片和了りの形が解消されると、次巡の2mツモで8s8p待ちのテンパイ。9巡目に8pのツモ和了りでタンヤオ・赤・ドラで1000-2000で逆転2着となりました。

Team鬼畜流のブイヤマ選手は横綱相撲で圧巻のトップでファイナル進出をほぼ確実のものとしました。Black Cat Codeのあかさた選手は一時、東4局で7000点の最下位から逆転の2着でファイナルでの下位チームとの差をさらに広げました。旧Fリーグ連合の黒ヤギ選手は惜しくも3着でチームメイトにバトンを託します。そして優曇華の花のRioss選手は不幸が重なっての箱ラス、チームのファイナル進出は次試合の大トップだけでなく他チームのポイントもかなり重要な試合となることになりました。

この対局の牌譜はこちら!

(記・あさひなひなた)

第1試合B卓

【特別寄稿】虎を信じた犬の選択 頂きにそびえ立つ黄金の大地を目指して 【最終節1戦目自戦記】

観戦記者のLSHTMです。今期は選手として第4期FリーグにGOLDEN BODENS (GB)の3位指名として参加させていただき、数多の強豪と卓上でぶつかり合いました。またシーズン途中から観戦記者としても活動させていただき、できるだけ麻雀マニアも喜ぶような考察や面白い書き方をするよう努めました。今回は機会をいただき自戦記という形で試合の振り返り記事を執筆いたしました。どうかLSHTM視点が多く、モノローグ調になってしまうこと、ご容赦ください。

初めに

Fリーグを通じて最も印象的だった言葉をご紹介します。

人との出会いが自分の麻雀を伸ばしてくれる

引用元:ねじまき鳥@選手Twitterより。https://twitter.com/nejimaki2525/status/1541259839380533248

ハッとしました。
私の麻雀もチームメイトの影響か副露の引き出しを増やし、見え方や圧力の掛け方、悪戯に守備駒を抱えず手を広げてもっと上がりをみる意識、良い手ではあと一歩踏み込んでみるなど、影響を受けた面が多々ありました。間違いなく麻雀自体にはプラスですし、そこから大局観、果ては人格や人生までも良い影響を受けたと実感しております。

自分とチームの語りが長くなってしまいました。そろそろ対局を見ていきましょうかね。

対局準備

インプットとして、
・チームは現状4位でボーダー入りを狙いたい。5位や6位とは僅差。
・3位鬼畜流とは第2試合で直対があるが、5位旧Fリーグ連合及び6位優曇華の花とは直対がない

以上のことから、かなり別卓の条件に振り回される可能性が高いため、チームの頼れる青きブレイン・穹憧るか選手からレクチャーを受け、できればトップ、最低でも連対の気持ちで臨みました。

起家から藁科マーライオンズ・とっつあん選手、ANC PURPLE BATS(APB)・矢絣京選手、ONE CHANCE・ねじまき鳥@選手、そしてGB・LSHTMの座順でスタートしました。

東1局1本場

親のとっつあん選手の電光石火2巡目リーチからの2600オールの先制で迎えた今局、親のとっつあん選手の圧力ある3副露に何も切れずベタオリ。ただし同じベタオリでも、単純放銃率でケアするよりもチャンタやトイトイなど高打点放銃をよりケアした方が良かったかもしれません。道中手詰まった場面(図)で3pを打てば安牌水増しできる上に降ってもドラ対子の7700が限度で、12000はなかなか出てこないので、こちらを打つべきだったと反省しております。実際はマンズの切り順から1mを打ちましたが、3巡目に引いてトイトイ固定した線を否定できないので、高打点に稀に放銃するルートを選んでしまいました。

東3局

ねじまき鳥@選手の1人聴牌、とっつあん選手の1000点の和了で局が進み迎えたこの局、配牌ドラ3で絶対にアガりたい、タンヤオか役牌進行を取ろうと思ってました...5巡目までは。
とっつあん選手とねじまき鳥@選手の捨て牌が明らかにホンイツに寄せており、自分ドラ3なので親のねじまき鳥@選手はトイトイがなければ大体安いことは理解しておりました。とりあえずまだ和了には向かいますがツモも噛み合わず、ねじまき鳥@選手の9mポンが入った時点で自分の和了を諦め、ソーズを中抜きして下家とっつあん選手にアシストに行きました。
かなり消極的ですが自分の聴牌も厳しく、2着以上狙いだとねじまき鳥@選手はもちろん矢絣選手の和了も嫌。であれば、とっつあん選手にアシストしてねじまき鳥@選手の親被りや矢絣選手も巻き込んで降ろし、2着争いから脱落しない生存戦略を取り、この局面から1s6s3sと抜いてアシストに行きました。
降りるだけならピンズやマンズ(親はノーテンだと思ってましたが万が一が嫌)を切ればいいんですけど、最後まで安全が確保できなさそうだと思ったのも理由です。是非はわかりませんし見る人がみれば多分ダメなんですけど、どうかお戯れと思って許してください。

この局はアシストもあり(?)とっつあん選手の満貫ツモで局が進みます。

東4局

落としたくない親番。手がするする進んで図の盤面。黒であるもしくは5sがドラであれば5m切りそうですが、満貫効率とイーシャンテンを見て打7p。結果待ち選択の2択に正解しラス牌カン2sを一発ツモ。雄叫びを上げました。

東4局1本場

追いつけ追い越せのテンションでしたが下家とっつあん選手の仕掛けを受けました。河は濃いですが7s早くその周辺の愚形はなさそう、かつポン出し2sにつき36sは通りそう(※)と読み打6sで満貫放銃。自分の手もリーチ+1翻(タンヤオもしくはドラ)が見込めるイーシャンテンで形上プッシュしましたが、ぎりぎり行ける基準だったかなと思います。相手が親なら6sすら打たずかなりオリに回りそうです。正義の裁きを受けてしまいました。
(※安牌候補白が早く単純両面なら53mの前に2s切ってそう、14sどっちか対子のピンズか69m両面待ちが本命だと読んでいました。実際は53m切っている途中で2sを引き、安全度で比較されたようです。単純両面36sが当たるのはそのパターンしかないから許して!で打ったのですがダメでした。笑)

オーラス

南場は安手で和了ったり他家の横移動で流れたりと比較的穏やかに進み、迎えたオーラスの点数状況は以下の通り。
トップ目:とっつあん選手 47500
2着目:LSHTM (親) 27700
3着目:ねじまき鳥@選手 17300
ラス目:矢絣京選手 10500
冒頭の通り最低でも連対ということを頭に入れていたため、手によっては伏せ進行か下家のとっつあん選手の安仕掛けにアシストまで考えていました。点差=可能性を考慮して無理してトップを狙うより、3着に落ちるリスクと損害を重くみました。2着を取れば別卓の結果によらずだいぶファイナル進出の目を残せると考えたからです。

そんな中、配牌はこちら。

第1打は字牌で迷いましたが、とっつあん選手に12000放銃だと着が変わるため、打南としてダブ南重なりの可能性が低いうちに打った守備的な選択を取りました。しかしこれがとっつあんさんにポンと言われます。北を打っていれば発が暗刻になっていただけに、2択を間違えたかもしれません。発暗刻になっていればリーチに守備に自在なのでだいぶ痛かったですね。

局が進んで9巡目、この発を仕掛けるかどうか。

① 鳴いて2900を和了った場合、着UPは変わらず6000オール条件、着DOWNはねじまき鳥@選手のハネマンツモ・マンガン直撃条件、矢絣選手のハネマン直撃条件。
② 守備力は9mが大体通りそうだが、ねじまき鳥@選手の現物は1枚しかない。
③ 一応山越しなど着ダウン条件はある。
以上からスルーを選択しました。ほぼ降りるが手が進めば前に出るつもりでした。
ただし今思えば②は言い換えれば各方向に現物1枚はあるので、ここは仕掛けて打3mとし、上を見ても良かった気がします。

以上から、次巡全方向へのケアをして8sでオリ。ここで完全撤退を決め込みます。ですが一旦打白として保留して良かったです。矢絣さんにはダマハネはまあまあ出てこないので、8sよりも両方に危ない白を切るべきでした。

あとは、とっつあん選手の2副露目を信用し、山越しなども全てケアしておりきり。リーチが来たらお祈り拝み打ちをしていました。とても褒められた立ち回りではないかもしれませんが、ある意味で自分らしかったかもしれません。
この局はねじまき鳥@選手が海底で7sを掴み、とっつあん選手にハネマン放銃。3着と4着が入れ替わる形で終了となりました。

トップを獲得したのはとっつあん選手。仕掛けにリーチに大立ち回りを見せ、ファイナルに繋がる内容となりました。2着はLSHTM。消極的な選択が目立ちチームメイトに呆れられていましたが、チームに連対で繋ぐ意識を徹底した結果ですので許してください。3着に苦しんだのは矢絣選手。リーチ1回しか打てず、かなり降りに回されて辛い展開でした。ラスとなったのはねじまき鳥@選手。最後の海底牌で掴んだ7sが痛恨となってしまいましたが、随所に鋭い仕掛けを入れ、らしさを見せてくれました。

この対局の牌譜はこちら!

2位・LSHTM選手(GOLDEN BODENS)の試合後コメント
―試合の感想を一言お願いします。

チームが敗退したので悲しいです。掛け値なしに最高のチームでした。 私も何かできたことがありそうですが、少なくともこの試合ではできそうになかったです。実力不足ですみません。 でもね、楽しかったのよ。
―試合のポイントになった局、1打を教えてください。
・東3局
親のねじさんととっつあんさんの染め手に挟まれて自分の手が上がれそうになかったので、下家とっつあんさんにソーズを下ろしてサポートし2着優先としました。最悪2着確保してれば2戦目の虎がなんとかしてくれると思ったからです。 親被りで2着が近くなったので狙いは成功したのですが、チームメンバー誰も触れてくれなかったのが悲しかったです。
―最後に一言お願いします。
GBの応援ありがとうございました。ファン・メンバー含めいろんな方に見てもらえ、楽しい時間を過ごせました。私は幸せ者です。

4位・ねじまき鳥@選手(ONE CHANCE)の試合後コメント
―試合の感想を一言お願いします。

これが今節僕の最終戦でした! 「段位戦よりもフリー雀荘よりも、Fリーグで打ってるときが1番楽しいな」などと考えながら打っていました。 またこの舞台で打てたら良いな。
―試合のポイントになった局、1打を教えてください。
最終局ラスト2巡でのリーチでしょうか。 最後まで他チームの前に立ちはだかってやろうと、1つでも着順を上げにいきました。 結果はとっつあんへの12000点放銃でラスになりましたが、満足にFリーグを終えられました!
―最後に一言お願いします。
運営お疲れ様でした! 残り僅かですが頑張ってください。

終わりに

いかがでしたか?もしご意見やご質問、その他麻雀の話などあれば、私のツイッター: @syohaikiteiまでDMください。どなたでも歓迎します。まだまだ勉強の身です。

Fリーグ第4期ファイナルは7/3(日)から再開し、5節10戦を戦い抜きます。これまで以上に熱い闘いになること間違いなく、観戦記者としてフォローしていきます。是非良い試合を見させてください。
ファイナルに進んだチームは引き続き頑張ってください。健闘をお祈りします。敗退したチームはお疲れ様でした。全てのチームに最大の敬意と感謝を以て、この記事の締めとさせていただきます。

(記・LSHTM)

第1試合終了時のスコアはこちら。

第2試合A卓

起家は旧Fリーグ連合のしゅうしょう選手。4位GBとは27.8pt差、トップか大きめの2着が欲しいところ。同じくボーダーを争う蓬莱の玉の枝選手との叩き合いとなりそうです。
南家は優曇華の花から蓬莱の玉の枝選手。ファイナル進出には大トップに加えてしゅうしょう選手とウマオカ込みで78pt分の点差が必要不可欠。それでも別卓のGBが大きくマイナスしないといけないという厳しい状況ですが、ひたすらトップを目指すのみ。
西家はANC PURPLE BATSの柵@よーこ選手。ファイナル進出は絶望的ですが7位ONE CHANCEとは僅か2.7pt差。1つでも順位を上げるべくトップを狙います。
北家はBlack Cat Codeの葉弥選手。SFは常に大差で首位を走り続けるもここに来て2位マーライオンズが肉薄。SFを首位で突破するためにもここでの失点は避けたいところでしょう。

東1局、蓬莱選手が中スジ引っ掛けを武器にカン4s待ちで先制リーチを放ちます。親のしゅうしょう選手も完全1向聴から追い付き1-4m待ちの平和でリーチ。早速ボーダーを争う2チームが叩き合います。
ここはしゅうしょう選手が無事に4mをツモり、2600オールで一歩リードしました。

少し進んで東2局1本場、中盤過ぎにしゅうしょう選手が6sをチーして躱しにいくと、親の蓬莱選手は赤5mに7mをくっつけカン6m待ちでリーチを被せます。一方で葉弥選手も3-6p待ちでタンピン聴牌、これをダマに構えると、柵選手も追い付き4-7s待ちのリーチを放ちます。
4人のぶつかり合いを制したのは柵選手。4sをツモりあげ、2000-4000を加点し2着目につけます。

東3局、親の柵選手は自然と筒子に寄せていき、13巡目に7pをチーして8p単騎の清一を聴牌させます。直後葉弥選手が場に1枚の中単騎でチートイを聴牌。リーチをぶつけると、柵選手が一発で中をキャッチ。
葉弥選手がリーチ・一発・チートイ・裏2の12000をアガりトップ目に躍り出ました。

東4局、親の葉弥選手がメンピンイーペードラ2の満貫確定リーチを放つと、蓬莱選手も一盃口を確定させ追っかけリーチをぶつけます。この捲り合いは葉弥選手が一発で蓬莱選手のロン牌を掴み、蓬莱選手のリーチ・一発・平和・一盃口・裏の8000のアガリとなりました。

このアガリを口火に蓬莱選手が大爆発。南1局に2000-4000をアガると、迎えた南2局親番で4000オールを2度重ねる剛腕を発揮。この時点でしゅうしょう選手と77ptの差をつけるトップ目となり、ついに優曇華の花が旧Fリーグ連合の背中を捉えました。

南2局2本場、しゅうしょう選手はこの勢いを止めんと3900は4500を蓬莱選手に直撃。pt差を広げますが、続く南3局、まだまだ諦めていない蓬莱選手が2000-4000をアガり食らいつきます。
そしてなんとこのアガリで優曇華の花と旧Fリーグ連合のスコアが全くの同点に。同率5位、オーラスで100点でも差をつけた方がファイナル進出のチャンスを得られるというとんでもない対局となりました。

この時点で旧Fリーグ連合と優曇華の花が56.2ptで同率5位

運命のオーラス、先に聴牌を入れたのはしゅうしょう選手。カン4s待ちで魂のリーチをかけると、直後蓬莱選手も追い付き6-9s待ちで魂のリーチをぶつけます。
アガった方が上に、手に汗握るこの捲り合いの決着は3巡後でした。
しゅうしょう選手が見事4sを引き当て値千金の2000-4000、優曇華の花との競り合いを見事制しました。

1着は優曇華の花、蓬莱の玉の枝選手。トップとはなったもののオーラスの捲り合いで敗れチームはSFでの敗退が決定。しかし78pt差を埋めオーラスまで勝負を持ち込んだリーダーの活躍はとても感動的でした。
2着は旧Fリーグ連合しゅうしょう選手。蓬莱選手をターゲットに強くいった結果が最高の物に。これでチームは5位、残すはB卓の結果を待つこととなりました。
3着はBlack Cat Codeの葉弥選手。東場で2和了をあげるも南場で失速。ボーダーを争う2チームの気迫に押される結果となりました。
4着はANC PURPLE BATSの柵@よーこ選手。会心の満貫ツモも痛恨の一発キャッチが致命傷に。APBとしては苦い最終戦となってしまいました。

この対局の牌譜はこちら!

2着・しゅうしょう選手(旧Fリーグ連合)の試合後コメント
―試合の感想と次の試合に向けて一言お願いします。
・試合の感想 ファイナルに進出できてうれしいです! ・次の試合に向けて一言 ファイナルは10試合と少なく、上位3チームとの点差はかなりありますが、落ち着いて打てるよう頑張ります。
―試合のポイントになった局・一打を教えてください。
・試合のポイントになった局 オーラスで手なりに進めて和了ったところです。できればトップを取りたかったのですが、オーラス突入時に優曇華の花が点数を稼いでたためトップを取るのは諦めてましたが、2着でもGBの成績次第ではファイナルに残れる可能性があったため、面前を見つつ、役牌が重なったら混一も視野に入れて進行しました。ちなみに最後は蓬莱の玉の枝さんとの捲り合いで和了ったほうが上の順位になれるのですが、その時の合計スコアが同じだったのは気付かなかったです・・・

(記・西向く侍)

第2試合B卓

起家スタートはGOLDEN BODENS (GB)・とらふく選手。チームメイトが繋いだ金色のバトン、最終戦で僅差の4位と戦える位置で回ってきました。虎の守備と俊足で逃げ切りを図ります。
南家スタートは藁科マーライオンズ・アサダスズメ選手。チームのファイナル進出は安泰でレギュラーに続き最終戦を任されたアサダスズメ選手。連対を獲得して念願の個人MVPをもぎ取れるでしょうか。
西家スタートはONE CHANCE・pac選手。チームのSF通過はかなり厳しい中、育成枠のpac選手の起用は将来への期待でしょうか。トップで締めてシーズンの屈辱を晴らしたいところ。
北家スタートはTeam鬼畜流・ブイヤマ選手。初戦トップを取りSF通過へかなり安泰の位置で戦えるTeam鬼畜流、ここまでくれば少しでもポイントを積み増してファイナルでの戦いを楽にしたいです。最後のツッパリをぶちかましてきます。


pac選手が軽く和了って迎えた東2局、ブイヤマ選手ととらふく選手が仕掛けの応酬を披露。とらふく選手も7pをスルーして好形の清一色を聴牌しますが、勝ったのはブイヤマ選手。アサダスズメ選手の余り牌をとらえて局を進めます。

試合が動いたのは東4局、ブイヤマ選手以外にドラ発が1枚ずつ行き渡り手作りに苦しむ中、親のブイヤマ選手は比較的まとまった配牌から丁寧に進め12巡目に聴牌。待ち69mが既に場に5枚切られていることから黙聴に取り、pac 選手のドラポンを尻目に雀頭7pをアンコにして三暗刻にグレードアップ。9mが全て見えている絶好の8m単騎待ちに取り、次巡これをツモ和了。一歩抜け出します。

ブイヤマ選手に食い下がったのはpac選手でした。東4局1本場にとらふく選手の片和了三色の仕掛けを受けてヘッドレスの広いイーシャンテン、ツモ7sでイッツー目の残る最高の聴牌を果たし即リーチ。他家を降ろして安目ながら悠々とツモり上げ、裏を乗せて一躍トップ目に立ちます。

ここまで焦れる展開はとらふく選手。南1局親番で開けた配牌はドラなし役なし愚形まみれの三重苦、100点中10点レベルの細すぎる配牌でした。しかしここは百戦錬磨のとらふく選手、諦めずに配牌を育てていきます。中盤に差し掛かったところ7巡目で0面子、下家に混一色風味の仕掛けが入ったとあれば、もう面前は無理とカン7pから仕掛けを入れてケイテンと遠いタンヤオを睨みます。下家にピンズを下ろせないのも判断材料だったでしょうか。普段は仕掛けなさそうでしたが後のないチームを引っ張るべくがむしゃらに突き進む愚直の姿勢を見せます。10巡目にカン7mを入れ、ドラは切れず親番につきということで1sの暗刻落とし!チームメイトも驚きの仕掛け、アクロバティックとらふくを見せていきます。
しかし13巡目にブイヤマ選手のリーチを受け、14巡目にノーチャンス1枚切れの1pを切るとアサダスズメ選手からロンの声が。普段なら1p打たないとチーム配信で述懐するとらふく選手、流石にチームの危機を感じ連荘を優先したでしょうか。ここまでセミファイナル放銃0のとらふく選手にもついに放銃記録がつき、とらふく選手の親番が流れてしまいます。

とらふく選手のダイナミック7pチー

ブイヤマ選手とpac選手が激しいトップ争いを繰り広げる南3局、ブイヤマ選手のバランスが垣間見えました。8巡目に456三色含みの二度受け両面シャンポンのイーシャンテンに構えるも、9巡目のpac選手からの9m及びとらふく選手からの7mをスルー。三色片和了の聴牌には取りません。しかし1巡経過し10巡目のアサダスズメ選手からの東はポン、片和了に取りました。ライバルのツモ番飛ばしも考えていたでしょうか、それとも我慢ができなくなったでしょうか。親のpac選手は高目タンピン赤の完全イーシャンテンで自分の守備力は0というかなり危うい状態でしたが、形式聴牌を取ったアサダスズメ選手から和了牌を仕留め、事なきを得ます。

長い長い物語の終着点は南4局1本場でした。ブイヤマ選手は放銃避け、とらふく選手は3着狙い、アサダスズメ選手は2着狙い、pac選手はトップ狙いと四者四様の思いが渦巻いています。
最初の聴牌はpac選手、7巡目に七対子のドラ1m待ち。本場込みで条件を達成しているため黙聴に構え、溢れる1mを狙います。そのまま局面は静かに進行し12巡目にアサダスズメ選手がタンヤオのみカン3pで聴牌。2着狙いにつきマンガン直撃・ハネマンツモには届かないため手替わり待ちでこちらも黙聴に取ります。36p待ちに変化して道中ブイヤマ選手から6pが出ますが、着順UPにつながらないとこれを見逃し。あくまでも2着にこだわります。
危機を察知したか親のブイヤマ選手は降りに回る中、とらふく選手は縦にも横にも中途半端な手で苦しんでいましたが、13巡目に4mが重なって七対子に決めると、15巡目に聴牌しリーチを掛けます。地獄単騎の東待ちに受けるか、1枚も見えていない3p待ちに受けるか。決意を固めリーチ棒を投げます。同巡呼応するようにアサダスズメ選手はもう待てないと空切りリーチ、pac選手も降りることはないと最後の勝負、ツモ切りリーチをかけます。

ブイヤマ選手が一発消しのチーを入れて回ってきたpac選手のツモ牌。そこにはドラマが待っていました。

「ロン」

その牌は...3pでした。

そして声の主は….アサダスズメ選手!
とらふく選手は東単騎を選択したため声を上げることができませんでした。リーチ棒により直撃裏1条件となりましたが、残念ながら裏は乗らず。着順変動なしで試合終了となりました。

この1牌は様々な命運を分けました。あるいは直撃裏1条件への権利を得、あるいはトップを阻まれ、そしてあるいは2択に不正解という現実を突きつけられ。それはまるで、好調のチームと不調のチームを暗示するかのように。

3pと東の待ち選択を正解できていれば。最終局裏が1つでも乗っていれば。そこにドラ1mがあれば。牌の後先で結果が大きく変わるのが麻雀、なんて残酷なものと思うかもしれません。
だが概して雀士というものはその1牌に運命を翻弄されながらも愛していくもの。「クソゲー」「引退」と言いながらもつい予約ボタンを押してしまうんですよね。

様々な思いが交錯する紙一重の勝負、SFの幕引きに相応しい最期だと記者は感じました。

pac選手の手が掴んだのは3p!!

最終戦、有終の美を飾ったのはブイヤマ選手。最終戦でも縦横無尽に5和了を重ね、0放銃の完勝でチームはファイナル進出決定、勢いをつけました。2着となったのはpac選手。オーラスも条件を作っていましたが、牌の後先に阻まれる格好となりました。3着はアサダスズメ選手。最後も個人MVP効率と称して見逃しまでしてMVPに手の届きかけた執念は目を見張るものがありました。ラスとなったのはとらふく選手。いつも通り苦しすぎる手牌とツモに苛まれるもオーラスの2択まで迫りましたが、地獄単騎に魅入られた結果地獄を見てしまいました。

この対局の牌譜はこちら!

3着・アサダスズメ選手(藁科マーライオンズ)の試合後コメント
―試合の感想と次の試合に向けて一言お願いします。
わたしはたいかいかいし5ふんまえにだんいせんをおしてしまいました。
個人MVPも逃したし良くなかったですね。ファイナルでは挽回します!
―試合のポイントになった局・一打を教えてください。
南4局 0本場 個人MVP効率での選択
条件はpacさんからの満貫以上直撃のみだったので、pacさんから出るように考えて打ちました。
とらふくさんからの2pスルー後の手出しリーチで、追いかけてくるであろうとらふくさんの安牌でスズメに通りそうな待ちを作り、ツモ切り立直をしない事で2pから注意を逸らして出来る限りロン出来る様に工夫しました。36m待ちはツモしか期待できないので拒否しました。
まぁ普通にうまぶりですね、即リーチが一番いいと思います。

(記・LSHTM)

本節の結果

本節をもってセミファイナルが終了となりました。
首位での通過となったのはBlack Cat Code。レギュラーシーズン首位通過のポジションを明け渡さず、更に加点しての盤石の通過となりました。
2位通過は藁科マーライオンズ。ポイント差はわずかに0.5pt。セミファイナルでは最もポイントを積み上げました。
3位通過はTeam鬼畜流。一時はボーダー落ちもありましたが終盤にチームカラー通りの大爆発を見せ、上位2チームとあまり差のない3位通過です。
4位通過は昨季王者の旧Fリーグ連合。第1試合終了時点でボーダー圏外、同時進行の別卓でGBがラスを引いたものの6位優曇華の花に一時は大捲りでの通過の目もありましたがオーラス、乾坤一擲の満貫ツモを成就させて見事通過となりました。
5位で敗退となったのは優曇華の花。第1試合のラスで条件が非常に厳しくなりましたが決して諦めないのがこのチーム。大健闘を見せ一時は通過圏内に入るほどの素晴らしい戦いでした。
6位敗退はGOLDEN BODENS。第1試合終了時点で37ptのアドバンテージを持っての4位でしたが最終戦でよもやのラス。悔しい敗退となりました。
7位となったのはONE CHANCE。3位でのレギュラーシーズン通過でしたがセミファイナル期間を通じて逆風が吹き続ける厳しい展開でした。
8位はANC PURPLE BATS。こちらも苦戦が続きレギュラーシーズンでポイントを稼いだ選手が悉く不発となり、厳しい立ち位置となってしまいました。
勝ち上がった4チームが長いシーズンの最後の戦いを見せてくれる第4期雀魂Fリーグファイナルは7/3(日)21:00~開始です。

おわりに

今回の記事は以上になります。読んでくださってありがとうございました。

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