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東京2020オリンピックに審判員として参加しました

 1年延期して開催された“東京2020オリンピック”のカヌースプリント競技に審判員として参加しました。当初はフィニッシュラインジャッジ(決勝審判員)という着順とタイムを確認する役でしたが、他の審判員が延期期間に異動や体調不良になり参加できなくなったため、急遽ボートコントロール(検艇)というカヌー艇のサイズや重量が規定どおりであるか検査する役に変更になりました。いずれの部署も国体や日本選手権大会などで経験していましたので、戸惑うことはありませんでした。
 私は、福井工業大学でカヌー部顧問として選手の世話をする傍ら、公認コーチや国際審判員の資格を取得して、これまで世界大学選手権大会や大学生のオリンピックともいわれるユニバーシアードの監督、アジアカヌー選手権大会の審判員などを務めましたが、オリンピックは初めての経験です。
 7月28日に出発し、宿舎のホテルに集合、ユニフォームが支給され、翌日から早速業務を開始しました。日本の4人の審判とロシア・ドイツ・イタリア・シンガポールから来た審判員との共同作業で、各国選手団の持ち込み艇のサイズを検査しました。
 競技は8月2日から始まりました。選手がコースに出る前に、事前に検査した艇に間違いないか確認して送り出します。審判の公正性から、日本の選手に対してもそっと「頑張って」というにとどめます。外国の選手にも「Good luck !」と声をかけるのと同じです。ボランティアの人たちも分け隔てなく拍手で応援していました。レースを終えて選手が上陸すると、重量を測定します。軽い方が有利ですから、規定内かどうか確認します。もし、重量が不足していたら失格になりますが、大会中そのようなことはありませんでした。
 強風や猛暑もありましたが、8月7日に予定どおり競技が終了しました。日本は、福井県の桐明輝子選手はじめ思うような成績を残すことができませんでしたが、大会運営は素晴らしかったと外国の役員から称賛されました。予備日の8日をホテルでゆっくり過ごして、9日に帰宅しました。新型コロナウイルス感染対策のため、ホテルと会場を専用バスで往復、原則外出禁止、毎日PCR検査と、厳しい条件での参加でしたが、与えられた業務を全うできてほっとしています。

日本の審判団

※ オリンピックで撮影した画像の公開制限のため公開が遅くなりました。

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