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Roboconに挑戦するカンボジアの大学生とお話しました

 技術系の学生や社会人がロボットを作って様々な課題にチャレンジする、「Robocon」というイベントがあります。Robocon(ロボコン)という略称の付け方が日本っぽいことからもわかりますが、発祥は日本のNHKが主催する高等専門学校(高専)のロボットコンテストです。私も高専の出身なので、当時熱心にロボコンに励んでいた友人がたくさんいます。彼らは例外なくものづくりのセンスが良くて、何をするにもモチベーションが高くて、だいたい成績も良くてと、とにかく優秀でした。私は当時ロボコンには参加していなかったのですが、明確に成長していく友人たちを見て、参加すべきだったなと後悔していた記憶があります。

 アジア・太平洋地域の大学が参加するロボコンとして、ABU Roboconというイベントが毎年開催されています。弊社の所在国カンボジアでも、それに向けて日夜・平日土日問わずにRoboconに熱中する学生たちがいるようです。知人のITエンジニアの方がカンボジアのRobocon活動を長くサポートされているということで、そのつながりで今回Roboconに熱中するカンボジアの学生さんをご紹介いただきました。皆さん忙しいようですが、気分転換がてらにお話、ということで弊社オフィスまで来てくれました。

 所属大学は Institute of Technology of Cambodia (ITC) 、カンボジアでトップレベルの教育水準を誇る、いわゆる超優秀層の集まる大学です。Facebookに活動状況をアップデートしていますので、ご興味のある方はこちらからどうぞ。
https://www.facebook.com/profile.php?id=100033124764055

 次回開催のRoboconに向けた活動の近況について聞いてみると、今はまだコンセプトを固める時期だそうで、アイディアを出して議論したり、プロトタイプを作って感触を確かめているところだそうです。方針が定まってきたら機械・電気系のチームがロボットの設計をして機構を作っていって、最後にプログラマーのチームが制御の調整をしていく、ということで、時期により忙しい人たちが移り変わっていく形になります。Web開発になぞらえると、設計・開発・テスト・受け入れという感じで流れていくウォーターフォール型の開発と言えますね。そしてWeb開発と同様に、設計が破綻した際にこの流れを逆流させると非常に大きなロスとなりますので、今のこの時期の活動が勝敗を分ける大事な要素となるそうです。
 このように分業のような形でプロジェクトが進んでいくわけですが、説明してくれる彼らの語りから、お互いのチームをとても信頼しているとわかることが印象的でした。皆が大変であることをわかっていて、それでもこれまで乗り越えてくれた、という経験からくるものなのでしょうね。

 また、このように技術とチームワークで純粋に取り組んでいくだけで良い、かというとそうでもない事情があるようです。ITCは学力レベルでこそ国内トップレベルなのですが、資金力やコーチの充実度合いで他の大学に劣る部分が顕著になってきているようで、それが一番の悩みであると教えてくれました。勝ち進むためにはそれらの強化が必要な一方で、学生自身でどうにかするには難しい問題のため、いろいろと考えされられるお話でした。

 今度はLabに遊びに行く約束をさせてもらえたので、頃合いを見てお邪魔しようと思います。
 そんなアジア・太平洋地区のRoboconですが、なんと次回はカンボジアのプノンペンで開催!ということでとても楽しみです。ITCをはじめ、カンボジアの学生たちの活躍を願っています。

公式ページ: https://www.aburobocon2023.com/


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