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銀行は何を評価してお金を貸してくれるのか?(積算評価)

こんにちは。ジェイです。

不動産投資では銀行からお金を借りて物件を購入する場合があります。

買う物件が決まると銀行に融資の申し込みをしますが、貸してくれる場合と貸してくれない場合があります。

銀行はいろいろな判断材料から貸すかどうかを決めているのですが、今回はそのなかのひとつである積算評価についてご紹介します。


1. 積算評価とは

銀行からお金を借りるとき、普通は購入する物件を担保として設定します。

お金を返せなくなったときは、その物件を売って返済することを約束するのです。

しかし、銀行からすると貸している金額より高く売れないと回収できないので困りますよね?

そこで物件の売却価値を評価するのが積算評価なのです。

物件の価値は「土地」と「建物」の合計ですから

 積算評価 = 土地の値段 + 建物の値段

となります。

ではそれぞれの算出方法を見ていきましょう。


2. 土地の値段の算出方法

土地の値段は「面積単価」×「土地の面積」で計算します。

この面積単価ですが、実は土地の単価を表すものとして「公示地価」「基準地価」「路線価」と3つもあるのです。

いっぱいあってややこしいですが、以下のように理解すると良いです。

公示地価:国が調査した土地単価で、不動産取引の土地値の参考として使われる。

基準地価:都道府県が調査した土地単価で、使われ方は公示地価と同様。

路線価:国税庁が決めた土地単価で、固定資産税や相続税を決めるための基準として使われる。

さて、積算評価ではこの3つのうち「路線価」を使います。

路線価では、道路に値段が設定されており、どの道路に接しているかで土地の単価を決めます。実は全国の道路には値段が付けられているのですね。

路線価が高い道路に面していれば土地の値段も高くなります。

値段の算出方法は「路線価」×「土地の面積」です。

例えば路線価が10万円の道路に接している100㎡の土地があれば、10万円 × 100㎡ = 1000万円 と評価されます。

実際の路線価は「全国地価マップ」というサイトで調べることができます。

サイトのトップに「固定資産税路線価等」「相続税路線価等」「地価公示・地価調査」という3つのマップが掲載されています。

積算評価では「相続税路線価」を使うのでクリックしてください。

なお、相続税の路線価は公示地価の8割くらいの値段になっています。

次に「全国地価マップご利用にあたって」に同意し、調べたい地域を選択するとマップが表示されます。

マップ内の道路に青の矢印が表示され、その真ん中に「67F」などの数字とアルファベットが表示されています。この数字部分がその道路の値段になります。

矢印が表示されない場合はマップを拡大してみてください。

67Fの場合は1㎡あたり67千円(6万7000円)であることを示しています。

あとは土地の面積を掛ければ土地の値段を算出することができます。


3. 建物の価値の算出方法

建物の価値は「構造」「築年数」「面積」で決まります。

建物は構造によって「再調達価格」と「耐用年数」が決まっています。以下の通りです。

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再調達価格とは、もう一度その建物を建てたらどのくらいかかるかという値段です。

この値段は金融機関によって使っている数値が多少異なるのですが、大きくは外れてないと思いますので目安として使ってください。

例えば木造で 延べ床面積 80㎡の新築であれば、

 15万円/㎡ × 80㎡ = 1200万円

の評価となります。

これが築20年であれば、残りの耐用年数が2年ですから、新築時の22分の2の価値が残っていると考えて、

 1200万円 ÷ 22年 × 2年 = 109万円

の評価となります。

木造で築22年以上の物件はゴロゴロしていますが、それらは全て建物の価値はないと判断されてしまうんですね。

建物の値段と土地の値段を合わせた金額がその物件の積算評価額になります。


4. まとめ

以上が積算評価の算出方法です。

自分の家を持っている人は試しに積算評価してみるとおもしろいです。

だいたいの人は想像より安くてがっかりすると思います 笑 

銀行は積算評価までしかお金を貸してくれないのが基本的です。

ただしこれは「基本」であって、借りる人が高収入であったり、物件の収益性が高いなど、プラスの材料によっては積算評価を超えてお金を貸してくれる場合もあります。

積算評価を計算しておくと借りられる金額がだいたいわかるので、融資を申し込む前に把握しておきましょう。

以上、積算評価の説明でした!

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