見出し画像

【ジェイの才能探訪#9】才能発掘⑥(I“N”SIGHTS)〜才能でネガティブをポジティブへ〜

 今回の質問は「あなたはどんな時に落ち込みますか?」の“Negative診断”である。気にしてしまうことは何?ネガティブになる時は?を聞き出す。そして、その状況に対して申し訳なく思うのか?相手から嫌われてしまうと思うのか?など、その行動に対する自己規定を推し量っていくものである。

 子どもらしくて可愛いものから、活動や行動の起点になり得るもの、才能の発動条件と関連しそうなものが回答にはあった。では見ていこう。


 「疲れた時。忘れ物をした時。」
 
これらは、Intolerance診断(イライラすることは何ですか?)に関連がありそうだ。実際、以前の回答とほぼ一致していた。疲れる、忘れ物をする状態を回避することで、才能の発動条件が整う可能性があるだろう。

 「失敗した時。」
 
これは、Scorn診断とも関連がありそうだ。ただ、気を付けて見ていきたいのが、失敗に対するマインドだ。失敗=恥ずかしい、その状態になりたくない。というマインドであれば、Scorn(絶対になりたくない状態、拒絶)と同義になってしまう。

 失敗=申し訳ない、周りに迷惑がかかってしまう。というマインドであれば、周りとの調和を尊重する。集団の中でどう自己実現するか・したいかを考えていることになるので、個人で恥ずかしい思いをすることとは少し異なる。

 その中でも、「自分の考えや策略が上手くいかなかった時。」と追加で答えてくれた子もいた。確かに上手くいかなかった時は落ち込むだろうが、この子の場合は、普段トライし、修正し、再トライしていることが分かった。一つの失敗をそこまで大きく捉えずに、何度も挑戦できる才能があると見出すことができた。

 繰り返しになるが、同じ回答だとしても、その子の捉え方、考え方、日頃のマインドによって、実情は大きく異なることが分かった。追加で質問しながら、その子の考えを深掘っていけば、遂には才能まで発見できるのだと強く感じた。

 「テストの点数が悪かった時。」
 
う……ん。頑張れ。小学生のサダメだ。

 「やりたかった係とかを、他の人に取られた時。」
 
なるほど。学校生活において往々にしてあり得る状況である。#8でも記載したように、“何事も体験が大事だ”が自論であるため、大いにチャレンジしてほしい。例え身の丈に合っていなくとも、チャレンジした先で上手くいかなくとも。その「やってみたい!」という気持ちを大切にしたいものである。

 ただ、枠数には限りではあるため、希望通りに行かないことの方が多い。そういった時、どのように気持ちを切り替えるか、その後どう立ち回るべきかを考える道徳の学習がある。一般的には、“それそれの場所で、それそれの役割を果たして、集団にとってより良い行動を取ろう。”などの結論に至るだろう。私もこの授業を行った際、これまでずっと子ども達に“才能”に着目させておいたおかげで、この適材適所精神がすんなりと受け入れられたように感じた。

 「見ている面白いアニメが終わってしまう時。」
 
めちゃくちゃ賛同!今期のアニメ豊作だったからね…。

 「相手に譲ってあげたのに、感謝の言葉も無く、楽しんでいる姿を見た時。」
 
それIntolerance(イライラすること)じゃね?!とツッコんでしまった。きっと自分はちゃんと感謝を伝えて行動しているのだろう。もちろん正しい行動であるため、私は背中を押すが、その考えを相手に押しつけ過ぎないようにもアドバイスした。

 最後に紹介する回答は、最も多かった回答である。
 「怒られた時。」
 
子どもに限らず、誰しも怒られれば、落ち込むことがあるだろう。一番多い回答であることも納得である。怒られないように、失敗を避けるように自身の才能を活かしながら、生活を営むことは可能であろう。しかし、それが幸せなのだろうか?

 怒られないように、相手を顔色を伺いながら発揮する才能は、自身の欲求を無視したものになってしまうのではないだろうか。

 もちろん“大人の言うことを聞く。ちゃんと話を聞く。”ことも一部必要な技能であると思う。しかし例えば、(もっと効率がいい方法を思いついたけど…反論すると怒られそうだから)先生の言うことに従おう。(ちょうど今!いいアイディア思いついた!けど…違うことしていたら怒られそうだから)話を聞いておこう。など、異なる方向で才能が爆発しそうなのに、鎮火させてしまっているのは、何だか勿体無い。

 これでは、大人にとって都合の良い子どもが出来上がるだけで、個性の伸長を阻害し、多彩な才能に蓋をしてしまうのではないかと個人的に危惧している。私自身もこのような状況の片鱗に接して、息苦しそうにしている子ども達に心を痛め、現在の状況に身を投じたと言っても過言ではない。

 子ども達自身の“欲求”をしっかりと見極めて、その思いに寄り添っていけば、自然と才能が開花するのではないかとも思う。


【まとめ】
・ネガティブになる状況を見極めて、自身の才能が発揮出来るように立ち回ることが大事。(それこそが才能?!)
・ネガティブ状態を回避するためだけに才能を使っていないか注意深く見る。
・そもそもの欲求にちゃんと寄り添うことが大事。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?