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中央大でカブトムシを捕まえよう!

みんなよく知っているように、我らが中央大学多摩キャンパスは田舎にある。

青学やら明治やらの学生は、授業終わりや空き時間に近場で遊べる場所がいくらでもあるが、中大生にそんなことは許されない。モノレールか動物園線に乗らなければカラオケにも行けない。

だがしかし、キャンパスが田舎にあるからこそできる遊びもあるのではないか。チャラチャラした都会の大学に通うやつらとは違う大学生活の楽しみ方もあるのではないか。そう考えた私は田舎の自然をめいっぱい楽しもうと思い、カブトムシを捕まえに行くことにした。

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(上記の画像はイメージです)

中大の敷地内は無駄に広く、そのほとんどが森である。あれだけ木が多ければカブトムシだけでなく色んな生き物に出会えるに違いない。大学生というより、完全に小学生の遊びだが、私は胸を躍らせていた。

カブトムシは夜行性なので夜にキャンパス内の森に入らなければならないのだが、一人で行くのは少し怖かったので、同期のカノッサに無理やり付き合ってもらうことにした。まず万能百貨店ウェルシアで虫網を購入し、昼のうちにあらかじめ焼酎付けにしておいたバナナを適当な木になすり付けに行く。

マムシ

その際「マムシ注意」の立て札をいくつも目にした。さすがにキャンパス内にマムシが出現する大学なんてうちぐらいではなかろうか。マムシ対策に、段ボールをちょうどいい大きさに切ってすね当てを作った。これを付けていれば、もしマムシに足に噛みつかれても牙は肌まで届かないであろう。我ながら天才である。そんなこんで準備が完了した。

日が暮れるまでまだしばらく時間があり暇だったので、会室にあった女性向けのよくわからない恋愛ゲームで時間をつぶした。ちなみにゲームはめちゃくちゃつまらなかった。

ようやく夜になり我々は動き出した。時刻は21時。まずは汚れてもいい服装に着替え、わざわざ作ったすね当てを装着する。見た目はかなりダサいが、命を守るためなのだから仕方がない。マムシに出くわした際の攻撃手段として木刀も持参することとした。そして虫網と虫かごと懐中電灯を持ったらいざ出陣である。

すね当て

4号館を出て、Cスクエアの裏から森の中に入った。あたりは暗くかすかに虫のなく声がする。この時間にもなれば大学内の人も少なく静かなものである。山道を登り、あらかじめバナナをなすり付けておいたポイントを順に回っていく。最初のポイントは鳥居が立ち並ぶ場所の最初の鳥居のすぐ右手の木である。

さてどうだろうか・・・・いた!オスのカブトムシ二匹と馬鹿でかいゲジゲジが我々の仕掛けたバナナに群がっていた。ゲジゲジが怖いが、なんとかカブトムシを捕まえようと虫取り網をのばしたその瞬間、何かがカノッサの頭に降ってきた。うああああああ...パニックになるカノッサとなぜか一緒にパニックになる私。勇気を出して恐る恐る降ってきたものを見てみるとカブトムシのメスであった。ゲジゲジじゃなくてよかったぁ。

しかしどこからこのメスが降ってきたのか謎である。我々が騒いでいるうちに馬鹿でかいゲジゲジはどこかに行っていたので、楽に捕まえたオス二匹とこのメスを虫かごに放り込んだ。

オス

さらに進み次のポイントを見つけた。木になすり付けたバナナは遠くからだと吐しゃ物にしか見えない。近づいてみるとコクワガタが一匹ポツンとバナナを食べていた。なんだか寂しそうで、学食で一人で飯を食べている自分と重ねてしまった。寂しくないように既にカブトムシが三匹入っている狭い虫かごに放り込んでやった。

虫かご

他にもいくつかバナナを仕掛けた木はあったが残りはすべて空振りで、ゴキブリとゲジゲジしかいなかった。かくして、マムシに出くわすこともなく我々の探索は終了したのである。

会室に戻る途中、虫かごがやけにうるさいので覗いて見ると、カブトムシが交尾しようとしていた。オスの一匹がメスの上に乗ろうとしているのだが、メスはめちゃくちゃもがいて抵抗している。まあずいぶんとお盛んなことである。会室に着いたら、飛んだり鳴いたり(カブトムシもキュッキュッって鳴く)暴れまわるカブトムシと、あとコクワガタと記念撮影をした後、森に返してやった。

メス

全身汗と泥まみれになり、たくさんのゲジゲジとゴキブリに出会ってしまったが、そこそこ楽しかったので是非みなさんも中大で虫取りをしてみるといいと思う。この厳しい現代社会を生き抜くために、時には童心に帰り羽を伸ばすこともきっと意味があるはずだ。(カリメロ8世)

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