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すべての人が、SDGs Peopleになりますように。

先日、ジャパンSDGs アクションのキックオフイベントで、のんさんをはじめ、様々な方がSDGs Peopleとして紹介されました。このサイト上で当日の様子をご覧いただいた方もいらっしゃると思います。

その際、耳慣れない「SDGs People」という単語を聞いて、
「それってなに?」「どんな人がなるの?」「基準とかあるの?」
そんな疑問が浮かんだ人も多いのではないでしょうか?

というわけで、この記事では、「SDGs Peopleとはなにか?」「なぜそんな名称がうまれたのか?」「これからどんな人がなっていくのか?」についてお話しできればと思います。

進んでない、と思っていた世界と、何もしてなかった自分。

その前に、自己紹介させてください。私は、SDGsアイコン日本語版コピーの開発を担当しました井口雄大(いぐちゆうた)と申します。なぜそんな大役を担うことになったのか。はっきり言って、たまたま、だと思います。決して環境問題に精通していたわけでも、SDGsを研究していたわけでもありません。恥ずかしながらSDGsの前身で、2015年までの世界の目標だったMDGs:Millennium Development Goals(ミレニアム開発目標)についても全く知りませんでした。強いて言うなら、英語が多少できる、ということくらいでしょうか。もし担当してなかったら、今頃この原稿を書くこともなかったでしょう。人生って不思議ですね。

 そんなわけで、事の重大さに気づかぬまま担当することになったのですが、はじめに英語版SDGsを見たときに思ったこと。それは、世界は数十年間、全然進んでないな、ということでした。貧困、飢餓、水、衛生、環境汚染、紛争、、、そういう問題が世界にあることは、誰もがこどもの頃から知っています。そして、それらがいまなお解決されておらず、未だに世界が目標として掲げている。ショックでした。薄々わかってはいたけど、改めて目の当たりにして、ちょっと絶望しました。一方、もう少し説明を受けると、課題も目標も、かつてのそれと全く同じなわけではないと知りました。例えば「水」に関して言えば、世界の飲み水問題はほぼ解決されており、現在は下水やトイレの整備に重きが置かれていると聞きました。世界中の多くの人が力を合わせた結果、本当にわずかかもしれないけど、それでも人類は前に進んでいた!そのことに気づいたとき、感動し、大きなやりがいを感じたのを、いまでも覚えています。その流れを少しでも加速させるために、微力ながら貢献できれば、と思いました。

当たり前のことが実現しないのは、行動が伴わないから。

 一方で、先ほど、世界の変わらなさに絶望し、同時に、実は少しずつでも進んでいたことに自分は感動した、と書きましたが、よくよく考えると、これ、すごい他人事な捉え方ですよね。自分だって、この世界の一員として、何かしてもいいはずなのに、なかなかそうは思えない。やってる人をみて、「偉いなあ」と遠巻きに思う。「すいません、何もしてなくて」と心の中でつぶやく。これを読んでくれている方の中にも、そういう方がいるかもしれません。感動した瞬間は、どこまでも世界のことに他人事で、一方で、それをえらそうに批評している自分に気付かされた瞬間でもありました。

 SDGsの実現に向けての大きな課題はここにあります。世界にどんな問題があって、本当はどんな世界がいいのか、みんな言われなくてもわかっている。でも、なかなかそれが実現しないのは、行動が足りないからだと思います。2020年、国連は「行動の10年(Decade of Action)」というキーワードを掲げました。「SDGsの認知は広まってきた。でも、まだまだアクションが足りない」というわけです。じゃあ、どうしたら自分も含めて、みんなのアクションが増えるだろう?そう考えたとき、実は周りに行動している人がたくさんいる、ということを知ることが大事なのではないかと考えました。

SDGs People = SDGsにつながる取り組みを行うすべての人

 世の中には、いろんな立場で、いろんな視点で、SDGsの実現につながる行動をしている人がいます。行動のきっかけ、分野、動機、目標、、、内容は人それぞれです。だから、ジャパンSDGsアクション推進協議会では、SDGsを知っているかどうか、意識しているかどうかに関係なく、著名人、一般人、企業や団体の所属も関係なく、SDGsの実現につながる行動をしている人は、すべてSDGs Peopleと呼ばせていただこうと思いました。

立ち位置はみんな横並び、上下もありません。ひとりひとりをSDGs Peopleと呼ばせていただき、みなさんに紹介することで、真似したり、参考にしたり、どんなアクションをすればいいか、そのヒントを得ることができるのではないかと思いました。

行動の源には、想いがありますから、それを聞けば重い腰をあげるための熱量ももらえるかもしれません。中には、共感できる人もいれば、少し遠く感じる人もいるでしょうから、一人でも多くのSDGs Peopleを紹介できれば、と考えています。

自ら先頭を切って行動できる人はもちろん素晴らしいですが、誰にでもそれができるわけじゃない。すべての分野でそうできるわけじゃない。既にSDGsへの取り組みを行っている人たちも、きっと誰かから影響や刺激を受けて、それをはじめたのだと思います。いろんな人を参考に、その中で自分が取り入れられるものを取り入れて、行動に移していただければ。そんなことを考えています。

ちなみに、あなたもたぶんSDGs Peopleです。

 ふだんの生活を振り返ってみてください。ほとんどの方が、ゴミを分別し、無駄な電気は消し、ごはんは頼みすぎず、残さず、ということをしていると思います。それも世界の未来につながる、立派なSDGs ACTIONです。SDGs は意識が高い、一部の人たちだけのものではありません。誰もが願う、よりよい明日のために取り組むもの。特別なことをやらなくてはいけないわけではありません。ほとんどの方が、きっとSDGsに一歩足を踏み入れています。じゃあ、次は何をしよう?そのヒントを、私たちが紹介するSDGs Peopleからみつけてください。

あなたがSDGs Peopleだと思う人を、周りに伝えよう。

たとえば、先日SDGs Peopleとして紹介させていただいたのんさんは、ジェンダー問題に高い関心を持ち、東北の復興支援や、服のアップサイクルを行なっていましたが、SDGsを知りませんでした。そんな彼女を「SDGs People」と紹介させていただきたい、そう伝えることで、彼女自身にも、その周りの人にも、SDGs を知ってもらうことができました。さらなるSDGs ACTIONへのやる気を引き出すことができました。

つまり、SDGs Peopleとして紹介することで、ご本人に、周囲の方、そして社会全体にSDGsそのものを知らせることができます。日々の行動と、SDGsとのつながりを知ってもらえます。ご本人だけでなく、周囲の方にSDGs ACTIONを促すことができます。そして、その積み重ねが、社会全体のSDGs ACTIONをきっと増やしていきます。

あなたの身の回りに、SDGsにつながる取り組みをしている人がいたら、ぜひご本人にも、周りの人にも、その人がSDGs Peopleであることを伝えてください。そして、もっと多くの人にぜひ紹介したい方がいたら、編集部までご連絡ください。SDGs Peopleとその取り組みを伝え合うことで、社会全体のSDGs ACTIONをみんなで増やしていきましょう。