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82アニメ「手品先輩」先輩と夏目漱石

仰々しい題にしましたが、いつものような文学やらに関係する記事ではありません。私個人的に好きな先輩の魅力を伝えられたら幸い、というものです。

先輩ですが、少し足が速いくらいで頭脳も手品もポンコツ、クラスでもぼっちで、追試も常連のようです。

が、とても魅力的に観えます。特に5話では、助手くんの先輩に対する恋心に向き合おうと、自宅に助手くんを呼ぶわけです。対人や手品には真摯な人間性が観えます。

ところで、明治期に煤煙事件がありまして、漱石は森田を自宅に匿いました。木曜会の連中は森田を笑ったのですが、漱石は「真面目な人間を笑うものではない」と一喝したそうです。

先輩を見ていますと、上記の逸話を思い出すのです。先輩はポンコツですが、真摯です。そこが魅力的に見えました。

助手くんが高校を卒業し数年後のある日、「おーい助手くん!」と聞こえ振り返ると、ぼろい車に乗った先輩がなんの屈託も無く手を振ってくれそうな気がします。こういった「信頼」できる個性が先輩にはあります。