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2021年7月1日のマーケット

オニールの手法に則り、米国マーケットの分析をしていきます。
先に、結論を記載します。興味がある方は、読み続けて下さい。

【結論】
・「売り抜け日」が各指標に3回ずつあり、相場の天井にリーチ。
・「売り抜け日を隠すための騙し」が5週間内に2回ある。
・上昇試しは、成功 or 行われていない。
・今後2〜3週間以内に「売り抜け日」があれば、現金比率を高める。
・FOMC後、機関投資家の動きがポジティブになりつつある!?

本日の主要指標のチェック
先ずは、本日の主要指標の確認を行います。

全体的に、株価が上がり出来高が少なくなっています。

1.相場の天井を見極める

天井を打つ直前での大量売りは、通常なら四~五週間に三~五日起こる。つまり売り抜けは、市場がまだ上昇中に起こるのだ!これこそが、売り抜けを見極められる投資家が極端に少ない理由の一つである。
(出典:ウィリアム・J・オニール,『オニールの成長株発掘法』,パンローリング株式会社,2011年5月3日)
上記は『オニールの成長株発掘法』に記載されている文章の一部です。機関投資家による売り抜けは、まだ相場が上昇している最中に訪れます。
オニールは、この書籍の中で機関投資家の売り抜けを見抜く方法を提示してくれています。その方法に従い、今の相場の現状を確認したいと思います。


1-1.機関投資家による「売り抜け」の確認

【条件】
 1. 出来高が上昇にしているのに、株価が0.2%以上下落している場合、機関投資家が売り抜けしている可能性が高い。
2. 1.の条件はS&P500、ナスダック、ダウ工業株30種平均指数のうちのどれか一つでも当てはまると危険。
3. 機関投資家による売り抜け日が1つの指標の中に4〜5週間で4日以上あった場合、相場の天井が近い。

□S&P500 (ティッカー : SPY)

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S&P500には、「機関投資家による売り抜け」と思われる日が6月3日、16日、18日(黄色塗り)の計3回ありました。

□ナスダック(ティッカー : IXIC)

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ナスダックには、「機関投資家による売り抜け」と思われる日が6月3日、16日、18日(黄色塗り)と計3回ありました。

□ダウ工業株30種平均指数(ティッカー : DJI)

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ダウ工業株30種平均指数には、「機関投資家が売り抜けした日」と思われる日が6月16日、17日、18日(黄色塗り)と計3回ありました。

「1.機関投資家による売り抜けの確認」の総括
それぞれの指標で3回の「株価が伴わない出来高の上昇」が見受けられた。また、16日、18日は、全ての指標で「株価が伴わない出来高の上昇」行われている為、16日〜18日の間に機関投資家の売り抜けが行われた可能性が極めて高い。

1-2.「機関投資家による騙し」の確認

【条件】
S&P500、ナスダック、ダウ工業30種平均指数、NYSE総合の株価を比較し、1つの指標だけ株価が上昇している等の「乖離」が見られて場合、それは機関投資家が売り抜けを隠すための「騙し」の可能性が高い。 

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機関投資家による騙しは6月7日と17日(青塗り)の2回ありました。


2.上昇試しの確認

マーケットが天井につけた後、多くの場合は弱々しく上昇します。これを「上昇試し」と言います。
この上昇試し中に株価が下落に転じた場合、「上昇試しの失敗」という事となり、機関投資家が売り抜けを行ったり、暴落へと転じていきます。
上昇試しの失敗を確認する為の具体的な条件は下記に記載します。

【条件】
1. 株価が3〜5日上昇するのに、出来高は前日より少ない
2.平均株価の上げ幅が前日より少ない
3.平均株価が前に付けた高値から直近の安値の半分も回復していない

1.株価が3〜5日上昇するのに、出来高は前日より少ない
18日以降を切り取り、観察するとIXICが21日〜24日の4日間に掛けて、株価が上昇し、出来高が少なくなっています。IXICを中心に警戒が必要です。

2.平均株価の上げ幅が前日より少ない
全ての指標で問題はありません。

3.平均株価が前に付けた高値から直近の安値の半分も回復していない
全ての指標で問題はありません。

「2.上昇試しの確認」の総括
上記より、上昇試しは成功又は行われていない可能性が高い。
一方、SPY、IXICの出来高が減少し続けている事が気掛かりとなる。

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16日〜18日にかけて、機関投資家の売り抜けと思われる動きがありましたが、ここ1週間は割と穏やかな動きでした。特に昨晩は出来高も上がっており、良い傾向だと思います。

FOMCの発表以降、テーパリング等の不安材料が織り込み済みへと変わった可能性は大いにあると思います。

ただ、油断せず、日々のマーケット環境をチェックしていきましょう。


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