「筋肉の硬さ」にマッサージが逆効果の理由は?-メカニズムとおすすめの対処法-
今回は臨床の現場で頻繁に遭遇する「筋肉の硬さ」について少し深ぼって
お伝えいたします。
・筋肉の硬さがなぜ生じるのか生理学的にわからない
・筋肉の硬さに対しての対処法が曖昧
・筋肉の硬さを解消できず患者様/お客様へ満足してもらえない経験がある
こういった向けの記事です。
今回、筋肉の硬さの生理的メカニズムや対処法をイラスト付きでお伝えするので苦手な方もイメージできるのではないかな、と思います。
僕自身も「筋肉の硬さ」への対処法が整理されることで、様々な疾患に対しての考え方のベースになりました!
筋攣縮(スパズム)と筋短縮の違い
そもそも「筋肉の硬さ」は大きく分けて3つに分けられます。
①筋攣縮(れんしゅく)
②筋短縮
③筋癒着
ざっくりこの3つです。
この中でも臨床の現場で良く対処し、痛みに苦しんでいる方も多いのは①の筋攣縮であると僕は思っています。
攣縮を英語でスパズムというので、筋スパズムという名前で覚えている方も多いかもしれません。
ということで、以下に筋スパズムのメカニズムと対処法についてお伝え致します。
たまに遭遇しますが、筋スパズムの方に対し、痛みを伴うような強いマッサージを行ってはいけない理由もメカニズムからお伝え致します。
そもそも筋スパズムとは?
いわゆる”筋スパズム”は、筋肉の張りや痛みを訴えている方に多く見られる現象です。
ただ"攣縮"という言葉は聞き慣れずイメージしずらいですよね。
筋スパズムを一言で言語化すると、
「筋肉が意図せず持続的収縮している状態」
また、その周辺の血管も収縮しているケースもあります。
また、筋スパズムが起きることで生じるデメリットを挙げると、
・筋細胞外に発痛物質を放散し疼痛発生
・痛みに関連するポリモーダル受容器などの閾値を下げるので、圧刺激への感受性が高くなる
・筋緊張亢進状態が持続しその状態で過度な収縮や伸張刺激が加わると疼痛のリスク大
筋緊張が亢進するだけでなく、痛みに対する閾値も低くなることが特徴です。
筋スパズムによる慢性的な肩こりや腰痛、急性期のいわゆる寝違えや背中の痛みなどはまさに上の一文で説明がつきます。
筋スパズムによって筋肉が硬くなるだけでなく、痛みを感じやすくなっているのです。
これらを踏まえ筋スパズムの評価は、
・圧痛
・収縮/伸張時痛
この2つを主に見ています。
炎症(熱感)はさほどないが圧痛は強い、などのケースは基本的に筋スパズムが生じていることが多い印象です。
筋スパズムが生じる流れをシンプルに理解する
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