コード進行の基本的なルール17
前回はサークルオブフィフスとii-V-I 進行 との関係についてみていきました。もう一度、ii-V-I についてみていきます。
フルケーデンスのIV をii で置き換えたものが、ii-V-I 進行です。
(上がフルケーデンス、下がii-V-I 進行です。)
今回はG7 を置き換えるコードについて見ていきます。
まず、このii-V-I のベースだけに着目します。
ii-V-I のベースラインだけみると、レからソに上がってドに帰ってきます。
これはこれでいいのですが、レからもっと省エネでドに帰ってくる流れを考えます。
そうすると以下の方がドへの流れがスムーズに見えないでしょうか?
レから半音で下降してレ♭に行って、そのまま半音下降してドにいきます。
実はこの流れは問題なく成立します。なぜなら、G7 と D♭7 は同じトライトーン を共有しており置き換えが可能なルールがあるからです。
※青で示した音が各セブンスコードのTritone です。
この同じトライトーンを共通に持つコード同士を「裏コード」と呼びます。
そして、この裏コードはii-V-I 進行のVの変わりに置き換えることができ、それはiiの半音下 ii♭ と言うことになります。
これを使ってはじめのii-V-I 進行を書き換えると以下のようになります。
このD♭7 が裏コードですが、裏コードは英語ではTritone Substitution と呼ばれるので記号では sub V7 とかsV7 とか書かれます。
これが裏コードと呼ばれるのは、裏コードとなるコードは前回からやっているサークルオブフィフス でみると丁度”円の反対側にある音”が裏コードになるからです。(おそらく日本だけの呼び方です・・)
ですが、実用面では今回のようにii-V-I の流れを半音を使ってスムーズにすること(ii-ii♭-I )や、半音上からトニックに戻る時に使われる(ii♭-I )ので、そのように理解した方が使い勝手が良いと思います。
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