通時的視点/共時的視点

色々と考える上で重要なことってなんだろう?
いや、「色々と考える」って書き出しの時点である意味で思考停止してんぞ、ってツッコミはなしでお願いしたい。ツッコんでみろ、年甲斐にもなくさめざめと泣くぞ。

閑話休題。何かテーマを考える上で、ないしは何か方法を考える上で、まずは視点を決める必要があるだろう。「視点」を意図せずぶらすと、「お前軸ズレてんなおい」と手痛いツッコミを食らうことになる。
例えば、物語を一つ取ったとして。
「ある時代のある文化圏の人々にどう受け取られたのか」

「その物語がどういった形で享受され、そしてどういった影響を与えてきたのか」
とではやや視点を異にしている。前者は「同じ時代・空間においてどう影響したのか」であるし、後者は「歴史的にどのような立ち位置にいたのか」である。
前者は「時を共にした視点」であり、後者は「時を通した視点」である。前者を「共時的視点」、後者を「通時的視点」という。
当然、どちらも必要である。例えば前者であれば「その受け取られ方やその解釈はどういったところから(=通時的な視点から見た背景から)生まれたのか」といった問題になるだろうし、後者だと「その享受が歴史的に為されてきたのは、ある時代にこういった解釈があって(時を共にした人々がこういった受け取り方をして、共時的な解釈があって)結果、後の時代にこのように影響してきたのだ」といった問題になる。
歴史なり文学なりといったテーマで「なんとなくこれやりたい」と思っている場合、通時的視点/共時的視点といった軸で考えてみるのも一つ手だろう。

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