詩）友の肩越し

その友の肩越しに見える世界は不快。
でも私はそれを彼に教えてはやらない。
だって友達だから。

その友の肩越しに見える海は風前の灯。
でも私はそれを彼に教えてはやらない。
だって友達だから。

その友の肩越しに見える星空は法螺吹き。
でも私はそれを彼に教えてはやらない。
だって友達だから。

その友の肩越しに見える街並みは曖昧。
でも私はそれを彼に教えてはやらない。
だって友達だから。

その友の肩越しに見える草木は青息吐息。
でも私はそれを彼に教えてはやらない。
だって友達だから。

その友の肩越しに見える物語は面倒くさがり。
でも私はそれを彼に教えてはやらない。
だって友達だから。

ゆえにその友の肩越しに見える世界は深い。
でも私はそれを彼に教えてはやらない。
だって友達だから。
そのままであって欲しいから。

　　　　　Mon 10 Jan 2022  友人Yへ贈る。